15グレード中13グレードに流れるウインカーを装備
クロスオーバーSUVとして高い人気を誇るハリアー。ボディ前後を絞り込んだ塊感のあるスタイリングと水平基調のシャープなプロポーションが特徴で、プレミアムでありながらスポーティという点がユーザーの支持を得ている。
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マイナーチェンジでは、そうしたハリアーらしさを残しつつ、各部をブラッシュアップ。フロントマスクは、アッパーグリルを薄く、ロアグリルを大きくワイドにすることで存在感を高めた。3連式の角形ヘッドライトはニューハリアーのアイデンティティとなる。各エンジンごとに3グレード(プログレス、プレミアム、エレガンス)が設定されているが、どのグレードも高級感のあるエクステリアとなっている。
ワゴン車の背を高くしたようなプロポーションも、ハリアーが人気モデルとなったひとつの要素。マイナーチェンジでも、ほぼ同じサイズとした。他車と比較すると、同じトヨタ車ならアルファードよりやや小さく、セダンならレクサスGSとISの間くらい(全高を除く)。SUVとしてはC-HRよりやや大きい。レクサスRXよりもひとまわり小さいくらいのサイズ感だ。
エクステリア上の最大の変更点は、フロントマスクのデザイン。上下2段式グリルは従来モデル同様だが、アッパーグリルをより薄くしてシャープな印象とし、ロアグリルをワイド化することで、より存在感を高めている。また、ターボ車ではアッパーグリルにクロス柄、ロアグリルにハニカムパターンを配し、ハイブリッド/ガソリン車ではアッパーグリルにスリット柄、ロアグリルに水平バータイプのデザインとし、差別化している点もポイントだ。
こちらも新採用の3連式ヘッドライトは、外側がロービーム(LED)で内側2灯がハイビーム(グレードによりLEDまたはハロゲン)。MIRAIやレクサスGS、プリウスPHVなどに通ずる最近のトヨタのトレンドともいえるデザインだ。そして、注目したいのはシーケンシャルターンランプ。片側あたり16灯のLEDが内側から順に点灯する、いわゆる「流れるウインカー」。
リヤビューについては、テールランプのサイズはほぼ同じだが、発光部に面発光タイプのLEDを新規採用。後続車からの被視認性を高めている。テールランプは、ターボ車ではスモーク、ハイブリッド/ガソリン車ではクリアーとなる。ランプコーナー部にはエアロスタビライジングフィンを備える。
テールランプは尾灯は周囲全体が点灯し、外側にウインカー、内側にリバースランプという配置。ブレーキランプは両ユニットの下側が点灯する。
従来モデルのハリアーでも定評があった「サイドミラーの足もと照明」は今回も全車に標準装備。ただし、プログレスグレードでは、ハリアーのCIマーク(エンブレム)を浮き上がらせるデザインとした。
タイヤ&ホイールは、全車にアルミホイールを標準装備。ターボ車以外のエレガンスでは17インチ(225/65R17)、ハイブリッド/ガソリン車のエレガンスを除くグレードではスーパークロム仕様の18インチホイールが装備される。タイヤサイズは235/55R18だ。
ターボ車では全グレード(プログレス、プログレス メタル・アンド・レザーパッケージ、プレミアム、プレミアム メタル・アンド・レザーパッケージ、エレガンスともに専用となる2トーン仕様の18インチホイールを装備(タイヤサイズは235/55R18)。
ステアリングは全車本革巻きで高い高級感を誇る
インテリアの基本デザインは従来モデルと同じだが、さらにプレミアム感とパーソナル感が高められた。
ステアリングホイールやシート表皮は、すべてのグレードで本革または合成皮革が使われており、さらにインテリアのテーマカラーはハイブリッド&ガソリン車ではシックなブラック、ディープボルドー、ダークサドルタンといういずれも個性的な3種類のカラーリングが採用され、さらにターボ車ではブラック&レッドというスポーティなテーマカラーが設定されている。また、「プログレス」と「プレミアム」グレードにオプション設定の「メタル&レザーパッケージ」では、専用のインテリアパネル、シート表皮が用意されている。
ダッシュボードまわりでは、右下にはスターターボタンのほか各種スイッチを配置。電動式パーキングブレーキの操作ボタンもこちらに配置されている。オートに設定しておくと、ギヤインで発進時に自動解除されるほか、Pレンジに入れると自動的にホールドされるという、オート解除&ホールド機能付きだ。
ステアリングホイールは全車で本革巻きとなる(グレードにより、レッドステッチ×ディンプル加工、黒木目×幾何学柄、ディンプル加工の3タイプ)。左右スポークにはスイッチが並び、ハンズフリーやオートクルーズ、安全機能装備類のオン/オフなどを手元で行なえる。
トランスミッションは、ターボ車は6速AT、ガソリン車は7速マニュアルモード付きCVT、ハイブリッドは無段変速機となる。シフトレバー周囲のパネルは、ターボ車がメタルカーボン、ハイブリッド/ガソリン車は黒木目調、プログレス メタル・アンド・レザーパッケージとプレミアム メタル・アンド・レザーパッケージではアルミヘアライン仕様となる。各テーマカラーに合わせてドアトリムの加飾パネルとコーディネイトされている。
メーターは2眼式オプティトロンメーター。パワーユニット(ハイブリッド/2リッターガソリン/2リッターターボ)ごとに専用タイプが設定される。右側に速度計、左側はハイブリッドではパワーメーター、そのほかはタコメーターとなる。
中央部にはマルチインフォメーションディスプレイを配置。ダッシュボードの中央部にはディスプレイスペースが用意され、T-コネクト対応のSDナビゲーションシステム(9.2インチ・タッチ液晶)などが設定されている(プログレスに標準装備)。パノラミックビューモニター装着者では、バックビュー、サイドビューともにディスプレイに表示される。
運転席には全車8WAY電動シートを採用
ハリアーのインテリアは、ボディサイズを活かした広い空間にゆったりと乗れる快適性の高さが魅力だ。運転席が全車で8ウェイ電動となるシートは、ターボ車ではスエード&レザー、ハイブリッド&ガソリン車ではファブリック&レザーとなり、各グレードのメタル・アンド・レザーパッケージではプレミアムナッパ仕様の本革シートが設定される。
さらにハイブリッド&ガソリン車ではシートカラーをブラックとダークサドルタンから選べるので、ボディカラーとのコーディネイトも楽しめる。メタル・アンド・レザーパッケージ車では、運転席にオートスライド&アウェイ機構も備わるほか、快適温熱シート、シートベンチレーション機能も備わる。
また、安全装備も充実しており、エアバッグはサイドを含む運転席・助手席に加え、運転席ニーエアバッグ、前後席カーテンシールドエアバッグを全車に標準装備する安心設計だ。
電動バックドアの「閉じ終わり」を待たずにドアロックが可能
SUVの魅力はフル乗車で荷物を満載し、ロングドライブやレジャーに行けること。ハリアーはそんな要求にも応えてくれる。室内同様、ラゲッジスペースも十分に広く、また、小物収納スペースや電源端子など、機能装備も充実している。ミニバンモデルのようなシートアレンジのギミックなどで積載性能を高める工夫はないが、ワゴン車同様の使い勝手で、しかもワゴン車よりも広くスペースを使うことができる。
そして、従来モデルで好評だった「パワーバックドア」は、さらに機能性を高めている。エレガンス以外のグレードに標準装備され、運転席およびバックドアにスイッチがあり、フルオートで全開・全閉ができるほか、一時停止や停止位置をメモリーすることもできる。また、駐車時など、閉じ終わりを待たずにドアロックを作動させることができる予約ロック機能を新たに装備した。
後席はリクライニング機構付きで、6対4分割可倒式となる。アレンジパターンとしてはシンプルだが、リクライニング機構付きなので、片側に乗車した状態での使い勝手はよさそうだ。ラゲッジ容量は9.5インチのゴルフバッグを4つ積載することができるサイズ。デッキボードにはステンレス製のフィニッシュプレートを装備し、荷物の積み降ろしをしやすくしている。なお、トノカバーは全車で販売店オプションとなっている。
トランクスペースの下には、サブトランクも設定されている。深さがあるのでかなり大きめの荷物も収納可能。3分割タイプのデッキボードの下には小物を置けるトレーがある。標準仕様ではトレーにパンク修理キットや車載工具がセットされ、スペアタイヤ(応急用)は2WD、4WDともに全車オプションとなる。
ユーティリティ装備類では、センターコンソールにUSBジャックと12Vアクセサリーソケットを設置。またオプションでトランクスペース左側にはAC100Vコンセントを設置することができる。ハイブリッド車では1500W(ガソリン&ターボ車では100W)と大容量だ。
オーディオについては、オーディオレス仕様では6個のスピーカーがプリセットされるほか、プログレスとプログレス メタル・アンド・レザーパッケージには、JBLプレミアムサウンドシステムが標準装備となり、8チャンネルのアンプで合計11個(トランク設置分も含む)のスピーカーを駆動する。
ハリアーはプレミアムSUVとして人気が高く、アウトドアスポーツやレジャーでのニーズが高いが、マイナーチェンジでは、そうしたユーティリティの高さにさらに磨きをかけ、なおかつ上質なインテリアを与えられ、その「プレミアム度」はますます高くなったといえるだろう。
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