「今の時代、おっさんはどんなクルマに乗るべきか?」
いやもちろん、どんなクルマに乗ったっていいのだが、アナタ(おっさん)が仮にクルマ好きなら、周囲のクルマ好きからどう見られるかを意識するはずだ。そして少なくとも、「シブイなぁ!」とか、「わかってるね~」と思われたい、と願うのではないだろうか? そういう選択を、ワタクシ清水草一が独断で展開いたします!
都会派のおっさんにおすすめ! どことなく見栄を張れる300万円以下のSUV5車種【おっさんはこれに乗れ!】
文/清水草一
写真/ホンダ、マツダ、スバル
■ラクに乗り降りしながら見栄を張れ!
人間、年を取るとクルマの乗り降りがキツくなってくる。車高の低いスポーツタイプや、車高の高い本格派オフロードタイプの乗り降りは、冗談にならないくらいキツい。いまはまだ大丈夫でも、そう遠くない将来、乗降不能になる可能性もある。まぁそうなった時は免許を返納すべきかもしれないが、クルマ好きなら、その瞬間は少しでも先送りしたい。
「いずれ乗り降りができなくなら、余計、今のうちにそういうクルマに乗っておくべきじゃないか!」
そんな意見もあるだろう。正論である。しかし、定年退職後のおっさんにとって、クルマの買い替えは大きな負担。先々を考えて、今から乗降のラクなクルマにしておけば、転ばぬ先の杖となる。
では、運転席の乗り降りが最もラクなクルマは何かと言えば、ヒップポイント(シート座面)の地上高が「若干高い」くらいのクルマだ。ヒップポイントの地上高は、車種によって大きく違う。本格的スポーツカーは30cmほど。乗り降りするたびに軽いスクワットになる。逆に本格的オフロード4WDは80cm以上。軽くよじ登る感じになる。
で、一番ラクな高さは、身長によって異なるが、60cmから70cmくらい。セダン系は通常50cmくらいだが、それよりも若干高いくらいが一番ラクだ。そこに最もハマるのは、都会派クロスオーバーSUVなのである!
都会派SUVは街中でも映えるデザインと高い悪路走破性能を持ち、それでいて乗り降りがラクなカテゴリー!
今日び、スタイリッシュなSUVに乗っているだけで、どことなくアクティブに見てもらえる。見栄を張ることを忘れたら、おっさんの命もそれまでよ。カッコをつけるなら都会派SUVでキマリだ!
ただ、サイズは小さめのほうが取り回しがラク。小さいほうが値段も安いので一石二鳥である。ということで今回は、300万円以下から買える、スタイリッシュで乗り降りのラクな、都会派SUVを選定してみた。
■清潔感のあるデザインで加齢臭を薄めよ!「ホンダ ヴェゼル」
2021年4月に発売されて以来、高い人気を獲得しているヴェゼル。従来のSUVとは一線を画す新時代の都会的デザインを備えた
スタイリッシュな都会派SUVで、サイズも手頃(全長4330mm×全幅1790mm×全高1580~1590mm)。乗り降りもラク。それで300万円以下。すべての条件を満たす、素晴らしいSUVである。
ヴェゼルはウエストラインが水平に近く、デザインに清潔感がある。おっさんになると、家族から「臭い」だと「汚い」だの言われがちだが、ヴェゼルは、おっさんの加齢臭を消してくれる効果が期待できる。しかもヴェゼルは、どこか外車っぽい。外車っぽいというのはつまり、生活臭が薄いということだ。加齢臭と生活臭の両方を薄めてくれるのだからスバラシイじゃないか!
ボディカラーもイイ。特にイイのは「サンドカーキ」だ。どこかモモヒキっぽい色だが、これが実にオシャレ。ただしモモヒキ色には違いないので、「気取ってない感じ」も演出できる。サンドカーキのヴェゼルに乗れば、都会的で清潔感があって外車みたいにカッコいいのに、モモヒキみたいに気取ってないという、誰からも愛されるおっさんになれるに違いない。
お値段は、売れ筋のe:HEV ZのFFで、289万8500円也。おっさんはサンドカーキのヴェゼルに乗れ! ただ、難点もある。ヴェゼルは、納車待ちが最大1年に達しているのだ。トヨタのSUVも軒並みそんな状況だ。無念。
■輸入車っぽいマツダのスタイリッシュSUV軍団!「マツダ CX-5」
マツダのSUVラインナップを代表するCX-5。2021年11月の改良で、最新の魂動デザインを導入し、快適性や静粛性も向上させている
具体的にはCX-3、CX-30、CX-5の3モデルを選定したい。これら3モデルは、どれも見た目はスタイリッシュで清潔感がある。しかもどれも輸入車っぽく生活感が薄いので、ヴェゼル同様、おっさんっぽさを薄めてくれる効果大。おっさんはまだまだ死なん!
では、サイズはどうか。
CX-3:全長4275 × 全幅1765 × 全高1550mm
CX-30:全長 4395 × 全幅1795 × 全高1540mm
CX-5:全長4575 × 全幅1845 × 全高1690mm
駐車のラクチンさを考えると、CX-30までに抑えたい気はする。全幅の広さを最も実感するのは、駐車場でドアを開け、乗り降りする際だ。幅が広いとそのぶんドアを開ける角度が狭まり、乗り降りがキツくなる。
しかしまぁ、CX-5はマツダで最も売れているクルマで、最も定番だし非常にカッコいいので、ちょっと無理して買うのもアリだろう。CX-5にもギリギリ300万円以内のグレードがあり、お買い得感は高い。
マツダの場合、フルハイブリッドがないので、燃費にこだわる場合はディーゼルターボになる。ただしディーゼルターボは、ちょこ乗りには不利。ちょこ乗り中心ならそれほど燃費にこだわる意味も薄いと割り切って、ガソリンモデルを選ぶべきだろう。
マツダ車の有利な点は、納期が非常に短いことだ。どのモデルも、1~3カ月で納車可能。あんまり売れてないので、半導体などの部品不足に陥っていないことの裏返しだが、今どき納期が短いのは大変なメリットだ。1年も待っていたら、おっさんの命が尽きるかもしれない。その点でマツダ車は大推奨。おっさんの善は急げ!
■土の香りがするXVのイメージ「スバル XV」
2017年4月に2代目モデルとして発表された現行型のXV。都会的で洗練されたデザインとスバルらしいトップクラスの悪路走破性能を両立している
XVは、インプレッサスポーツをベースに最低地上高をSUVレベルに上げたクルマで、乗り降りのラクチンさは折り紙付き。デザインもアクティブでかなりイケてる。サイズは、全長4485×全幅1800×全高1550-1575mm。おっさんにドンピシャだ。価格も220万円から295万円と、おっさんのストライクゾーンである。納期も最短1カ月と短い。
しかもスバル車には、「きっと深い理由があって、これを選んだんだろう」と思わせる何かがある。おっさんが一番恐れるべきは、「そこらのおっさん」になることだ。それを防ぐためには、こだわりを感じさせるスバル車は打ってつけだ。
XVは、都会派SUVでありながら、どこか「土の香り」がする。土の香りは、ワイルドでアクティブなイメージにつながり、間違いなくプラス査定。おっさんはXVの土の香りで加齢臭を消せ!
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みんなのコメント
自分が買える範囲の好きな車に乗ればいいんだよ。