秀逸なのはデザインで、全長4180mmの小さなサイズで、よくぞここまで存在感を発揮できるものだと感心させられる。次世代のロードスターなのか、RX-7の復活なのか? 期待は膨らむ一方だ。
※本稿は2023年11月のものです
文/ベストカー編集部、写真/MAZDA、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年12月26日号
リトラにロータリー採用って完全にRX-7じゃん!? マツダ次世代スポーツ「アイコニックSP」がカッコ良すぎた
■大注目のマツダ次世代スポーツ
全長4180×全幅1850×全高1150mmのコンパクトなサイズ。点灯時に薄く開くリトラクタブルライトを採用している
●このクルマのPOINT
・次世代スポーツのデザインコンセプト
・新開発ロータリーエンジンを発電専用に使うPHEVのスポーツカー
・前後重量配分50:50のFR
・マツダではFD型RX-7以来のリトラクタブルヘッドライト採用
・ドアは上へ向かって広がるシザーズドア
・コンパクトなサイズの2シーター
JMS2023で最も注目を集めたクルマのひとつが「アイコニックSP」。
マツダはこれまでも美しいコンセプトカーを何台も作ってきたが、まだ商品化されていないものが大半で、このクルマも「反響しだい」といういつものスタンス。しかし、新しく開発したREを搭載しているあたりに本気を感じる。
8C型REを初搭載したMX-30 R-EVではワンローターで72ps/11.4kgmだが、アイコニックSPでは2ローターで370psと表示。未発表だが、過給器付きの可能性もある。
REは発電専用に使われ、100%モーター駆動のPHEVというのはMX-30と同じ。ただし、エンジン自体が大幅にパワフルになっているので、大出力モーターで走らせることができそうだ(MX-30は170ps/26.5kgm)。
ボディサイズは全長4180×全幅1850×全高1150mm、ホイールベース2590mm。全高1150mmというのは、かつての軽ミドシップスポーツのAZ-1と同じだから、その低さがわかる。ここは大いにこだわったところだろう。
■注目ポイントはやはりライト!?
繋ぎ目がほとんど見えないエクステリアが特徴。ホワイトボディにクリアレッドを27回塗り重ねた新開発カラーの「ビオラレッド」を採用している
マツダではFD型RX-7以来のリトラクタブルヘッドライトも注目だ。ヘッドライトが少しだけ上がるというイメージだが、それも当然こだわったところ。
「このクルマはロードスターかRX-7か?」というのは大いに楽しいテーマだが、歴代すべてがREであり、リトラクタブルライトを採用していたRX-7をイメージしているのは間違いなさそうだ。
とはいえ、「アイコニック」の車名からもわかるとおり、次世代スポーツカーのデザインの方向性を示したクルマという見方もできる。ロードスターでもRX-7でもない新たなマツダのスポーツカーを示唆しているということだ。
現在の生産技術では、このデザインのまま量産するのは難しいとも言われるが、技術は進化するもの。新世代RE、電動化、生産方法など、すべての技術の進化の象徴となる次世代スポーツカーということである。長い目で市販化を待ちたい。
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