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【F1分析】強いフェルスタッペン&レッドブルが帰ってきた! 対峙できたのはノリスだけ

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【F1分析】強いフェルスタッペン&レッドブルが帰ってきた! 対峙できたのはノリスだけ

 F1カタールGPでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝した。これで2戦前のサンパウロGPに続き今季9勝目となった。

 レッドブルとフェルスタッペンは、シーズン序盤こそ昨年同様の強さを見せ勝利を重ねたが、中盤戦以降はその優位性が揺るぎ、マクラーレンやフェラーリ、メルセデスの後塵を拝することが多くなった。実際に、コンストラクターズランキングではマクラーレンとフェラーリに先行されている。

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 しかし今回のカタールGPでは、シーズン序盤の勢いを取り戻したように見える。

 金曜日から土曜日のF1スプリントまでは、ここ最近と同様に苦戦。フェルスタッペンをもってしても、ハースのニコ・ヒュルケンベルグを攻略することすらできず、8位でフィニッシュするのがやっとだった。

 しかし予選では息を吹き返してトップタイムを記録(ペナルティにより1グリッド降格となり、決勝レースは2番グリッドからのスタートとなったが……)。決勝レースでは、スタート直後に首位に躍り出ると、そのまま全周ラップリードを記録し、トップチェッカー。まるでシーズン序盤のような強さを発揮してみせた。

■レースペースに見る、フェルスタッペンの強さ

 レース中のラップタイムの推移を見ても、そのフェルスタッペンの強さが分かる。

 上のグラフは、F1カタールGPの決勝レース中、上位グループのラップタイムの推移を折れ線で示したモノである。

 紺色の線で示したのがフェルスタッペンのペース推移。レース序盤、これについていけたのはマクラーレンのランド・ノリスただひとりのみ。ピアストリ以下のドライバーたちは、これについていけなかった。

 しかも注目すべきは、赤丸で示した第一スティント最終盤である。

 フェルスタッペンは一旦ノリスに差を縮められてしまう。この差を再び広げるために、フェルスタッペンはペースアップ。ノリスとの差を広げにかかった。30周以上走っているタイヤにも関わらず、まだ余力があった証拠と言えよう。

 この頃は、後方のマシンを中心に、ピットストップが始まったばかり。フェルスタッペンとしては、ノリスに先にピットインされ、アンダーカットされないだけの差を広げておきたかったということだろう。

 そしてもうひとつ注目しておきたいのが、青丸で示した30周目である。

 この周では、フェルスタッペン、ピアストリ、フェラーリの2台は、いずれも1分25秒台までペースを落としている。しかしノリスだけが、それまでと変わらない1分24秒台(1分24秒556)で走った。これにより、フェルスタッペンとの差を0.6秒ほど縮めることとなり、前述のフェルスタッペンのペースアップに繋がった。

 しかしノリスは、この30周目によって大きな代償を支払わされることとなった。

 当時のメインストレート上には、ウイリアムズのマシンから脱落したリヤビューミラーが落ちており、ダブルイエロー区間に指定されていた。この区間では減速しなければならず、これを遵守したため、各車のペースが落ちたのだ。しかしノリスはこれを守らずにペースを維持してしまう……ラップタイムの推移にも、それが如実に現れている。

 この結果、ノリスには10秒のストップ&ゴーという厳しいペナルティが科されることとなった。

 ノリスはこれにより、レース終盤にペナルティを消化するためにピットストップを行ない、最後尾まで下がった。その後猛烈なペースで飛ばして順位を挽回したものの、10位+ファステストラップの合計2ポイントを手にするのがやっとだった。

 なおレース終盤、各車がピットストップを終えた後も、フェルスタッペンの優位は変わらず。ノリスという”天敵”もいなくなり、まさに敵なしの状態で57周を走り切った。

 なかなか復活の兆しを見せることができず、来季に向けても不安が語られていたレッドブル。このまま転げ落ちていくかもしれないとすら言われていた。しかしここに来て一躍トップに。残る最終戦アブダビGPでも今回同様の走りを見せれば、来季もレッドブルは上位陣の一角を維持できるかもしれない……そんな可能性を感じさせる一戦だったと言えよう。

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