Q:2017年度の国産メーカー新車販売 前年超えの主要因は?
text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)A:軽自動車の復調
17年度の新車販売、外国メーカー車の割合は? 「2018年3月に売れたインポートカー」
軽自動車税増税による販売低迷からの回復に加え、ホンダN-BOXやスズキ・スペーシアなどの新車効果もあって、4年ぶりのプラスを達成。3年ぶりに前年割れした登録車のマイナス分をカバーした。
3月の新車販売 6カ月連続のマイナス
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会がまとめた2018年3月の全体での国内新車販売台数は、前年同月比3.5%減の66万7269台と6カ月連続での前年割れとなった。カテゴリー別では、
・登録車:同4.9%減の43万8084台(6カ月連続のマイナス)
・軽自動車:同0.7%減の22万9185台(3カ月ぶりのマイナス)
と、ともに前年実績を下回った。
一方、2017年度(2017年4月~2018年3月)の成績では、
・登録車:前年比0.6%減の333万8234台(3年ぶりのマイナス)
・軽自動車:同8.1%増の185万8793台(4年ぶりのプラス)
となり、トータルで「同2.3%増の519万7027台」と2年連続で前年実績を上回り、しかも昨年に続いて500万台の大台を突破した。
市場の動きに関して業界団体の関係者は、「3月の新車販売は新型車の投入効果が一巡したこともあり、6カ月連続で前年実績を下回った。また、登録車においては日産自動車が前年同月比7.0%減と6カ月連続で、スバルが同8.4%減と5カ月連続でマイナスとなり、完成検査不正問題の影響が長引いている。一方、新型車を精力的に発売しているスズキは同6.0%増で8カ月連続、三菱自動車は同59.7%増で5カ月連続、レクサスは同38.1%増で6カ月連続での前年超えを成し遂げた」と説明した。
「2017年度の新車販売は、軽自動車の復調もあって2年連続でプラス、しかも昨年に続いて500万台超えを達成した。軽自動車は増税による販売低迷からの回復に加え、ホンダN-BOXやスズキ・スペーシアなどの新車効果もあって、4年ぶりの前年超え。反面、登録車は年度前半に新車効果などでプラスを記録したものの、後半は需要の一巡、さらには日産とスバルの完成検査不正問題の影響が長引いてマイナスに陥り、最終的に3年ぶりの前年割れとなった」と解説。
今後の見通しについては、「日産は徐々にだが回復軌道に乗りつつある。一方でスバルは燃費および排出ガスのデータの書き換えが発覚し、ブランドイメージのさらなる悪化は避けられそうにもない。ただし、市場全体としての需要は軽自動車を中心に比較的堅調で、底堅さはある。また、受注を伸ばしそうな登録車が各メーカーから随時発売される予定なので、これらがどれくらい成績を伸ばすかが販売回復のカギになるだろう。一方、アメリカと中国および欧州のいわゆる “貿易戦争” の成り行き、それに伴う株価の値下がりや円高の進行などによって市場の消費意欲がどうなるかは懸念材料」と指摘した。
2018年3月 車名別 販売台数ランキング
(日本自動車販売協会連合会/全国軽自動車協会連合会)1位 ホンダN-BOX 2万6851台
2位 日産ノート 1万9356台
3位 スズキ・スペーシア 1万8711台
4位 ダイハツ・ムーヴ 1万7465台
5位 日産デイズ 1万6233台
6位 ダイハツ・タント 1万5783台
7位 トヨタ・プリウス 1万5688台
8位 日産セレナ 1万5080台
9位 トヨタ・アクア 1万4778台
10位 スズキ・ワゴンR 1万4392台
ホンダN-BOXが2017年度車名別トップ 軽は9年ぶり
3月の乗用車の車名別ランキングでは、前月と同様に “軽高登低” の傾向が示された。
トップに立ったのは昨年9月に全面改良を実施したホンダN-BOXで、前年同月比2.8%増の2万6851台の販売を成し遂げて7カ月連続での首位に輝く。続く第2位には同20.6%減ながら1万9356台を販売した日産ノートが、第3位には同24.4%増の1万8711台を販売したスズキ・スペーシアが入り、いずれも前月から1ランクのアップを果たした。第4位から第6位までは軽自動車がずらりと並び、昨年8月に一部改良を行うなどしたダイハツ・ムーヴが1万7465台、高い人気を維持する日産デイズが1万6233台、昨年12月に一部改良を実施したダイハツ・タントが1万5783台を達成してランクインする。
登録車では第2位の販売台数(1万5688台)を記録したトヨタ・プリウスは総合で第7位、3月にe-POWERモデルを追加した日産セレナは第8位にとどまった。トップ10を一覧すると、登録車は4車種で、残り6車種が軽自動車。この比率になるのは、5カ月連続である。また、トップ10のうち2万5000台以上の販売台数を達成したのはホンダN-BOXの1車種のみで、以下は1万4000台から1万9000台のレベルと大きく水をあけられる結果となった。
注目の新型車の動きを見ていこう。昨年5月にイースを新型に切り替えたダイハツ・ミラは前年同月比43.9%増(1万1497台)で第13位に、2月にマイナーチェンジを図ったホンダ・ヴェゼルは同0.6%増(9030台)で第21位に、昨年9月にマイナーチェンジを実施したホンダ・ステップワゴンは同49.0%増(8769台)で第22位に、1月にマイナーチェンジを行ったトヨタ・アルファードは同44.9%増(7213台)で第29位に位置。また、3月に発売した新型クロスオーバーSUVの三菱エクリプス・クロスは月販目標1000台の5倍近くとなる4996台を販売して第39位に、昨年9月にプラドをマイナーチェンジしたトヨタ・ランドクルーザーワゴンは同104.3%増の4351台で第40位に、昨年12月に発売した新型3列シートクロスオーバーSUVのマツダCX-8は月販計画1200台の約3.6倍となる4342台を販売して第41位に、新ジャンルの小型クロスオーバーワゴンを謳って昨年12月にデビューしたスズキ・クロスビーは月販目標の2000台を大きく上回る3751台を記録して第43位にランクインする。そして、昨年7月に全面改良したトヨタ・カムリは同1020.4%の大幅増(3137台)で第46位に、昨年10月に第2世代に切り替わった日産リーフは同90.8%の大幅増(2997台)で第48位に入った。
2017年度 車名別ランキング
2017年度の車名別ランキングにも触れておこう。トップに立ったのは軽自動車のホンダN-BOXで、前年比16.2%増の22万3449台を達成して初の首位に就く。モデル末期になっても月販1万台以上を継続し、フルモデルチェンジした9月以降は月販2万台前後を記録するなど、安定した人気を確保したことがトップとなった要因だ。また、ホンダ車の年間首位は2002年度のホンダ・フィット以来、実に15年ぶり。さらに、軽自動車がトップになるのは2008年度のスズキ・ワゴンR以来9年ぶりである。
続く第2位には、昨年度の首位から陥落したトヨタ・プリウス(14万9083台)が位置。第3位にはダイハツ・ムーヴ(14万5643台)、第4位には日産デイズ(13万6505台)、第5位にはダイハツ・タント(13万4660台)と軽自動車勢が並んだ。トップ10を一覧すると、HV専用またはHVを中心に据えた登録車が3車種で、残り7車種が軽自動車。ユーザーの低燃費志向、そして節約志向は依然として続いているようである。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」 理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?