現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > まさに伸び盛り!! レクサスのスピンドルグリルはBMWのキドニーグリルを凌駕する!!

ここから本文です

まさに伸び盛り!! レクサスのスピンドルグリルはBMWのキドニーグリルを凌駕する!!

掲載 164
まさに伸び盛り!! レクサスのスピンドルグリルはBMWのキドニーグリルを凌駕する!!

 レクサスといえば真っ先に浮かぶのはあの独特な顔だろう。スピンドルグリルといわれる個性的なフロントマスクは、たとえ「L」のエンブレムがなくてもレクサスだとわかるほど浸透している。

 しかしそんなスピンドルグリルも代を重ねるごとに新しい要素を加えて進化を続けている。そこでカーデザインといえばおなじみの清水草一氏に、歴代スピンドルグリルを評価してもらった!

まさに伸び盛り!! レクサスのスピンドルグリルはBMWのキドニーグリルを凌駕する!!

文/清水草一、写真/Lexus、清水草一、ベストカー編集部

■進化を続けるスピンドルグリル

スピンドルグリルの新境地を開いたレクサス LX

 このところ、レクサスのデザインアイコンであるスピンドルグリルが、急速な勢いで進化している。

 レクサスLXでは、宙に浮かんだようなぶっといメッキの横桟で新境地を開いたかと思えば、EVのRZでは、グリルを反転させたような「スピンドルボディ」を採用。新型RXは、開口部のあるグリルのまま、上部をボディに溶け込ませた「スピンドルボディその2」とも言うべき形状で登場した。

 思えば、スピンドルグリルが登場して、今年は10年の節目に当たる。そこで今回は、スピンドルグリルの歩みを振り返ってみよう。

■ドイツ御三家を超えるためにデザインされた「ブランドの象徴」

グリル上部をボディに溶け込ませたようなデザインのレクサス RX

 高級車の世界に新たな基準を持ち込んだレクサスブランドだが、スピンドルグリルが登場するまで、デザイン的には地味で、象徴となるアイコンを持たなかった。

 このままではドイツ御三家を超えることはできない。熟慮の末に投入されたのが、スピンドルグリルだ。

 スピンドルとは「糸巻き」のこと。糸巻きを横から見た形状だ。トヨタの前身は豊田自動織機、つまり糸巻きの会社。そのルーツを示した形状という理由は後付けで、実際は、エア導入口をバンパー下まで広げる過程で出てきた形状だったという。

 それがわずか10年で大いなる発展を遂げ、レクサスブランドの象徴になることに成功したわけだが、仕上がりにはモデルごとにバラ付きがある。順を追って採点して行こう。

●4代目レクサスGS(2012年)/40点

 記念すべきスピンドルグリル第1号だが、その出来は、褒められたものではなかった。

この時点ではまだ、スピンドルグリルの中央をバンパーが横切っており、今見ると迫力不足で中途半端。よく見ればバンパー下まで形状はつながっているが、上下に分断されているので、開口部も小さく感じる。

 しかも、全体のフォルムを無視してムリヤリ後付けしたような印象も強く、大方の反応もネガティブだった。

このように、スピンドルグリルの第一歩は、さんざんなものだった。

●3代目レクサスRX後期型(2012年)/50点

 同じ年、マイナーチェンジに伴って、RXにもスピンドルグリルが導入された。

 中央のバンパーが奥に引っ込み、グリル全体の輪郭がはっきりわかるようになったが、しょせん後付けであり、この時は「マイチェン前のほうが上品でいいデザインだったのに」と、マイナスに評価された。

●初代レクサスNX(2014年)/75点

 当初からスピンドルグリルが組み込まれてデザインされた、最初のレクサス車。いま見るとインパクトはイマイチだが、基本形はこの時すでに完成している。

 バンパーによるグリルの上下の仕切りは完全に消滅。最大のポイントは、スピンドルグリルがフォムル全体になじんでいることだ。それによって、印象的かつ威圧的な、いい意味でのオラオラ感を獲得している。

●現行レクサスLS(2017年)/65点

 先代LSは、2013年のマイナーチェンジで、スピンドルグリルが後付けされたが、後付けの悲しさで、この時もフォルムから浮いていた。

 2017年のフルチェンジでは、繊細かつシャープなイメージのスピンドルグリルで登場。全体にはフィットしているが、LSのデザインそのものが、無理にスポーティに振りすぎたきらいがあり、スピンドルグリルも、ヘッドライト形状とともに、小細工に走っている印象だ。

 レクサスESも、LSの相似形でいまひとつだが、2020年にマイチェンされたISは、グリル内部がブラックアウトされ、形状もスッキリして力強さが増した、こちらは85点。

●現行レクサスLX(2022年)/92点

 従来のスピンドルグリル形状を継承しつつ、よりシンプルに、開口部はより大きくなった。しかもグリルの縁をなくすことで、輪郭ではなくグリル内の横桟による立体感で見る者を威圧し、すさまじい迫力だ。

 LXで走っていると、周囲の通行人やクルマから、痛いほど視線が突き刺さる。それでいてレクサスらしい気品も保っているのだからスバラシイ! LXのスピンドルグリルは、大きなブレイクスルーを達成している。

●レクサスRZ(2022年)/88点

 前述のように、従来のスピンドルグリルを反転させた「スピンドルボディ」に進化している。これにより、EVらしさとレクサスらしさを同時に表現。LXとは真逆の方向性ながら、こちらもシンプルかつ大胆でインパクトは十分。脱帽だ。

●新型(5代目)レクサスRX/75点

 グリルの縁をグラデーション的に曖昧にし、上部はボディに溶け込ませるようにしている。こちらも「スピンドルボディ」を名乗っているが、LXやRZのシンプルで大胆な手法に比べると文字通り曖昧で、インパクトも完成度も曖昧だ。

*   *   *

 このようにスピンドルグリルは、LXとRZで新境地を見い出し、今まさに伸び盛り。

 現在の勢いは、巨大化を進めているBMWのキドニーグリルを凌ぎ、袋小路感のあるアウディのシングルフレームグリルや、停滞気味のメルセデスのグリルをはるか後方に置き去りにしている。現時点では、デザインアイコンとして、ドイツ御三家を超えるパワーを感じる。

 レクサスは、今後もスピンドルグリルを大胆に進化させ続ける方針と思われる。常に成功し続けることは難しいが、小細工を捨て、「シンプルかつ大胆に」という姿勢を貫けば、世界に冠たるデザインアイコンのひとつになるのではないだろうか!

関連タグ

こんな記事も読まれています

航続距離がすべてじゃない! ミニ・カントリーマン SE オール4へ試乗 「ゴーカート」感なSUV
航続距離がすべてじゃない! ミニ・カントリーマン SE オール4へ試乗 「ゴーカート」感なSUV
AUTOCAR JAPAN
コーンズが18台限定のベントレー「CORNES 60th Edition」を発表! フライングBを日本に紹介して60年、純ICEモデル最後の特別な「GT/GTC/フライングスパー」とは
コーンズが18台限定のベントレー「CORNES 60th Edition」を発表! フライングBを日本に紹介して60年、純ICEモデル最後の特別な「GT/GTC/フライングスパー」とは
Auto Messe Web
メルセデス・マイバッハ、旗艦『Sクラス』に日本限定30台の特別仕様車“ナイト・エディション”を導入
メルセデス・マイバッハ、旗艦『Sクラス』に日本限定30台の特別仕様車“ナイト・エディション”を導入
AUTOSPORT web
BYD、国内第3弾の電気自動車『シール』を販売開始。“e-スポーツセダン”の確立を目指す
BYD、国内第3弾の電気自動車『シール』を販売開始。“e-スポーツセダン”の確立を目指す
AUTOSPORT web
「22歳元アイドル」が家族にトヨタ「ミニバン」購入!? 元HKT48・田中美久、“親孝行”な姿に「かっこよすぎる」「マジでスゴい」と話題
「22歳元アイドル」が家族にトヨタ「ミニバン」購入!? 元HKT48・田中美久、“親孝行”な姿に「かっこよすぎる」「マジでスゴい」と話題
くるまのニュース
RB20の縁石問題を解決するためフェルスタッペンがイモラでテスト。旧型マシンを“参考資料”に弱点を探る
RB20の縁石問題を解決するためフェルスタッペンがイモラでテスト。旧型マシンを“参考資料”に弱点を探る
AUTOSPORT web
小さいけど400馬力のスポーツセダン アウディ新型「RS3」 ニュル記録更新、8月発売へ
小さいけど400馬力のスポーツセダン アウディ新型「RS3」 ニュル記録更新、8月発売へ
AUTOCAR JAPAN
ジープ新型「ラングラー」が大幅改良! エントリーモデルは799万円から。「サハラ」は31万円も値下げをした理由とは
ジープ新型「ラングラー」が大幅改良! エントリーモデルは799万円から。「サハラ」は31万円も値下げをした理由とは
Auto Messe Web
【全長以外は同じ?】 90とはどう違う ディフェンダー110 V8カルパチアンエディション
【全長以外は同じ?】 90とはどう違う ディフェンダー110 V8カルパチアンエディション
AUTOCAR JAPAN
早期スタートに終盤遅延。雨対策で6時間超のウエットタイヤ戦をトヨタのベルが制覇/NASCAR第18戦
早期スタートに終盤遅延。雨対策で6時間超のウエットタイヤ戦をトヨタのベルが制覇/NASCAR第18戦
AUTOSPORT web
“直6”×MT設定あり! 新型「“コンパクト”クーペ」公開! 後輪駆動“継続採用”でめちゃ楽しそうな「M2」独で登場
“直6”×MT設定あり! 新型「“コンパクト”クーペ」公開! 後輪駆動“継続採用”でめちゃ楽しそうな「M2」独で登場
くるまのニュース
WRC最高峰デビューのセスク車が公開。母国ラトビアカラーのフォード・プーマ・ラリー1は初のノンハイブリッドに
WRC最高峰デビューのセスク車が公開。母国ラトビアカラーのフォード・プーマ・ラリー1は初のノンハイブリッドに
AUTOSPORT web
イース・コーポレーションが露チェルノフケーブルのデジタルケーブル2アイテムを販売開始
イース・コーポレーションが露チェルノフケーブルのデジタルケーブル2アイテムを販売開始
レスポンス
車名の由来は「セクシー」&「エレガント」! 日野「セレガ」の最新モデルが最新技術のるつぼだった
車名の由来は「セクシー」&「エレガント」! 日野「セレガ」の最新モデルが最新技術のるつぼだった
WEB CARTOP
厳選値引き実例 X氏の値引き特報
厳選値引き実例 X氏の値引き特報
グーネット
『バルセロナで速ければどこでも速い』はもう幻想? F1マシンの実力テストコースと言われた評価にドライバー疑問符
『バルセロナで速ければどこでも速い』はもう幻想? F1マシンの実力テストコースと言われた評価にドライバー疑問符
motorsport.com 日本版
40歳になっても大丈夫。フェラーリF1代表、来季加入のハミルトンに全幅の信頼「チャンピオン経験者のノウハウが、我々には重要」
40歳になっても大丈夫。フェラーリF1代表、来季加入のハミルトンに全幅の信頼「チャンピオン経験者のノウハウが、我々には重要」
motorsport.com 日本版
人気のホンダ「モンキー125」が大変身! 改造なしに名車「CB750F」風にカスタムできる!! 気になる各種パーツの出来栄えとは?
人気のホンダ「モンキー125」が大変身! 改造なしに名車「CB750F」風にカスタムできる!! 気になる各種パーツの出来栄えとは?
VAGUE

みんなのコメント

164件
  • シングルフレームも当初はアウディのパクリ感が強かったけどだいぶアイデンティティが出てきたね、変だけど。
  • いいかげん、でっかいグリルは卒業してほしい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村