モータースポーツの最高峰であるF1には、互いに競い合うことを好み、勝つためには手段を選ばないような者たちが集まってくる。「最高のドライバーになりたい」「最高のマシンを作りたい」といった欲望は、やがてレギュレーションの“合法ギリギリ”を狙うといった行動に繋がる。チームは時間をかけて話し合い、ルールを見極めて自分たちなりの解釈を導き出すが、それが合法とされるラインを超えてしまうこともある。
一方、ライバルに対して少しでも優位に立つため、明らかに悪質な不正行為に手を染めたチームやドライバーもいる。もちろん、不正行為は見つかれば厳しい罰則の対象になるため、彼らはその事実をできる限り隠蔽しようとする。
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こういった不正行為は、ドライバーがコース上で行なうものや、チームが技術面で行なうものなど多岐にわたる。今回は、これまでF1チームやドライバーがアドバンテージを得るために行なった様々な不正行為や悪事、ルール違反の中から、特に有名なものを見ていこう。
1. スパイゲート
2007年シーズンのF1を揺るがしたスパイゲートは、長編のドキュメンタリー作品が作れるほどのスキャンダルだった。当時フェラーリのチーフメカニックであったナイジェル・ステップニーが停職処分を受けた際、フェラーリは「ファクトリーで不正が発覚したこと」がその原因だと説明していたが、ステップニーはマクラーレンの従業員(後にチームデザイナーのマイク・コフランと発覚)に、フェラーリの機密情報が書かれた書類を渡していたのだ。
ステップニーがコフランに渡した機密書類はおよそ800ページにも及ぶとされており、コフランはこれを妻に渡し、イギリス・ウォーキングにある印刷店にコピーのため持っていかせた。しかし、この印刷店が告発をしたことで事件が明るみに出ることになった。
マクラーレンはこれを受けて調査を実施し、フェラーリの機密情報が「他のチームメンバーに行き渡ったり、マシンに組み込まれたことはない」と結論付けた。そしてFIAも十分な調査を行なった結果、マクラーレン側に機密情報が渡ったことは確かであるが、フェラーリのマシンに関する機密がマクラーレンのマシンに落とし込まれたという証拠はないとした。
しかし、その後新たな証拠が提出されたことにより、マクラーレンは2007年のコンストラクターズ選手権除外の処分を受け、1億ドル(約109億円)という高額な罰金を科された。一方でドライバーズ選手権に関しては罰則の対象とならず、ルイス・ハミルトンとフェルナンド・アロンソのふたりがチャンピオン争いを繰り広げたが、当時フェラーリのキミ・ライコネンが最終戦で逆転し王座を勝ち獲った。
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