アテンザからマツダ6へ
執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
【画像】歴代マツダ6(アテンザ)と20周年記念車【細部まで見る】 全107枚
12月9日。マツダが、上級モデルの「マツダ6セダン」「マツダ6ワゴン」を商品改良した。
前身のアテンザが誕生してから20周年を記念した特別仕様車「マツダ6 20thアニバーサリーエディション」の登場や、新色「アーティザンレッドプレミアムメタリック」の導入がトピックだ。
今回の改良では、ディーゼル・ユニットの出力アップ/中間トルク向上やスロットル/ステアリングの操作特性が進化しているという。これについては、別の記事で紹介しよう。
そんなマツダ6の前身であるアテンザは、初代が2002年5月に発表された。なお、輸出仕様のアテンザには初代から「マツダ6」の車名が与えられていた。
グローバルの累計販売は、初代が約199万台。2代目が約72万台、現行型にあたる3代目は約125万台を記録している。本記事では、その20年の歩みを振り返ってみたい。
初代アテンザ 人間中心の礎
初代アテンザは、それまでマツダの中核モデルであったカペラの後継モデルとして誕生した。
また、当時マツダがクルマづくりのスローガンとして挙げていた「Zoom-Zoom」の第一弾商品でもある。
誰もが気持ち良く楽しめる走りと、肌で感じるゆとりや使いやすさ、随所に当時の人間工学を応用するなど、現在のマツダが掲げる“人間中心”の礎となった発想・技術を投入した1台。ミディアムクラスの新たなグローバルスタンダードを追求したクルマだった。
ボディ形状は、4ドアセダン、一見セダン風の5ドアハッチバック(名称はスポーツ)、そしてワゴン(名称はスポーツワゴン)の3タイプがラインナップされていた。
2代目は高速ツアラーを標榜
2008年、アテンザは2代目にフルモデルチェンジ。
「Zoom-Zoomのさらなる進化」の象徴として、最高の高速ロングツアラーを目指し、初代を正常進化させて登場した。
ボディラインナップも先代と同じ3タイプを設定。スタイリングと多彩なパッケージングを両立していた。また、この2代目では北米専用車も投入された。
そして2012年、アテンザは3代目にフルモデルチェンジ。
2011年の東京モーターショーで世界初公開されたコンセプトモデル「TAKERI(雄)」を具現化したフラッグシップモデルとなったのである。
五感のすべてが調和し、乗るたびに楽しさが深まる「人馬一体」の走りを目指し、匠の技に支えられた信頼性と内外装の仕上がりも特徴的だった。ボディ形状は4ドアセダンとワゴンのみになる。
2019年のマイナーチェンジ時に、グローバルな統一名称を採用して、日本仕様も「マツダ6」に変更。同様に、デミオはマツダ2、アクセラはマツダ3となった。
初代の登場から400万台に迫る世界販売を記録しているアテンザ/マツダ6。各国で約260の賞を獲得してきたモデルが、SUV全盛の時代にどのような存在感を示すか、今後も注目していきたい。
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