現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 駆け抜ける歓びと環境性能を高次元で両立!BMWが目指す持続可能な自動車の未来

ここから本文です

駆け抜ける歓びと環境性能を高次元で両立!BMWが目指す持続可能な自動車の未来

掲載 更新 3
駆け抜ける歓びと環境性能を高次元で両立!BMWが目指す持続可能な自動車の未来

連綿と続く環境対応

 世界規模で温室効果ガスの排出削減に向けての取り組みが盛んになっている昨今、製造業においては具体的な削減の数値目標を掲げているのはご存じのとおり。その主産業である自動車業界では、特に有効な方策である車両の電動化を軸にロードマップを示している。そんななか、BMWジャパンは「BMWのサステナビリティおよび先端テクノロジーへの取り組みに関する説明会」を行った。カンファレンスでは温暖化対策も含めた、人類にとって明るい未来を築くための理念として掲げられているSDGs(持続可能な開発目標)を念頭においたBMWの取り組みや電動化のロードマップを示しつつ、ゲストスピーカーを迎えて自動車と人、街のありかたなどを説くトークセッションが行われた。

スバルが新型「レヴォーグ」に搭載されるアイサイトXで目指すもの

 はじめにBMWジャパン広報部の佐藤 毅氏から示された同社の取り組みに関しての説明で興味深かったのは「我々はSDGsやサスティナブルという流行りに乗って対応を始めたわけではない」という言葉だ。実際、BMWは1972年のミュンヘン・オリンピック、マラソン競技での伴走車として当時の3シリーズ(E21型)をベースとした電気自動車を走らせた。当時は技術的アピールの要素が強かったと述べられたものの、EV開発はその時点ですでに実用に供せるレベルにあった、というわけだ。翌年には自動車産業として初となる環境対応部署を設けてリサイクルへの取り組みをスタート。以降、水素エンジン搭載車「ハイドロジェン7」を発表(2000年)、投資家向けのサスティナビリティリポートの開始(2001年)、環境性能とダイナミズムの両立を目指した理念“エフィシェントダイナミクス”を掲げ(2007年)ながら、電気自動車の“ i ”ブランドを立ち上げて、2013年にはi3の発売にこぎつけるなど、確実に実績を積みあげてきた。

意欲的な温室効果ガス削減目標

 未来に向けては「2030年までにグループ全体で2億トンを超えるCO2排出量の削減」という意欲的な目標が掲げられ、3つの柱を据えて目標に取り組んでいくことが発表された。その核となるのはもちろん「車両の電動化」だ。現在もラインナップは増殖傾向にあり、直近でいえば「iX」や「iX3」、「i4」のリリースが公表され、来年には「X1、5シリーズ、7シリーズ、ミニ・クロスオーバー」のBEVを発表予定。そのうえで、2023年までに各セグメントにおいて電動車の割合を90%にまで拡大し、2030年の全世界販売においての半数をBEVとすることが掲げられた。もちろんこれらの製造工程においても2030年までに80%の削減目標が示され、協力企業(サプライチェーン)で20%削減して、総数で2億トンの削減を目指すという。

 これらの取り組みを受けて、ゲストスピーカーである国際モータージャーナリストの清水和夫氏は、世界的なEV化にあわせた充電インフラの問題点と変革を主張しながら、今年9月にミュンヘンで行われる“IAAモビリティ2021”におけるメーカーの新たなロードマップの発表に期待を寄せた。加えて、自動運転技術の進捗状況を踏まえ「カーボンニュートラルや(自動運転の発達における)自動車事故ゼロを目指すという方向性は自動車業界にとって非常によいこと」と説いている。また、もうひとりのゲストスピーカーであるヨコハマSDGsデザインセンター長の信時正人氏は、横浜市におけるオンデマンドバスの運行実証実験や、EVを家電と捉えたモデルルームでの実証といったSDGs関連の取り組みを発表。環境保全や事故の減少はもちろんのこと、地域の活性化といった点で評価を得たことを紹介しつつ、EVやコネクテッドだけでなく、街作りも含めた包括的な取り組みの重要性を指摘している。

 こういった取り組みに際してはもちろん企業の努力だけではなく、我々自身も積極的に参加することで、未来が明るいものとなることは間違いない。ただ、近視眼的に捉えると物事の本質を見失うことも頭においておくべきだろう。この点、BMWは自身が持続可能な企業として未来にあるべき姿を想像し、それに向けての方針を示しているいっぽうで、やはり本来の“駆け抜ける歓び”は確固たるタグラインとして今後の製品にも植え付けていくことを約束してくれた。そんな積極的な環境対応と持続可能な、走る楽しさを兼ね備えた今後のモデルやBMWの姿勢には引き続き注目していきたい。

BMWの電動化戦略を支えるBEVモデル。iX(右)は予約受付中。ミニ(中)はEV専業ブランドとして生まれ変わることが発表された。i4グランクーペ(左)は来年にもデリバリーが開始される。(photo:BMW)

国際モータージャーナリストの清水和夫氏とヨコハマSDGsデザインセンター長の信時正人氏。EVや自動車技術の普及には街づくりも含めての考察が必要と説いている。

自動運転支援システムとしてのハンズオフ機能(高速渋滞時。60km/h以下で作動)を国産メーカーに先駆けて取り入れたのはBMW。同乗状態でも加減速や車線維持の巧みさがわかる。

TEXT:桐畑恒治(AQ編集部)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

快適さと使いやすさの最適解! 日産NV200バネットがベースのキャンパー
快適さと使いやすさの最適解! 日産NV200バネットがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
[大型ミニバン]頂上対決!? レクサス[LM]vsトヨタ[ヴェルファイア]約800万円の価格差はどこ?
[大型ミニバン]頂上対決!? レクサス[LM]vsトヨタ[ヴェルファイア]約800万円の価格差はどこ?
ベストカーWeb
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
ベストカーWeb
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース

みんなのコメント

3件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村