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関東大震災から100年 大地震で道路の「ナマズの標識」役に立つ? 実は「人命救助」に関わる大切なお知らせだった! キュートな標識の意味とは

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関東大震災から100年 大地震で道路の「ナマズの標識」役に立つ? 実は「人命救助」に関わる大切なお知らせだった! キュートな標識の意味とは

■カワイイ「ナマズ」には重要な役割が

 国道などの幹線道路を走行していると、かわいらしい「ナマズ」の標識をみかけることがあります。どういう意味の標識なのでしょうか。

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 主要幹線道路などで見かけるナマズのイラストが描かれた標識は「緊急交通路案内板」といい、大地震が発生した際に「緊急交通路」に指定される予定路線であることを意味しています。

 緊急交通路とは、災害対策基本法第76条第1項に基づいて、大きな災害が発生した際に人命救助や物資供給などの応急活動のため、緊急車両の通行を確保するための専用路で、全国の高速道路や主要な国道などが予定路として定められています。

 全国で災害時のために緊急交通路が指定されていることの理由として、大きな地震災害が起こると、道路に亀裂や陥没、波打ちなどの損傷が発生し、通行できなくなる可能性が考えられるためです。

 さらに、避難する人など一般車の通行が増えることによって、消防車や救急車など人命救助に関わる車両の通行が妨げられる恐れがあります。

 こうしたことから、全国の高速道路や主要な国道を緊急交通路として定めているのです。

 指定される予定路線としては、高速道路や自動車専用道路のほかにも、主要な国道や県道が事前に公表されています。

 その予定路線であることを利用者に知らせるためにナマズの標識が設置されていたり、「この通りは大震災等発生時車両通行禁止になります」といった標識が設置されている場合があります。

 また、通行できるクルマも限られています。

 救急車や消防車、パトカーなどの緊急車両や、人命救助や復興作業に携わる自衛隊の車両に加え、規制の段階に応じて災害対策基本法に基づく標章を掲示している車両の通行が可能です。

 では、実際に災害が発生した場合、どのような手順がとられるのでしょうか。

 警視庁によると「震度6弱以上の大地震が発生した場合には段階的な交通規制が実施される」といいます。

 まず、発災直後には第一次交通規制として人命救助や消化活動に従事するクルマを円滑に通すため、都内の7路線が「緊急自動車専用路」となり、警察や消防、自衛隊など緊急自動車等以外のクルマは通行できなくなります。

 警視庁が管轄する東京都の場合、第一次交通規制の対象は、国道4号(日光街道ほか)、国道17号(中山道・白山通り)、国道20号(甲州街道ほか)、国道246号(青山通り・玉川通り)、目白通り・新目白通り、外堀通り、高速自動車国道・首都高速道路などの高速道路と首都高などを併せて1路線とし、合計7路線です。

 次に、第二次交通規制は復旧復興のための災害応急対策を円滑に行うための交通規制として、被害状況や道路状況を勘案した上で、第一次交通規制で緊急自動車専用路が「緊急交通路」に切り替わります。

 緊急交通路に切り替わると、警察や消防、自衛隊などの緊急車両のほか、災害対策基本法に基づく標章を掲示している車両が通行可能となりますが、引き続き一般のクルマは通行できません。

 この緊急交通路には、ほかにも都内の主要な国道や都道の35路線のうち必要な道路が指定されることとなっています。

 これについて東京都では「大震災発生後、人命救助及び消火活動に従事する消防、警察、自衛隊等の緊急自動車専用路の路線となるため、緊急自動車等以外の一般車両は通行せず、目的地に到着した後は、新たに自動車は使用しないでください」と呼びかけています。

■実際に「ナマズ」が機能した例も

 走行中の道路が災害発生時に緊急交通路に指定される予定の道路であることを表すナマズのイラストが描かれた標識は、実際に緊急交通路として使われた事例が存在します。

 2011年3月11日、三陸沖を震源とし国内観測史上最大のマグニチュード9.0という大地震に加えて、さらに大津波や火災などが発生した「東日本大震災」のことを鮮明に覚えているという人は少なくないかもしれません。

 この東日本大震災では実際に緊急交通路が指定されました。

 警察庁によると、東日本大震災が発生した際に、地震発生の翌日である3月12日、東北自動車道、常磐自動車道、磐越自動車道の一部区間等が緊急交通路に指定されたと言います。

 これにより、人命救助や緊急物資輸送、原子力発電所事故への対応等の災害応急対策に必要な緊急通行車両の通行が確保されました。

 その後、市民生活への影響を最小限に止めるために、交通規制区間が段階的に縮小され、3月24日に全面解除されました。

 また、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災においても、国道2号などを中心として緊急交通路に指定されています。

 このように予測不可能な大規模な震災が起こっても、人命救助や緊急物資輸送に備える意味として、ナマズの標識が設置されています。

※ ※ ※

 なお、ナマズの標識は全国統一のデザインではなく、たとえば名古屋市など中部地方では、東京都内などで見るものとは異なるナマズのイラストの横に、車と×印が描かれた交通規制予告標識が使用されており、中部地方整備局管内での統一デザインだといいます。

 緊急交通路に指定された場合は、災害対応する緊急車両以外の通行ができなくなるため、自分の生活している地域ではどの道路が緊急交通路となる道路か事前に確認しておくといいでしょう。

 1923年(大正12年)9月1日11時58分、相模湾(神奈川県中部や山梨県とする説もあり)を震源とする大きな地震が発生。のちに関東大震災と呼ばれる大災害となりました。

 2023年はこの関東大震災から100年が経過します。近年、首都直下型地震や南海トラフ地震が高確率で起こるとも予想されていることもあり、予期せぬ災害への備えが必要です。

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