2500万円のセンチュリーの基本骨格はRAV4と同じ。いや、RAV4ばかりかハリアーもアル/ヴェルもクラウンもセンチュリーと兄弟関係にある。その秘密を解くカギはプラットフォーム「GA-K」にある!
※本稿は2023年10月のものです
文/角田信幸(ベストカーWeb編集部)、写真/ベストカー編集部、トヨタ
初出:『ベストカー』2023年11月26日号
実は新型センチュリーからRAV4まで基本は一緒!? 人気のトヨタ車はなぜ全てGA-Kプラットフォームなのか
■そもそもプラットフォームって?
クラウンクロスオーバーのボディ骨格。プラットフォームはこれすべてではなく基本となる部位のみを指す
まずプラットフォームとはなんぞやということだが、エンジンやシートを載せ、足回りをくっつけるクルマの基本骨格(車台)を指す。
従来は作るクルマに合わせて各社がさまざまなプラットフォームを作っていたが、2000年頃から共用化の流れが生まれ、エンジンの搭載方向が同じでボディサイズが似通ったクルマは、同じプラットフォームで作るのが当たり前となった。
その発想から発展したトヨタのプラットフォームが、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)というもの。
正確に言うと、TNGAはパワートレーンやサスペンション形式、車両ネットワーク、調達システムなども含むパッケージなのだが、ここではわかりやすさを優先して車台と考えたい。
そんなTNGAは現在、以下の5つに分けられる。
・GA-B(ヤリスやシエンタ、レクサスLBXといったコンパクトなFF車向け)
・GA-C(カローラやプリウス、ノア/ヴォクシーといった小型FF車向け)
・GA-F(ランドクルーザーやタンドラ、レクサスGXなどフレーム車向け)
・GA-K(カムリやハリアーなど中~大級FF車向け)
・GA-L(先代クラウンやレクサスLS、MIRAIといったFR車向けでワイド版とナロー版が存在する)
■採用数が半端じゃないGA-Kプラットフォーム
GA-Kプラットフォームで登場した新型センチュリー。重い車重に対応する工夫が施されているという
このなかでも、実に広い範囲をカバーし、マルチに活躍する優等生が、「GA-K」プラットフォームだ。
同プラットフォームは、2017年に登場したカムリで初採用され、以来Dセグメント以上の横置きエンジン車がこぞって採用してきた。
想定エンジンは直列4気筒とV型6気筒およびそのハイブリッド仕様で、サスペンションはフロントがストラット、リアはダブルウィッシュボーンあるいはマルチリンクだ。実際にGA-Kで作られるクルマを挙げてみよう。
・RAV4
・カムリ
・ハリアー
・アルファード/ヴェルファイア
・クラウンクロスオーバー
・クラウンスポーツ
・センチュリー(新型)
・レクサスNX
・レクサスRX
・レクサスLM
海外専売車種などを含めればこの数はもっと増えるのだが、実に300万円のRAV4から、2500万円で売られる新型センチュリーまでが、同じ基本骨格で作られていることになる。
トヨタ/レクサスの人気モデルのほとんどが、GA-Kでできているといっても過言ではないほどだ。
■FF車を高級車に変える4WDマジック!!
2.4Lターボハイブリッド+eアクスル4WDを積むクラウンクロスオーバーのスポーツグレード「RS」。FRっぽい走行特性が評判もいい
なぜGA-Kは人気なのか。理由は4WDにありそうだ。
一般的に、前輪駆動は高級車には向かないとされてきた。近年は足回りや操舵系の進化でFFの走りも格段に洗練されてきたが、それでもFFと聞くと敬遠する高級車ユーザーは少なくないのだ。
そんなイメージを払拭するのが4WD化だ。基本レイアウトがFFでも、4輪駆動とすることでFRのような走行フィールが作り出せる。
技術が進化し、前後輪の駆動トルクを自在に配分できるようになったことも、この効果に一役買ったことだろう。
実際、GA-Kを使った高級指向のクルマは、すべて4WD化されている。クラウンクロスオーバーしかり、新型センチュリーしかりだ。
プロペラシャフトをもたないモーター駆動による4WDシステムもトヨタは熟成させているので、今後はクラウンクロスオーバーが搭載したeアクスル型の4WDも、いっそう増えてくるだろう。
FRライクな走りさえ生み出すことができれば、GA-Kプラットフォームはいいことづくめだ。低重心で剛性も充分だし、なにより広大な室内が作れる。
新型センチュリーのほぼフルフラットになるリアシートも、GA-Kが生んだ賜物といえるだろう。
■アウディクワトロが草分け!?
ハイスピードドライビングの世界に4WDを持ち込んだアウディ・クワトロ。後に高級車市場にも転用され成功を果たす
前輪駆動を4輪駆動化することで高級車を作る。この発想を乗用車の世界に持ち込んだのはドイツのアウディだろう。いうまでもない「クワトロ」である。
もともとアウディは先進技術に前向きで、構造が単純化できる前輪駆動を戦前の1933年に採用している。とはいえアウディのFFはエンジンを縦に置く特殊なレイアウトで、これが後々の4WD化に役立つことになった。
アウディのドライブトレーンを4WD化しようと思い立ったのは、ポルシェから移籍したフェルディナント・ピエヒ。それまでオフロード車の専売特許だった4WDを乗用車に積み、パワーをより効率的に路面に伝えようと考えたことは慧眼だった。
クワトロは当初スポーツカーに採用されたが、1980年代になるとアウディはクワトロのフルラインナップ化に乗り出す。なかでも威力を発揮したのが、アウディ100/200が受け持っていたアッパーミディアム市場だ。
ライバルとなるメルセデスのEクラスやBMW5シリーズが後輪駆動なのに対し、100/200は前輪駆動。この分の悪さがクワトロによって覆され、アウディは後にA6/A8という高級車作りに成功したのだ。
いまやクワトロは、傘下のベントレーも採用している。もはや4WDは高級車の必須装備といえよう。
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みんなのコメント
コスパがいいから。
(8文字で終わることを長々と…)