軽自動車はボディサイズやエンジンの排気量に制限があるものの、低価格、低ランニングコストにより現在では国内の新車販売台数の約40%のシェアを誇っている。
軽自動車のエンジン排気量が660ccとなった1990年時点での軽自動車のシェアは約25%。そしてボディサイズが拡大されるなど大幅な規格変更が行われた1998年では約30%だったので、まさに右肩上がりで軽自動車の販売台数は延びているのだ。
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かつては”安さ”が魅力だった軽自動車だが、走行性能や安全性能の向上によって価格も上昇。ホンダ「N-BOX」やスズキ「スペーシア」、ダイハツ「タント」、日産「ルークス」などの現在軽自動車で人気のスーパーハイトワゴン呼ばれる車種は最上級グレードの価格は200万円オーバーも珍しくなく、軽自動車=安さではない時代となっているのだ。
しかも軽自動車は2017年8月に登場した現行型ホンダ「N-BOX」から質感が従来モデルより向上し、特に2019年に登場した日産「デイズ」/三菱「ekスペース/eKクロス(eK X )」、ホンダ「N-WGN」は軽自動車の新しい時代を幕開けと言っても大げさではないほどの出来映えで、軽自動車を積極的に選べるようになった。
さらに、この両車は国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)がおこなっている2019年度自動車アセスメント(JNCAP)において、衝突安全性能評価でファイブスター賞、予防安全性能でASV+++という最高位の評価を与えられて、高い安全性をアピールしている。
そこで、今回は2019年3月に登場し、2020年8月の一部改良で運転支援システムのアップデートを行った日産「デイズ」/三菱「eKワゴン&eKクロス」の最新の中古車事情について紹介しよう。
文/萩原文博
写真/編集部
【画像ギャラリー】大幅進化して人気!! 日産「デイズ」/三菱「eKクロス&eKワゴン」 その気になる詳細をチェック
■6年ぶりのフルモデルチェンジで大幅進化
2013年に登場した初代日産「デイズ」/三菱「eKワゴン」は日産と三菱の合弁会社NMKVの第1弾モデルとして発売されたが、エンジンやプラットフォームなど既存のモノを使用しており、正直言ってライバルと比べると見劣りする部分が多かった。
しかし、6年振りにフルモデルチェンジを行い登場した現行モデルは、新開発のプラットフォーム、エンジン、CVTを採用。加えて、新たにリチウムイオンバッテリーを搭載したスマートシンプルハイブリッドを搭載することで、動力性能と燃費性能を両立しているのが特徴だ。
2019年に、COTYのスモールモビリティ部門賞を受賞した日産「デイズ」/三菱「eKクロス&eKワゴン」
グレード構成は、「デイズ」が標準車とスポーティなハイウェイスターの2モデルを用意。一方の三菱は、デイズで標準車に当たるモデルを「eKワゴン」。そしてハイウェイスターを「eKクロス」として別モデルに設定。そして、eKクロスは三菱のデザインアイコンであるダイナミックシールドを採用し、SUVテイストを強調しeKワゴンとの差別化を図っている。
搭載するエンジンは自然吸気とターボの2種類で、トランスミッションはCVTが組み合わされている。先進の運転支援システムでは高速道路などで半自動運転が行えるプロパイロット(三菱はマイパイロット)を搭載。そして、2020年8月の一部改良で、運転支援システムにミリ波レーダーを追加し、さらに安全装備を充実させている。
また、ユーザーが安心して運転ができるために先進事故自動通報システム「SOSコール」がデイズだけに採用されている。それではデイズ、eKワゴン、eKクロス、3モデルの最新の中古車事情を見てみよう。
■登録済未使用車でも魅力の価格に! どのグレードが狙い目か!?
まずは日産「デイズ」から。2019年3月の販売開始から、ちょうど1年半が経過したばかりだが、すでにデイズの中古車は約2290台も流通している。3カ月前の2020年8月時点は約1700台だったので、わずか3カ月の間に約600台も増えているのだ。しかも10月の中旬から増加の伸びが大きくなっているのが特徴だ。
これは9月の半期決算による影響だ。コロナ禍で在庫となっていた新車や一部改良前の試乗車や展示車が中古車市場に出回ったことで流通台数が増加したのだ。流通している中古車の平均走行距離を見てみると、3カ月前の約1500kmから約3000kmまで延びているにも関わらず、平均価格は約132万円をキープしている。
2019年3月にデビューしたデイズ。写真手前から標準、ハイウェイスター、オーテックが手掛けるボレロの3タイプをラインナップしている
安全装備の充実はデイズの魅力のひとつで、プロパイロットは大好評。メーカーオプションだが、通信機能を使ったSOSコールも新たに搭載できる
現行型デイズの中古車の価格帯は、約50万~約195万円でほぼ2020年8月のマイナーチェンジ前のモデルだ。100万円以下のプライスが付いている中古車は約320台あり、そのうち20%は走行距離が短い、いわゆる登録済未使用車と言われるクルマとなっている。
グレード構成を見てみると、標準車の「660 X」が約470台で最多グレードとなっており、価格帯は約66万~約149万円。続いて多いのが、プロパイロットを装着した売れ筋グレードの「ハイウェイスターX プロパイロットエディション」の約460台。価格帯は約96万~約185万円と100万円を切るクルマが早くも登場。そのほかでも100万円前半で走行距離の少ない中古車が豊富だ。そして第3位は約354台の「ハイウェイスターX」。価格帯は約79万~約175万円で、予算100万円以下で狙うならこのグレードがベストバイだ。
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続いては、三菱「eKワゴン」。現行型ekワゴンの中古車の流通台数は約336台。こちらは3カ月前の時点で約360台流通しているので、デイズと異なり減少傾向となっている。
中古車の平均走行距離も約2000km付近で横ばいとなっており、平均価格は3カ月前の約118万円から約114万円へと値落ちしている。しかし、この値動きがあったのは2020年9月のことでそのあとはまったくの横ばいを示している。現在の価格帯は約62万~約159万円で100万円以下は約82台と約24.4%にのぼっている。
グレード構成は、圧倒的に多いのがエントリーグレードの「M」で約179台。価格帯は約62万~約129万円。第2位はスマートエントリーなど快適装備の充実した「G」が約74台で価格帯は約70万~約159万円。eKワゴンも走行距離の少ない中古車が100万円以下で狙えるので、オススメは上級グレードの「G」だ。
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写真左が標準仕様のeKワゴン。こちらはNAのみのラインアップ。一方、eKクロスはハイブリッド仕様のNAとターボが用意されている
そして最後は三菱「eKクロス」。現在の中古車の流通台数は約590台で、3カ月前の約645台からは減少傾向。中古車の平均走行距離も直近3カ月は1000kmで横ばい状態。この動きにリンクするように平均価格は3カ月前の約143万円から現在は約142万円と停滞状態といえる動きとなっている。
現行型eKクロスの中古車の価格帯は約86万~約190万円。グレード構成は約260台と最も多いのが「G 2WD」で価格帯は約86万~約188万円。100万円以下の中古車は2台あるが、100万円前半が中心だ。
先進安全装備「MI-PILOT(日産でいうところのプロパイロット)」を装備できるeKワゴン&クロス。オシャレな柄のシートを採用するなど、質感も大幅向上
この「660 G」はデイズハイウェイスターXに相当するグレードで若干eKクロスのほうが相場は高くなっている。続いて多いのがターボエンジンを搭載した最上級グレードの「660 T」の約125台。価格帯は約106万~約170万円で、走行距離の少ない中古車でも110万円から購入可能。ストレスなく加速するターボエンジンは魅力で、マイパイロット付きでも乗り出し価格140万円というクルマもある。
3番目に多いのがエントリーグレードの「M」で価格帯は約100万~約148万円とグレードによる差が非常に小さくなっている。それならばターボエンジンによる余裕の走りが味わえる「660 T」が狙い目だ。
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2020年8月に一部改良を行い運転支援システムが充実したが、街乗り中心でプロパイロット(マイパイロット)は必要ないという人ならば、割安な未使用車は魅力。車検期間が短いことやボディカラーの選択肢が狭いというデメリットもあるが、デイズやeKワゴン、eKクロスはボディカラーも多彩でグレードも種類が豊富。最新の軽自動車が割安に手に入れられる賢い購入法として登録済未使用車は覚えておきたい。
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みんなのコメント
それをあえて買うというのはコスパの良い、適正価格での買い物という意味ではありだと思います。
ただ、それは「人気軽自動車 デイズ&eKワゴン」とは呼べないような…