アルファード/ヴェルファイアを頂点とするミニバン王国と呼ばれて久しいトヨタだが、そのいっぽうでSUV王国でもある。
C-HRはかつてベストとセラーSUVに輝いたこともある人気モデルだし、2019年4月に日本の販売を復活させたRAV4が大ヒット。加えて2019年11から販売を開始したブランユーSUVのライズが空前のヒットモデルになっている。
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最近はワンプライス販売を展開するレクサス、値引きの上限を決めているマツダなど、値引きゼロやシブい値引きも出てきているが、トヨタの人気SUV3台の最新値引きはどうなっているのか?
人気があって売れているからシブいのか? それともライバルに比べても値引き額は大きい?
トヨタの人気SUVの3台、ライズ、RAV4、C-HRの最新の値引き事情について遠藤徹氏がレポートする。
文:遠藤徹/写真:TOYOTA、平野学、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】SUV王国トヨタを支えるライズ、RAV4、C-HR!!
販売実績と値引きはリンクしていない
最新の販売実績はモデルが新しい順にライズ、RAV4、C-HRの順になっているが、3車種ともSUVの国内登録車販売でベスト3を形成する人気モデルであることは間違いない。
値引き幅はRAV4が最も大きく、次いでC-HR、ライズの順になっており、販売実績とはあまり関係ない。販売店のマージン幅によって値引き余力に差が生じていると思われる。
それではトヨタの人気SUV3台について、車種別に販売状況、値引き情報を詳しく見ていく。
ライズ
価格帯:167万9000~228万2200円
全長 3995 × 全幅 1695 × 全高 1620 mmという5ナンバーサイズは日本で使うには重宝する。このコンパクトなボディと安い価格設定が人気の要因だ
ライズは2019年11月5日に発売したばかりのコンパクトSUVでダイハツからのOEM供給車。
月販目標を4000台に設定したのに対して発売1カ月後の受注台数は計画の8倍の3万2000台に達し、空前のヒットモデルとなっている。
2019年12月の登録台数は9117台で登録車の乗用車ブランド通称名別ランキングで2位にランクされている。
トップのカローラとは僅か69台差と急接近した。ただしカローラはセダン、ツーリング、スポーツの合計台数であるため、実質的にはライズが単一モデルとしては1位と言っていいだろう。
2019年2月1日時点の納期は5月末以降で、あまり売れ過ぎて一時オーダーストップになったほどだった。
シャイニングホワイトパールは3万3000円(税込み)のオプションとなるが、高級感があるため人気が高い
2月初め首都圏にある某ネッツ店で売れ筋のライズZ FF(車両本体価格206万円)の見積もりをとった。
メーカーオプションのシャイニングホワイトパール、ブラインドスポットモニター+リアクロストラフィックアラート、パノラミックビュー対応ナビレディパッケージとディーラーオプションで付属品のETCセット、ガードコスメ、カメラ一体型ドライブレコーダー、ナビ9インチモデル(48万円強ぶん)などをつけて弾いて貰うと法定、法定外諸費用を含めて合計298万円強と出た。
ダイハツロッキーとはダイハツエンブレムになるだけでなく、グリル、バンパーのデザインを変えることで差別化している
値引き額は初回回答で10万円の提示だった。納期は5月末というから、この時点での推定受注累計台数は2万台以上であり、売れているモデルだからこその強気の姿勢が読み取れる。
下取り車で多いのはヴィッツ、アクア、パッソ、シエンタ、パッソなどトヨタのコンパクトカーが中心になっている。
姉妹車のダイハツ「ロッキー」との競合は現段階ではあまりない。
RAV4
価格帯:265万6500~388万8500円
2016年8月で日本での販売をやめたRAV4は、オフロード性能を高めて2019年4月に復活。ミドルクラスSUVとして圧倒的な人気を誇る
RAV4は2019年4月10日にフルモデルチェンジして発売したが、3年ほど国内向けを生産中止していたのを復活させた。
新シリーズではラフロード走破性もさらに向上させて仕立てており、4WD車の販売比率が60%以上と高いのが特徴。
2019年4~12月の登録台数は5万3965台、月販平均5996台でミデイアムSUVではダントツのトップセラーとなっている。
直線基調のエクステリアデザインがスポーティでユーザーからも好評。ハイブリッドは動力性能、燃費に優れていて人気が高い
首都圏のカローラ店で売れ筋のハイブリッドG(車両本体価格388万8500円)の見積もりをとってみた。
メーカーオプションのホワイトパールクリスタルシャイン、デジタルインナーミラー、ハンズフリーパワーバックドアとディーラーオプションである付属品のクリスタークオーツ、ETC2.0ユニット、盗難防止機能ナンバーフレームセット、フロアマット、カメラ一体型ドライブレコーダー、ナビ9インチモデルなど、合わせて約50万円ぶんをつけて弾いて貰うと法定、法定外諸費用を含めて465万円弱と出た。
値引き額は決算セール期間の契約限定で35万円引きという。2019年4月から半年程度は10万円引きに引き締めていたが、ここに来て大幅に拡大している。
ミドルクラスSUVではマツダCX-5(写真左)はディーゼルで個性を主張。RAV4同様に日本での販売を復活させたC-RV(写真右)もまずまずの人気だ
現時点ではカローラ店とネッツ店の併売だが、5月から全国規模でトヨタ全系列店扱いに拡大される。
そのため今のうちに両店で可能な限り販売実績を作っておきたいという気持ちが働き、乱売気味になっているといった事情がありそうだ。
両店の値引き差はあまりないが、どちらかというと別資本が各地区に複数あるネッツ店のほうが乱売の傾向がある。
下取り車はエクストレイル、フォレスター、CX-5など同クラスライバル車が目立つ。
C-HR
価格帯:240万~309万5000円
クーペルックのSUVとして若者から年配まで幅広い層から支持され2017年のベストセラーSUVに輝いたC-HRは勢いこそないが堅実に売れている
C-HRは長い間SUVのトップセラーとして君臨していたが、最近はモデルの陳腐化で販売はマイナス基調で推移している。
2019年1~12月の登録実績は5万5677台で前年実績に比べて27.5%の大幅なマイナス。それでも月販平均4640台でSUV登録車の3位をキープしている。
2019年10月18日にマイナーチェンジし、内外装のデザイン変更、安全対策強化、GRスポーツの追加などで商品ラインアップを強化したが、販売回復には至っていない。
C-HRは2021年末あたりに世代交代し、人気復活を目指すことになりそうだ。
首都圏にある某トヨペット店で売れ筋のハイブリッドG(車両本体価格299万5000円)の見積もりをとった。
メーカーオプションで有料色のホワイトパールクリスタルシャイン、インテリジェントクリアランスソナー+リアクロストラフィックオートブレーキ、パノラミックモニター、快適温熱シート&電動ラバーサポートとディーラーオプションの付属品であるガードコスメ、フロアマット、サイドバイザー、カメラ一体型ドライブレコーダー、T-コネクトナビETC2.0ユニットなど約30万円弱ぶんを付けて弾いて貰うと法定、法定外諸費用を含めて345万円弱とのこと。
2019年10月のマイチェンでは待望のGRスポーツが追加された。ベースのC-HRがSUVとして走りのポテンシャルが高いので、期待を裏切らない出来だ
初回回答の値引き額は20万円程度という。モデルが古くなり値引きは拡大基調だが、その割にガードは固い勝負をしている。
トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の併売同一車での競合が頻繁に発生している。トヨタ店とトヨペット店は同レベルで引き締め基調だが、カローラ店とネッツ店は乱売に走るケースが多くなっている。
ヴェゼル、スバルXV、ジューク、CX-3などからの代替えが多い。
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みんなのコメント
大騒ぎするほどじゃない
昔からの平均的な値引き額でしょ
元が上がったから、金額が大きく見えるだけ