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幻となったGT300の歴史的大逆転シーン。暫定優勝から失格の18号車UPGARAGE小林崇志「髪の毛1本レベルで……」

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幻となったGT300の歴史的大逆転シーン。暫定優勝から失格の18号車UPGARAGE小林崇志「髪の毛1本レベルで……」

 9月17日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた2023スーパーGT第6戦GT300クラスの決勝レース、トップでファイナルラップを迎えた52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTがチェッカー直前でまさかのスローダウン。その52号車の横を18号車UPGARAGE NSX GT3の小林崇志が先に駆け抜けてトップチェッカーを受けるという、あまりに劇的な逆転劇となった……かに思われたが、18号車がレース後の車検で不合格で失格に。肩を落としてサーキットを後にする小林に話を聞いた。

「残念のひと言です」と小林。

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「自分も長くレースをやってきたので、車検の後に失格になるという場面を数多くみてきました。実際に自分が失格になるのは初めてですが、僕にそういったときが来てしまいました。そういったことが起こり得るということは知っていたので、(正式結果が発表されるまで)油断はしていなかったです」と続ける。

「車高は大幅に低かったというわけではなく、わずか髪の毛一本分レベルの話なのでちょっと…(ため息)。とはいえ、それもルールですし、規則に合致しない状態で走っていたという点は、失格になって然るべきだと思います」と、失格に至ったクルマの状況を話す小林。

「(車高が数ミリ低くなっていたことで)パフォーマンスが上がっていたとは思わないですけど、他所から見ればそのように見えるのも事実です。なので、この結果は受け入れるしかないですね」と裁定結果を受け入れつつも、小林の声音は硬く重い。

 2023年シーズンは開幕戦岡山で勝利を掴んだ18号車だったが、その後は3戦連続のノーポイントでレースを終える。しかし、前戦の第5戦鈴鹿で今季2勝目となる逆転優勝を飾り、ドライバーズランキングでもトップに立った18号車のふたりは、最大積載上限となる100kgのサクセスウエイトを積んで今大会に臨んでいた。今回のレースでは予選でも6番手を獲得し、決勝でもサクセスウエイト3kgの20号車シェイドレーシング GR86 GTを抑えるなど、その目標を体現する速さを披露していた。

「(サクセスウエイトを)100kgも積んで、それでもチームが頑張っていいクルマを作ってくれて、タイヤもすごく良かったです。最後は『棚ぼた』でしたけど、トップでチェッカーを受けることができました。これでシリーズも有利になる、と思っていたところでしたから、(失格の)ショックは大きいです」と語る。

 今後に向けては、「鈴鹿(第5戦)はFCY(フルコースイエロー)のタイミングがラッキーだったと感じていますが、今回の僕たちは実力があったと思います。クルマが重いなかでもパフォーマンスを発揮できていた点はプラス要素だと捉えていますし、正直に言えば次のオートポリス(第7戦)も勝てると思います。次はチームみんなで一丸となって集中し直して、残りの2レースを全部勝って、しっかりとしたチャンピオンを獲得できるように頑張っていきたいと思います」

 失格となったとはいえ、18号車UPGARAGE NSX GT3と小林のレース終盤の追い上げは見事だった。幻とはなったが、いいバトル、そしていいシーンを見せたことはファンの心に残っている。

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