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【ターボSより穏やかな571ps】ポルシェ・タイカン4S クロスツーリスモへ試乗 航続445km

掲載 更新 9
【ターボSより穏やかな571ps】ポルシェ・タイカン4S クロスツーリスモへ試乗 航続445km

クロスツーリスモに穏やかな4S登場

執筆:Matt Prior(マット・プライヤー)

【画像】ポルシェ タイカンとパナメーラ 競合する純EVモデルと比較 全142枚

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ポルシェの純EVサルーン、タイカンはモデルレンジを拡大中。シューティングブレークのフォルムをまとったクロスオーバー、クロスツーリスモに、ターボSより穏やかな4Sが登場した。

英国価格8万8270ポンド(1341万円)もするポルシェで、オフロード走行するオーナーは多くないだろう。でも、スキーリゾートへオシャレに向かうケースは少なくないはず。

メカニズム的には、従来のタイカンと共通している。全長は5m近くあり、全幅はドアミラーを含めれば2.1mを超える。つまり、ボディは大きい。

ステーションワゴンのフォルムだが、荷室容量は見た目ほど広いわけではない。開口部も想像ほど大きくない。テールゲートは大きく傾斜し、リアシートを起こした状態で446L、背もたれを倒すと1171Lの空間が得られる。

一方でルーフラインが伸びたフォルムのおかげで、リアシート側の頭上空間にはゆとりがある。日常的な実用性は、充分に優れている。フロントシート側も環境は素晴らしい。ドライビングポジションは適正で、インテリアの知覚品質も出色だ。

ダッシュボードやセンターコンソールはタッチモニターが主役だが、スマートフォンとの連携が可能。操作性では、このクラスのモデルとしてわかりやすい部類に入る。

グラフィックやインターフェイスは、メルセデスAMGのものほど派手ではなく、戸惑う人も少ないと思う。シリアスに運転へ向き合う環境に感じられる。

バッテリーは83.7kWh、航続距離は445km

EVのシステムは電圧800Vの高性能なもので、構成は四輪駆動のタイカンと同じ。4Sには前後タイヤ用にそれぞれ、合計2基の永久磁石同期モーターが搭載される。トランスミッションはフロント側が1速、リアに2速のATが載る。

4Sの駆動用バッテリーは、グロスで93.4kWh、利用可能な実容量で83.7kWhのパフォーマンス・バッテリーが標準装備。現状では、違う容量は選べない。急速充電の能力は、最大270kWまで対応するという。

航続距離は、複合的な条件で445km、好条件なら482kmほど走れるとうたわれる。パフォーマンス・バッテリーのおかげで、よりパワフルなターボS クロスツーリスモより遠くの目的地を1度の充電で目指せる。

最高出力は、ローンチコントロールなどのオーバーブースト時で571ps、通常に走行している条件では490psを発揮する。ターボSの最高出力は761psあるが、4Sでも掛け値なしにパワフルだ。

実際に発進させてみると、気持ち悪くなるような加速力を体感できる。ローンチコントロールを起動すれば、0-100km/h加速時間は4.1秒。高速道路の合流などでも、最大トルク66.1kg-mの実力を発揮させる場面は殆どないはず。

走行中に追い越す場面など、中間加速も極めて鋭い。英国郊外での法定速度となる97km/hまで、不快に思えるほどの勢いで到達する。

パナメーラと同等の運転の楽しさ

ドライビングモードの選択肢は幅広い。英国の一般道を走る限り、ノーマル・モードが一番良いようだ。スポーツ・モードを選ぶと、スムーズさは変わらないものの、すべてが硬すぎるように感じられた。

乗り心地はノーマル・モードでも引き締まっており、姿勢制御はタイト。ステアリングの操舵感は重めだ。スポーツカー・ブランドとしての自負があるポルシェだからか、多くのライバルよりアグレッシブさを狙った仕立てが、そこかしこから伝わってくる。

風切り音など、ノイズレベルはおしなべて低い。走行時の質感も素晴らしい。

全長5m、車重2.2tのボディを持っているが、運転は比較的簡単。だが、小柄なファミリー・ハッチバックを楽しいホットハッチに作り変えることは現実的でも、巨大なステーションワゴンをスポーツワゴンにすることは簡単ではない。

このクラスで筆者のパフォーマンス・ベンチマークは、メルセデスAMG E 63ステーションワゴンだ。少なくともタイカン・クロスツーリスモは、パナメーラと同等の運転する楽しさは与えてくれる。

ステアリングは甘美という表現がぴったり。フラットにコーナリングする。

ブレーキペダルは、踏み始めでやや反応が過敏すぎる印象。また、アクセルオフでの回生ブレーキの効きの強さを調整するボタンが付いているが、できればステアリングホイールにパドルが欲しい。ポルシェの皆さん、検討してはいかがだろう。

お気に入りのタイカンでも上位の仕様

今回は一般道での限られた試乗に留まったが、大きな電動ポルシェの真の能力は、じっくり確かめてみたいと思う。機会を改めて。

英国編集部の、お気に入りの純EVとなっているポルシェ・タイカン。その中で、現時点でも4S クロスツーリスモは上位にランクインするバージョンだといえる。仕上がりは相当イイ。

以前、タイカン・ターボS クロスツーリスモを試乗した時、より穏やかな仕様の方がまとまりに優れ、実用性や望ましさでも勝るのではないか、と感じていた。それは正解だったようだ。

ポルシェ・タイカン4S クロスツーリスモ(英国仕様)のスペック

英国価格:8万8270ポンド(1341万円)
全長:4974mm
全幅:1967mm
全高:1409mm
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:4.1秒
航続距離:445km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2245kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:83.7kWhリチウムイオン(実容量)
最高出力:571ps(オーバーブースト時)
最大トルク:66.1kg-m(オーバーブースト時)
ギアボックス:1速オートマティック(フロント)/2速オートマティック(リア)

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みんなのコメント

9件
  • 少し小さいのかと期待したんだけど、意外にデカかった。
  • タイカンほどではないけど、最近メルセデスのPHVに試乗したが、やはりモーターのトルクは不気味なほど低速からでる。
    総合システムトルクは700NMくらいの車でも、下から湧き上がるトルクはかなり異次元の世界に思えた。
    ポルシェのEVならそれ以上に飛ぶんだろうなあ・・・・
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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