1919年の創業以来、つねに最高級なクルマづくりを続けているベントレーの中でも最上級のグランドツアラーとなるのが第3世代のコンチネンタルGTである。今回はそのオープンバージョン、コンバーチブルに試乗するという至福の時間を楽しんだ。
ゴージャス極まるインテリア
先代モデルではGTCを名乗っていたベントレーのオープントップグランドツアラーは、この3世代目からはGTコンバーチブルを名乗ることになった。
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メイン写真を見ていただければ、誰もがその美しさには納得だろう。先代よりフロントホイールを135mm前方に配置し、フロント部分が低くなり、エクステリアデザインが伸びやかになっている。そしてクーペ同様にパワーラインがリアに向かい描かれたグラマラスなプロポーションは、究極のオープンカーと言っても言い過ぎではないだろう。
ヘッドライトには、LEDマトリクス技術が採用され、その内部はまるでダイヤモンドのように光り輝き、テールライトもクリスタルをイメージした美しい立体的なデザインとなっている。
用意されるエクステリアカラーは標準で17色、オプションを含めると実に70色にもなる。またハンドクラフトされるウッドパネルは8種類(デュアルウッドパネルは4種類)、インテリアのレザーは15種類あり多彩な組み合わせから選択できるのも特徴だ。このあたりはさすがパーソナライズのベントレーらしいところである。
そしてファブリックルーフは7色が用意され、ツイードも加わった。また50km/h以下であればボタン操作ひとつでフルオープンにすることができる。その所要時間はたったの19秒である。
オープン時は電動ヘッドレストに装備されるネックウォーマーを作動させることで快適なドライブを約束する。当然シートヒーターも装備されるが、そのほかにもステアリングホイールヒーター、アームレストヒーターもキャビンを実に快適な場所にしてくれるのだ。
インテリアで興味深いのは、ナビ画面などを映し出す12.3インチデジタルディスプレイを隠すことができるベントレーローテーションディスプレイである。デジタル画面が必要ない、雰囲気に違和感がある、と思えばウッドパネルまたは3連のアナログメーターがレイアウトされたパネルに変更することができるのである。
全域で味わえるフラット感が運転していて実に気持ちいい
搭載エンジンは、6L W12気筒TSIツインターボエンジンである。このエンジンは、高圧直接噴射と低圧噴射を組み合わせたシステムが採用され、この2種類を組み合わせることで燃費向上、微粒子排出の低減、出力とトルクの最適化を実現、最高出力635ps、最大トルク900Nmを発生する。そしてトランスミッションは、8速DCTが組み合わされる。
そんな大パワーに相応しくブレーキシステムは、ベントレーの中でもっともパワフルな鋳鉄製となり、フロントブレーキは420mm、リアブレーキ380mmのディスク径を採用している。
ホイールベース、全長ともに先代モデルから延長されたこともあり、乗り心地は究極の快適性を実現している。路面からの不快な振動はドライバー、いや乗員全員に一切伝わってこない。それは速度を上げても変わることがないし、荒れた路面であっても同様である。どのような場面でも究極のフラット感が味わえ、運転していて実に気持ちいい。
これにはエアサスペンションも大きく貢献している。もっともソフトな設定では先代より60%も多い空気量を確保し、さらに最新式の連続可変ダンピングシステム(CDC)が車速を計算しながらコーナーごとにホイールと車体の距離を測り、バネの空気量を調整しているのだ。
さらに48Vコントロールシステムも採用され、電子アクチュエーターによる車両制御装置、ベントレーダイナミックライドを搭載している。それらがもたらしてくれたのは、ドライバーの意志に実に忠実なハンドリングであった。
クルマとの対話が濃密で、すべての操作ひとつひとつが至福の時間だということをコンチネンタルGTコンバーチブルは改めて教えてくれた。そんな試乗だった。(文:千葉知充/写真:永元秀和)
■ベントレー コンチネンタルGT コンバーチブル 主要諸元
全長×全幅×全高=4880×1965×1400mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=2450kg
搭載エンジン=W12DOHCツインターボ
総排気量=5950cc
最高出力=467kW(635ps)/6000rpm
最大トルク=900Nm(91.8kgm)/1350-4500rpm
トランスミッション=8速DCT
駆動方式=4WD
燃料・タンク容量=プレミアム・90L
WLTPモード燃費=7.1km/L
タイヤサイズ=前26540R21、後305/35R21
価格=29,414,000円
[ アルバム : ベントレー コンチネンタルGT コンバーチブル はオリジナルサイトでご覧ください ]
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