信頼性高く普段遣いできるクラシック
執筆:John Evans(ジョン・エバンス)
【画像】過剰品質 メルセデス・ベンツ190クラス 最新版のCクラスと比較 全63枚
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)
信頼性が高く普段遣いできるネオ・クラシックをお探しなら、ここに1つの答えがある。今回ご紹介するW201型と呼ばれるメルセデス・ベンツ190クラスは、量販が目指された、極めて優秀なオールドスクール・モデルだ。
1982年から1993年までの11年間に、200万台以上が生産されている。そんな大衆化を目指したモデルを、メルセデス・ベンツは当時6億ポンド以上の費用を投じて開発した。その結果、過剰品質や過剰設計と呼ばれる内容をもたらした。
2021年に190クラスを探している人にとっては、聞こえの良い評判に違いない。そのおかげで、今でも人気は衰えていない。
英国市場を見渡してみると、可動状態で1000ポンド(15万円)位から。走行距離が短く状態が良い190だと、1万5000ポンド(228万円)前後まで釣り上がることも。
妥当な190の場合、英国では5000ポンド(76万円)前後が相場。そこそこの走行距離でMTの190 2.0Eが手に入る。ちなみにEとは、燃料インジェクションを示している。
190クラスには、2.3-16や2.5-16コスワースなど希少なモデルも存在する。この場合は英国でも2万5000ポンド(380万円)以上はしてしまう。こちらは後日ご紹介しよう。
ボディスタイルはサルーンのみ。現代の基準でいっても快適で、滑らかで機敏に走る。ステアリングは軽く反応も正確だ。インジェクションなら、一層その特長が光る。
安全装備にも抜かりはない。エアバックとプリテンショナー付きシートベルトが標準装備。ABSはオプションで選べた。
エンジンのラインナップは多彩
発売当初からガソリンエンジンのラインナップは多彩だった。ベーシックな自然吸気の2.0Lは、控えめな90ps。先述の190 E コスワースには、パワフルな2.3Lや2.5Lの16バルブが載っていた。2.6Lの6気筒エンジンもあり、166psを発揮した。
5気筒2.5Lで90psを生み出す、ディーゼルエンジンも選べた。当時のユニットとしては非常に静かで、メルセデス・ベンツはウイスパー・ディーゼルと誇らしげに名付けている。このエンジンは非常に堅牢で、燃料の質も問わないといわれたほど。
190クラスの主役的ユニットといえば、2.0Lのインジェクション・ガソリン。現在でも一般的な選択肢で、最高出力は122psを発揮した。調子が良ければ0-100km/h加速を10.9秒でこなし、現代でも通用する動力性能を持つといえるだろう。
モデル末期の1990年、2.0Lの自然吸気にかわって1.8Lのインジェクションが登場している。こちらは108psを発揮し、0-100km/h加速時間は12.3秒とうたわれた。
予算次第でパワーウインドウにパワーミラー、サンルーフ、エアコン、アームレスト、ウッドトリムなど、多彩なオプションを装備させることも可能だった。1989年にフェイスリフトを受け、リアシートまわりの空間が広くなり、バンパーが拡大されている。
ただし、メルセデス・ベンツといっても1980年代生まれだから、現代モデルのような快適性は期待しない方が良い。190クラスの魅力は品質の高さと、強い独自性にある。
現在も生き残っている例の多くには、少なくないオプションが載っている。今なら選択肢もまだ少なくない。良い190クラスは、早い者勝ちだ。
専門家の意見を聞いてみる
マーク・テイラー:MTSV社代表
「メルセデス・ベンツ190クラスの良さに気付いたのは、1980年代の終り。仕事で社用車の190 1.8を運転していた時です」
「インテリアを眺めれば、フロントガラスは切り立っていて、シートはビニール張り。なせこのクルマに大金を支払うのか、理解できなかったのを覚えています。レザーの代替品として耐久性の高いMBテックスが用いられているとも、当時は知りませんでした」
「しかし実際に運転してみると、その品質の高さに心が奪われたんです。数年後に、190を含むクラシックなメルセデス・ベンツを扱う事業をスタートするきっかけにもなっています」
「190クラスへの需要は、今でも非常に高い状態にあります。ここ1年で、取引価格は30%ほども上昇しているんです」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
1988年以前の2.0Lエンジンにはシングルチェーンが用いられており、11万2000km毎の交換が必要。1988年以降の場合、よりタフなダブルチェーンに置き換わっている。
エンジンの排気量に関わらず、ガスケットの不具合が起きやすい。正しいクーラントを用いないことが原因となる。
キャブレター・エンジンの場合は、馬力の山にフラットスポットが生じていることも。インジェクションは電気機械式で、どちらも整備には古い経験が必要だ。
トランスミッション
4速ATは堅牢だが、4年毎にフルードとフィルターの交換を行いたい。5速MTも頑丈だが、あえてAT用フルードに交換することが最高の状態を保つポイントだという。
サスペンション
フロントのロア・ボールジョイントは摩耗しやすい。サスペンション・スプリングは破断することがある。ブッシュやアーム類などは、耐久性が非常に高い。
ボディ
フェンダーの内側にウォータータンクの下側、バッテリートレイ周辺が錆びやすい。バッテリーが液漏れ、バルクヘッドやキャビンに侵入していないかも確かめたい。
1988年のフェイスリフト以降の190クラスでは、大きなバンパーが汚れを溜めてしまい、荷室フロアを腐食させる原因となる。ジャッキポイント・カバー裏側のサビにも注意したい。
インテリア
ドアの内張りは、上部だけで持ち上げてしまうと壊れる。交換部品は安くない。MBテックスと呼ばれる内装素材は頑丈。標準のクロスも摩耗性は高い。ベロア内装は珍しいが、剥げてしまう。
英国ではいくら払うべき?
1000ポンド(15万円)~2499ポンド(37万円)
走行距離の長い、くたびれた190 1.8と2.0が英国では見つかる。
2500ポンド(38万円)~3999ポンド(59万円)
インジェクションの190 Eが英国では出てくる。整備記録も揃っているものが多いはず。年式や走行距離はまちまちだ。
4000ポンド(60万円)~5499ポンド(83万円)
状態の良い、オーナー数の少ない後期型の190 Eが英国では選べる。
5500ポンド(84万円)~6999ポンド(105万円)
走行距離が短い190 Eのほか、2.0Lのキャブレター・エンジンが見つかることも。
7000ポンド(106万円)以上
かなり状態が良い、走行距離の短い190 Eが英国では手に入る。
知っておくべきこと
メルセデス・ベンツ190クラスは、長い走行距離に耐える。長距離を走るドライバーにも、新車時代は多く選ばれた。
現在流通する190クラスには過走行距離のクルマも多いが、目立った問題もなく耐え抜いてきた証拠といえる。購入時には、走行距離が改ざんされていないか確かめたい。
英国で掘り出し物を発見
メルセデス・ベンツ190 1.8 E 登録:1993年 走行:18万9900km 価格:3495ポンド(53万円)
ノーマル状態に近い190 1.8 Eは一見の価値がありそうだ。これまでに正規ディーラーで14度もメンテナンスを受けている。ATは最近整備を受けたばかりだという。
パワーウインドウにサンルーフなど、装備は充実している。説明書やサービスブックが一式揃い、キーは全部で3本ある。
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