今度は、「エイプ」でいきます!
こんにちは。バイクいじり大好き!カメラマンの小見です。
しばらく前には実家お隣のせがれ=せいちゃんが持っていたダックス70の修理にふけっていましたが、その際、4ストミニをいじる面白さを再確認! 今度は自分の車両を思う存分いじりたくなってしまいました。
何か面白い題材はないかな~と考えていたところ、バイクもラジコンも一緒に楽しんでいる友人でエイジ君という好男子(熟年だけど)が、当人の甥っ子に作ってあげたエイプが野晒しになっているので回収してきたのこと。さっそく見に行ったんです。
甥っ子君が住んでいるのは茨城県の海岸エリア。そこでしばらく放置していたらしく、もののみごとにサビまくっていて、鉄部分は赤く、アルミ素地の部分は白orグレーに変色しまくっています(ぬおおお……!こりゃスゴイ……)。このエイプ、確かに、ほぼ放置車両だわいと思いました。
【 画像ギャラリー 28枚】「ダートラマシン風に仕上げる!」潮風に当たったエイプをメンテ&カスタム!━━1【プロカメラマンの作業記録】……の写真を見る!
ハーレー系の方向に寄せてみたい
そうなのですが、以前にもっとすごいJAZZを全バラ+少しローライダー風にまで仕上げた経験があったので、このエイプを何とかすることも不可能じゃないよね……と自分の中の判断機能が回答してきました(気のせい?)。
直してやりたい。エイプのいじり方はいろいろなバリエーションが考えられますが、JAZZの方向性とはまた違った構想も沸き、エイジ君から譲ってもらうことに。
4ストミニをいじる方向としてはZ系やCB系っぽくするのもいいのですが、私はなぜかハーレー系に寄せるのがけっこう好きなのです。ハーレーそのものを手に入れて楽しむのが王道なのでしょうが、じつは車庫があるのは古い住宅地。モト・グッチィ・ルマンを所有していたころ、付近の住民のオバちゃんたちの反応が、大排気量のツインエンジンの排気音だけ微妙に厳しそうな気配を感じたのです。
ハーレーだと音程?の違いで気にならないかもしれませんが、4気筒レーサーの整備でそこそこな音にも理解をいただいていた近隣住民の反応には留意したほうがよかろうという思考がありまして、あえてハーレー(本物)を選ばず、バイクライフを過ごしてきたように思うのです。ハーレー(本物)には、仕事上で多少は乗れる機会がありますし、お金の都合もありますし。
程度は極上?でも手強い
さて、このエイプ50にはすでにキタコ製ボアアップキットが組み込まれていて、登録申請も原付二種でしてありました。原付一種の法定速度30km/h制限では走りにくく、自分も原付二種で登録したかったため、そこは有難いといえます。
定番の国産ボアアップキットなので、信頼性も問題なさそうです。組み付けを行ったエイジ君は私と同時期に「DE耐」に参戦して何基もエンジンのメンテをしていたので、おそらくバルブの擦り合わせなどの整備をすれば大丈夫だろうと思われます。
外観観察から始めて各部のヤレ具合をチェックしてみると、ガチの旧車マニアの方々からすれば、「程度極上」と言えそうなレベル(自己暗示気味)。
とはいえ、フェンダーやサイドカバーなど、外装樹脂部品の紫外線劣化と苔の付着がすごく、パーツクリーナーやコンパウンドを含めさまざまなケミカルを試してみても、そう簡単には落ちません。手強いです。最終的には部品を替えてしまうかもしれませんが、ダメになった樹脂部品対策として、PPプライマー+塗装というオプションも考えておきます。
構想を練りながら、端っこのキャリアをとりあえず
どんなふうにいじるかを決める以前に、各部のパーツを少しずつバラしてサビ落としを始めました。いったんかる~く小綺麗にして復元してみようかなと考えたのです。何度も分解しても苦にならない車体構成ですし。破損していた箇所も、純正部品を取り寄せて保安部品が正常作動するようにしておかないとダメですからね。
車体構成やライポジを見ていて、徐々に目指すべきスタイルが思い浮かび、構想がはっきりしてきました。
(続く)
レポート&撮影●小見哲彦
プロフィール●小見哲彦
無類のバイク好きカメラマン。
大手通信社や新聞社の報道ライダーとしてバイク漬けになった後、写真総合会社にて修行、一流ファッションカメラマン、商品撮影エキスパートのアシスタントを経て独立。神奈川二科展、コダック・スタジオフォトコンテスト等に入選。大手企業の商品広告撮影をしつつも、国内/国外問わず大好きなバイクを撮るように。『モーターサイクリスト』誌ほか多数のバイク雑誌にて撮影。防衛関係の公的機関から、年間写真コンテストの審査員と広報担当人員への写真教育指導を2021年より依頼されている。
※以下は写真の説明文。写真は【画像ギャラリー】にまとめてあります。
■エイプが手元に来たときの外観です。通学に少し使って、あとは放置されていたそうな。
■左向き斜め前7:3の全体図です。排気管の地上高が低いですねー。ここは手を入れることを考えます。
■案外堂々とした趣があっていいですね。それにしても、樹脂部品が全部白っぽいんです。新車発売当初を思い出すと、このようなやつれた個体を後年見ることになるとは思わなんだ。
■数年前にボロボロの個体を再生してリヤサスまで作ったJAZZです。瀬戸内海を散歩ライディングしたくて「しまなみチョッパー」と名付けました。今回は、これとは全く異なる路線でいじりますよ!
■フロントフォークはピンホールの侵食が厳しいですね。肝心な摺動部分は大丈夫かな?
■オフロード用に愛用しているKLXも状態が酷かったですが、このエイプは完全なる潮風コーティング! 豊富な白サビに覆われています。じつにソルティな味わいです(喜んでいる場合ではない)。
■クランクケースが多少マシといった程度で、どこもかしこもサビだらけですね。
■コケた痕跡はあるものの、ペダルなどが激しくひん曲がった跡がないのはラッキー。友人の甥っ子君が大怪我をしたりはしなかったということです(これがいちばんの朗報)。
■一見、無事そうに見えたヘッドライト周辺。どうやら亀裂があったらしい……。
■数日後に上から軽く衝撃を与えるアクシデントが発生。そうしたらユニットがハジケました。細かいクラックが入って、劣化していたのでしょうね。
■シートを外してみると、こんな感じのサビ具合です。欠けたり、サビで崩落した箇所はありません。
■外した当初のサイドカバーです。美しくありませんねー。
■画面下側を見てください。左サイドカバーを「さびとり つや之助」でゴ~シゴシ磨きまくって、やっとこんな感じ。苔みたいな大自然のコーティングは強固なようです。
■もはやよからぬ化学物質でも付いたのか?という色合いのリヤフェンダーASSY
■リヤフェンダーからウインカーやテールランプと共締めするリヤフレームを分離して、構成をチェック。
■リヤフレームを徐々に分解していき、油分や汚れとサビを落としてみます。
■大雑把にサビを落としてみたところです。ブラスト処理しちゃえば早いのでしょうが、手持ちのブラスターには入らないので手作業です。
■リヤフェンダーに対しても抵抗を試みて、「さびとり つや之助」でゴシゴシ。半分やったところで自分の手が痛くなって、休憩したところです。パーツクリーナーなどの溶剤も歯が立たない。
■タンクを外して様子を見てみました。埃とサビだらけですね。電気部品は大丈夫らしいんですが。
■こういう感じでリヤフェンダーを外す際にメモ画像を撮っておきました。その1。
■こういう感じでリヤフェンダーを外す際にメモ画像を撮っておきました。その2。
■フロントフォークの摺動部とボトムケースのクローズアップです。ボトムケースへのサビの浸食がヒドイので、ボトムは全面剥離することが確定。塗装かポリッシュ仕上げにしようかな?
■タンクの内側に入る見えない部分も傷んでいますね。イグニッションコイルやリレーは外して清掃します。
■ウインカーの内側にはクモが数匹住んでいたので追い出し、ペーパーがけをしてさっさと塗っておきました。これ以上サビが進行しないよう、低コストなおまじない的措置です。
■どこから手を付けたらいいのか迷ったため、とりあえずいちばん最後に組み付けるであろうリヤキャリアを処理。表面の荒れ取りとサビ落としをそこそこ行ない、市販スプレーで塗装し、サビ対策をしておきます。
■リヤキャリアには鉄部用アクリルラッカーを塗り、ワイヤーにつるして自然乾燥させておきました。
■このくらいにしておけば屋内で保存しておいても、まあ許されるでしょう。
■しばらくこんなことをしていたら、台風か嵐で大雨が来ちゃったんですよ(2023年の初夏頃です)。慌ててハイエース後部に避難させたところ。これで当分、ハイエースには機材が積めなくなりました。
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