ユニークなモデルが数多く登場した
「火付け役」といっても世の中にはいろいろある(時には気持ちを鼓舞するため、自分で自分の火付け役になったりすることも?)。クルマの世界でも、古今東西、さまざまな火付け役が現れ、それをキッカケに新しいブーム、潮流が生まれてきた事例は実に多い。
なつかしいスズキ「セルボモード」はバブル景気が生んだエンジンを搭載!「アルトワークス」より優れていた点とは?
軽自動車初のターボ搭載車は三菱「ミニカ アミ」
1980年代に起こった軽自動車のパワー競争もそうだった。ただしこの場合、多くの人は「ミラターボTR-XX」に「アルトワークス」に……といった車名を真っ先に挙げるかもしれないが、実はその「序章」があって、そこからさらにパワー&スペック競争へと発展していたのだった。
そのターボに関わる序章の部分をざっとおさらいしておくと、軽自動車初のターボ搭載車は、1883年2月発売の4代目三菱「ミニカ アミ」で、このクルマがキッカケとなり、同じ年のうちの10月にダイハツ初代「ミラターボ」、11月スズキ「セルボターボ」、12月スバル「レックスコンビターボ」と後が続いたのだった。
軽初のターボが三菱ミニカ アミだった? と意外に思う方がおられるかもしれないが、当時の三菱は「フルラインターボ」を謳っており、ミニカについては4代目のマイナーチェンジ後(ホイールベースが50mm伸ばされるなどしたが、まだFRだった!)に設定されたもの。こう言っては何だが、今から思い返すとかなり記憶も遠のいている、地味な世代のときの話ではあったが……。
で、話をすすめると、1985年にミラが2世代目にフルモデルチェンジし、このときに登場したのが「ターボTR」。外観はボンネットに大型エアスクープが付く程度で比較的大人しいものだったが、新開発の3気筒インタークーラー付きターボエンジン(EB型)は52ps/7.1kgmの性能を発揮。4輪独立サスペンション、大型ブースター付きのフロントディスクブレーキなどが与えられた。
そして同年11月になると、いよいよターボTR-XXが登場。赤/黒2トーンがイメージカラーのあのクルマといえば多くの方がピンとくるはずだが、基本スペックは先のTRと同等ながら、インタークーラーは自動温度調整機構付きとし、デュアルエキゾーストパイプを装着、トレッドの拡大(前後+5mm)、TRに比べ15mmのローダウンなどを実施。見るからに走る気満々のクルマに仕立てられていた。追ってターボチャージャーが油冷式から水冷式に変更、EFI化、フルタイム4WDなどを登場させ、最終的に64psまでパワーアップを果たした。
ハイメカがギュウギュウに詰め込まれていたアルトワークス
順序でいうと2番目となったアルトワークスは、1987年2月の登場。このクルマもまず2代目アルトの世代でアルトターボ(1985年年9月)を発売、追ってアルトワークスが登場という流れだった。「Riding Hi,WORKS」と大胆にコピーが記されたカタログに載っているアルトワークスの姿は懐かしいものだが、このクルマの魅力は、とにかくハイメカニズムがギュウギュウに詰め込まれた……そんなところにあった。
64ps/7.3kgmを発揮した搭載エンジンは、当時のレギュレーションどおりの543ccながら1気筒あたり吸気2、排気2の4バルブとしたツインカムで最大過給圧0.9kg/cm2の水冷式ターボチャージャーを採用。さらにEPI、ESA(電子進角)システム、水冷式オイルクーラー、クラス初の白金スパークプラグなども採用していた。
30mmローダウンされた専用サスペンション、市販車ではクラス初の2ピース構造のアルミホイール、145/65R13 69Hタイヤ(アドバン、ポテンザ)も投入。さらにビスカスカップリング採用のフルタイム4WDも設定し、インテリアでは左右非対称フルバケットシートの採用など、まさに走りにこだわるマニアの垂涎の的……といったスペック、仕様をモノにしたクルマだったのである。
もう1台、1989年3月に三菱から市場投入されたその名も「ミニカ ダンガンZZ」も忘れられないモデルだ。突っ走らないワケがない……そんな車名もインパクトがあったが、驚かされたのはそのスペックで、エンジンは何と市販4輪車で世界初の5バルブ(吸気3、排気2)DOHCを搭載。これにクロスフロータイプのインタークーラーを備えたターボチャージャーを組み合わせて、64ps(ネット)/7.6kgmを叩き出していた。クラス初の165/60R12 70Hタイヤ(アドバン)、トリプルテールパイプなど、とにかく威勢のいいクルマだった。
それとスバル「ヴィヴィオ」に設定されたRX-Rも見逃してはならないモデルだ。登場は1992年3月のことだったが、このモデルで非常にユニークだったのは、ライバル車にはない4気筒DOHC16バルブエンジンにスーパーチャージャーを組み合わせて搭載していた点。スーパーチャージャーはターボに対して低回転域からのレスポンスのよさでアドバンテージをもっていた。またサスペンションもフロント:ストラット、リヤ:デュアルリンクストラットの4輪独立とし、ビスカス式フルタイム4WDも採用することでハンドリングと乗り心地も両立させていた。
フロントブレーキに13インチ大径のベンチレーテッドディスクブレーキが奢られるなど、スバルらしい走りへのアプローチが光るモデルになっていた。
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みんなのコメント
アルトワークスが160万円位だったから、200万円以内で。
GRコペンもそこそこ売れているみたいだが、
2シーターで240万円は私にとって敷居が高い。