日産自動車と資本提携を結んだことで、三菱の新車開発に弾みがつく。その開発計画には、当然「エボリューション」が組み込まれているはず。
ベストカー本誌でたびたび報じているこのシナリオを、スクープ班が(手持ちの情報をもとに)丁寧に解説してくれました!
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文:ベストカー編集部
ベストカー2017年9月10日号
■世界一になった日産グループ、その先に見据えるのは
2016年10月、三菱自動車の34%の株を取得し、傘下に収めた日産。2373億円もの巨額を投じて三菱を手に入れた日産に対し、当初は社内外から否定的な意見もみられたが、しかし三菱の業績回復、何より日産・ルノー・三菱グループが今年上半期の世界生産台数で首位に躍り出るなど、今後の日本の自動車産業にとっても期待できる状況になったといえよう。
三菱との提携時、日産ゴーン社長(当時)は「世界トップ3のひとつになる」と明言していたが、半期とはいえいきなり世界トップになったのだからインパクトは絶大だ。今後の展開に期待が膨らむのは当然といえよう。
しかしいっぽうでクルマ好きとして注目したいのは、販売台数で首位に立った日産・ルノー・三菱グループから生まれてくる商品、すなわちニューカー群だろう。
三菱が日産傘下に入ってから言われているのは、三菱が得意とするSUV、軽自動車部門の強化、EVの共同開発だが、かつてベストカー本誌でも紹介したように、日産と三菱が手を組むことで新車開発に弾みがつくのは間違いない。
次期モデルではエクストレイルとアウトランダーのプラットフォームの共用化はすでに動き始めているし、ラージ&ミドルサイズのミニバン、エルグランドと次期デリカD:5、本格的SUVとなるサファリとパジェロなどでも共用化やエンジンの供給など、あらゆる分野で連携が図られるはず。
軽自動車でも新分野となるミニSUVが近いうちに登場する。それ以外にもグローバルでは、タイ生産のライトトラックなども今後共同開発が進むのは当然の成りゆきだ。
そして、何よりも期待されるのが三菱の日本市場におけるイメージの回復。圧倒的知名度を誇る東南アジアとは異なり、日本では相変わらず信頼の回復までには至っていない。
そこでゴーンCEOの打つ手が、かつて日産で示したような、イメージリーダーカーを復活させることでファンからの信頼を回復させること。当然それはランサーエボリューションやギャラン、パジェロといった三菱のビッグネームの復権となる。
■持っている技術はポルシェをしのぐ
三菱には技術力がある。4WD技術に関しては一日の長があり、SUVだけでなくスポーツ4WDも充分いける。
そうした期待に応えるのがランエボ復活計画だ。
期待されるのは日産との競合を避けるため、GT-Rよりも小さく安価な、これまでのようなランサーエボリューションとなるが、世界の潮流を読み、ポルシェ・マカンのような高性能スポーツSUVということもありえる。また、オンロードスポーツ仕様とスポーツSUVとの二本立てということも当然ありえる。
エンジンはルノーの2Lターボという手もあるし、もちろん、ランエボXに搭載されていた4B11型エンジン、このMIVECターボをリファインして搭載することもできる。また、モーターを組み合わせたスポーツPHEVもあるだろう。
ルノーの持つ2L最強ターボエンジンはメガーヌルノースポールに搭載されている273㎰で、いっぽう4B11は313㎰。SUVタイプを想定するなら、マカンの2Lターボは252㎰であり、つまりポルシェ大きく凌ぐ性能を得られることになる。
■コンパクトカー戦略が浮沈のカギを握る
それだけでなくコンパクトカー分野でも三菱はイメージを回復させる必要がある。コアとなる「ラリーアートエディション」のようなハイパフォーマンスモデルか、あるいは圧倒的に経済的なモデルだ。
現在、タイで生産しているミラージュではそうした戦闘力、アピール力が足りないが、内外装を一新してエクリプス クロスの1.5L、4気筒ターボを搭載し、ミラージュエボ的なスポーツモデルを用意する手はある。
こうした長年のファンが喜ぶ施策と同時に、コンパクトなi-MiEV後継モデル的なEVを加え、コンパクトカー戦略を立て直すことが重要だろう。このあたりは三菱自身もよく知っていて、関係者によると、社内的にこのクラスをどう変えていくかを検討しているということだ。
もしもミラージュエボ戦略があるとしたら、そのライバル車はヴィッツGRMNやポロGTI、アバルト595など。日産のNISMO戦略ともかぶるクルマになるが、そこは提携相手であっても別のブランド。互いに切磋琢磨するのも大切な仕事だ。
■日産と三菱の協業によりEV戦略もパワーアップ
残るはEV戦略。世界レベルでみても、最初にEV戦略を明確にした自動車メーカーは三菱だったといえるが、ここにきてピュアEVはトーンダウン。PHEVと両面作戦を続ける体力がなかったというのが正直なところだ。
しかし、これまでに蓄えた技術レベルは日産も一目置くもの。日産、ルノーと組むことで、さらなるレベルアップとコストダウンを図ることができる。
日産は9月6日に新型リーフをリリースし、ルノーは今年のジュネーブショーでコンパクトEV、ZOE(ゾエ)の466馬力スポーツバージョンを出展するなど、日産・ルノー・三菱グループにとって間違いなくEVは事業の柱となる。
実は、トヨタも7月26日に発表したように2022年までに全固体電池搭載の次世代EVを出すことを明らかにしているし、実際、2019年にはC-HRとレクサスUXにEV専用車を入れることを計画している。
全固体電池は電解質にセラミックなどの固体を使用するもので、出力、充電量が倍になり、充電時間が大幅に短縮できるという近未来EVの主力技術。当然、日産・三菱もその研究は進めており、2020年以降は全固体電池の激しい先陣争いが繰り広げられることになりそうだ。
首位の座を手に入れた日産・ルノー・三菱グループは、その座を守るため、グローバルはもちろん、日本でもあらゆる手を打ってくる。日本市場の回復がこの日産と三菱にとって大きな鍵を握っているからだ。
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