現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > いまや軽自動車でも余裕で100km/h走行可能! なのに法定速度で走ってもハイパワー車のほうが断然ラクという不思議

ここから本文です

いまや軽自動車でも余裕で100km/h走行可能! なのに法定速度で走ってもハイパワー車のほうが断然ラクという不思議

掲載 42
いまや軽自動車でも余裕で100km/h走行可能! なのに法定速度で走ってもハイパワー車のほうが断然ラクという不思議

 エンジン回転数が低く抑えられるメリットは大きい

 今では軽自動車でも高速道路で100km/h走行をなんなくこなす。それ以上の速度だって、出そうと思えば出せる。コンパクトカーならさらに余裕だ。しかし「100km/hで走れる」のと「100km/hでラクに走り続けられる」というのは別の話だ。当然、ハイパワーでトルクに余裕があるクルマのほうが、断然ラクに違いない。

「出先で給油」のストレスから解放! 満タンで1000km以上走れる「ガス欠無縁」な国産車5選

 何故か。まずは、ハイパワーでトルクのあるクルマは、一定の速度で走る際のエンジン回転数が低く抑えられるからだ。たとえば、小排気量でそれほどパワー、トルクのないクルマが100km/hをキープして走るのに、エンジン回転数が2600回転まで回っているとする。一方、パワーとトルクに余裕があるクルマだと1500~2000回転で済んでしまったりする。その分、アクセルの踏み込み量が少なくて済むわけだ。そーっと踏んでいればいい。だから肉体的にもラク。しかも、エンジン回転数が低いということは、エンジンに起因するノイズの高まりも抑えられ、車内騒音による聴覚的疲労度も低減することになる。

 アクセルペダルの踏み込み量に関して、パワーとトルクに余裕がないクルマでも、ACC(アダプティブクルーズコントロール)を使えば、アクセル操作による肉体的な疲労度が少なくて済むのでは? と思うかもしれない。たしかにペダルを踏む力は必要なくなるものの、エンジンが目いっぱいがんばっているのと、余裕たっぷりに速度を維持しているのとでは、先に触れた車内騒音で差が付くというわけだ。

 スムースで静かな合流・追い越しも可能!

 巡航中もさることながら、パワーのないクルマとパワーのあるクルマで差が付くのが、合流や追い越し加速時だ。パワーがないと、それこそアクセル全開、マンガで描くとしたら、汗・汗・汗……のエンジンが張り叫ぶような加速を強いられたりする。車内の会話も途切れ、繰り返していくうちに、精神的、肉体的にも疲れてしまいそうだ。ところが、パワーとトルクに余裕があれば、それこそアクセルの踏み込み量は最小限で、スムースに、静かに合流、追い越しを行うことができるだろう。そう、車内で気持ちよく寝ている奥さんや子供、愛犬を起こさずに、である。

 また、ハイパワー車は当然、上級車であり、乗り心地面で有利で(特殊なスポーツカーを除く)、遮音、吸音材もふんだんに使われていることが多く、速度にかかわらず、車内が快適かつ静かに保たれるため、運転がラクに感じられる。もし、ハイパワー車でドライブモードが付いていれば、ECOモードにセットすれば、巡航中のエンジン回転数が抑えられ、より快適な室内環境になりやすい(パワーのないクルマでECOモードにするとパワー的にさらに物足りなくなるはず)。逆にスポーツモードでは、エンジン回転数が高まるはずで、エンジンレスポンス、加速力は高まるものの、車内の静かさで不利になることもある。

 結論としては、短距離の高速走行ならともかく、長距離の高速走行になると、ある程度、パワーとトルクに余裕があるほうが圧倒的にラク。ドライブで、目的地に着いたとき、家に帰ってきたときの疲労度が大きく違うはずだ。とはいえ、それは数値=スペックが絶対ではない。例えば、VWゴルフ7は主力グレードのハイラインでも140馬力と、決してハイパワーなクルマとは言えない。140馬力といえば、オヤジ向けのおとなしく渋く便利なセダン、プレミオ/アリオンの1.8リッターモデルとほぼ同じ(143馬力、17.6kg-m)。

 そう聞くとローパワーのように感じるが、しかしVWゴルフ7はトルクが25.5kg-mと、アルファード&ヴェルファイアの2.5リッターNAエンジンの最大トルク24.0kg-mを上まわるほどで、直進性や乗り心地の良さ、車内の静粛性の高さ、エンジンのスムースさ、豊潤なトルクによる運転のしやすさ、そしてガッチリとした強固なボディに守られているような、そこはかとない安心感も手伝って、ヨーロッパでの国境を超えるような超長距離ドライブでも、運転手、乗員ともにじつに疲れにくい。ゴルフでドイツのアウトバーンを超高速巡航したことがあるが、日本での100km/h巡航ともなれば、ラクラクもいいところなのである。ハイパワーでなく、ハイトルクが運転のラクさに貢献する一例である。

 合わせて、運転に緊張感を伴いやすい高速走行を含めた運転のラクさでは、運転のしやすさ、ボディサイズ、ステアリングや走行時に必要なスイッチ類の操作性、視界、シートとの相性、先進安全装備の充実度もかかわる総合性能で決まってくるということは、もちろんである。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス

みんなのコメント

42件
  • これは長距離の高速道路走行すると痛感するよねw
    疲労感が全然違うわ
  • 普通車と軽自動車の時速100kmは
    、「余裕ある時速100km」か「何とか頑張れば出来ます。」ってレベル。

    普通車だと回転数は高くて2500回転。軽自動車だとどんなに低くても3000回転は回る。当然、煩い上に燃費も悪い。しかも、タントやスペーシアみたいなスーパーハイト系だと空気抵抗が高い上に横風が強いと不安定になるし、何より「軽自動車」の割に重い。ターボエンジンだと尚のこと燃費が悪くなる。

    確かにエンジンの進化やCVTの採用など進化は著しいが、やはり軽自動車は時速80kmが限界じゃないか?特にスーパーハイト系で横風が強い湾岸道路だとなおさら。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村