フォーミュラE第10戦ジャカルタePrixが開催され、ポルシェのパスカル・ウェーレインが今季3勝目を挙げた。
昨シーズンより開催されているジャカルタ大会。今季はダブルヘッダーでの開催となり、6月3日(土)に第10戦の予選と決勝が行なわれた。
■ロベルト・メリ、マヒンドラからフォーミュラEジャカルタePrixに出場。同週末に開催のスーパーGTは欠場……将来は掛け持ち望む「僕は日本のレースが好き」
予選では、ジェイク・デニス(アンドレッティ)との対決を制してマキシミリアン・ギュンター(マセラティ)がポールポジションを獲得。マセラティにとって初めてのポールとなった。
36周のレースがスタートすると、ポールのギュンターがトップを守ったものの、レース序盤をリードしたのはウェーレイン。スタートでデニスを交わし2番手に浮上すると、4周目のターン1でギュンターを交わし首位に踊りでた。
このタイミングで、各車が1回目のアタックモードを続々と起動。今回は合計8分のアタックモード使用が義務づけられており、これを2回に分けて使用することになるが、これを4分ずつ使うか、2分と6分に分けるかはチームに選択が委ねられている。
アタックモードを使ってもなかなかオーバーテイクが起こらないという状況の中、ウェーレインは早々に2回のアタックモードを消化。その他のマシンもアタックモードをオーバーテイクに使うというよりは、いかにロスが少ないタイミングで消化できるかを重視していたようだ。
レース中盤、上位の中では遅いタイミングでアタックモードを使用したデニスは、猛プッシュを開始。17周目にストフェル・バンドーン(DSペンスキー)を交わして3番手に浮上すると、なんとかアタックモードが終わるまでにギュンターを捕まえオーバーテイク。2番手に立った。
ポイントリーダーのニック・キャシディ(エンヴィジョン・レーシング)は、10番手スタートからポジションを順調に上げていったが、ジャン-エリック・ベルニュ(DSペンスキー)との5番手争いではインに飛び込みきれず接触。しかしなんとかクラッシュを免れた。
先頭集団はウェーレインにデニスが追いつき、ギュンターまでの三つ巴状態。しかしウェーレインはなんとかデニスの攻撃をしのぐと、ギュンターがデニスに襲いかかったのを尻目に少しリードを広げることができた。
6番手のキャシディは後方に少しギャップができたこともあって残していた2度目のアタックモードを使ったが、エドアルド・モルタラ(マセラティ)に交わされた上、6分間のアタックモードを使っても抜き返すことができなかった。
それだけオーバーテイクは難しく、先頭集団も完全にテール・トゥ・ノーズ状態ながら順位変動がないままレースは最終盤へと入っていった。
34周目には、サム・バードに追突されミッチ・エバンスがスピン。ジャガー同士の接触でエバンスがランオフエリアにマシンを止めたが、セーフティカーなどは出されなかった。
ウェーレインはバッテリー残量2%でファイナルラップに突入。デニスはそれよりも1%多くパワーを残していたが、ウェーレインは生最終コーナーまでうまくバッテリーをマネジメント。ウェーレインは最終コーナーを立ち上がった時にはすべてを出し尽くし、バッテリー残量は0.0%となったが、先にフィニッシュラインへたどり着いた。
2位は惜しくも届かなかったデニス。3位にはポールシッターのギュンター。結果的にはセーフティカー出動などもなく、早めにアタックモードを使って上位に残ったウェーレインが守りきった形になった。
キャシディは7位でのフィニッシュ。ポイントリーダーの座は守ったものの、ウェーレインに2ポイント差に迫られている。
これがフォーミュラE初レースとなったマヒンドラのロベルト・メリは、19位でのフィニッシュとなった。
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