世界で最も美しいクルマ「ミウラ」
世界で最も美しいクルマは何かと問われて、ランボルギーニ「ミウラ」の名をあげるカー・マニアの数は今でも多いはずだ。1966年のジュネーブ・ショーに、このミウラが初めてその姿を現した時から、革新的で流麗なデザインは、現代に至るまでスーパーカーの世界に大きな影響力を及ぼしてきた。
3億5000万円でランボルギーニ「ミウラ」が落札! 復刻「カウンタック」と同じプライスだった理由は「SV」の称号にあり
実際にミウラを超えるスタイリングを実現したスーパーカーは、どれだけ存在するのか。それはもちろん人によって評価は異なるものの、少なくとも大きな数字ではないことは確かだろう。有機的なラインできらびやかな、そしてまた官能的なデザインを実現したミウラは、それが発表されるや一瞬でショーの華となり、また話題の中心となったのである。それは約1年前のトリノ・ショーで発表されたリヤミッドエンジンを搭載するシャシー、「TP400」からの期待が一気にセンセーショナルを巻き起こした瞬間でもあった。
ポロ・ストリコ設立以降、価値を高めたクラシックランボ
ランボルギーニが、自社で「ポロ・ストリコ」を組織するなど、クラッシックカー部門にさらなる力を入れるようになってから、ランボルギーニの過去の遺産はその価値を大きく高めている。
ミウラはその中でも筆頭に掲げられるモデルで、今回RMサザビーズがペブルビーチ・オークションに出品した「P400ミウラ」は、わずか8年間しか生産されなかったミウラ・シリーズの最も初期型となるもの。シリアルナンバー:3435はサンタアガタ・ボロネーゼの本社工場から、161番目に出荷されたミウラであることが確認されている。
ちなみにデリバリー当時のボディカラーは赤。インテリアは白と黒のフェイクレザーとクロスのコンビネーションで仕上げられており、1968年3月28日にミラノの販売代理店、オートエライトに納車された。その後のイタリアでの履歴はほとんど知られていないが、1994年9月にはイギリスで再登録。1997年にボーリュー社のオークションでモナコの愛好家がそれを購入した後、車両は再びイタリアへと戻り、ボディワークの修理や現在の鮮やかなイエローへの再塗装が行われた記録が残っている。
コンクール・デレガンスで優勝するほどの仕上がり
その後もオーナーはコンディションの回復に熱心で、ミラノのツーリング・オートに機械部品のオーバーホールを依頼。新車当時の走りを取り戻すことになった。
イタリアでのレストア作業の後、2004年12月に、このシリアルナンバー:3435はアメリカのカスタマーへと売却されたことが、ニューヨークのオートスポーツ・デザインズ社に残された書類によって確認されている。
さらに2006年10月から同ディーラーで内装のリムーブやボディ修理などが行われ、この間にもこのミウラらは2007年のラドナーハント・コンクール・デレガンスに参加し、クローズド・スポーツカー部門で1位を獲得するなどの栄誉に輝いている。
2008年3月、約4年間の所有期間を経て、シリアルナンバー:3435は再びオートスポーツ・デザインズ社に売却され、その1カ月後にはフェラーリ512BBiを下取りにニューヨークのカスタマーに売却された。それからアメリカで10年ほどの時を過ごしたこのミウラは再びイギリスへと戻ったものの、ほとんど走行する機会はなく、実際にイギリスに輸入されてからのマイレージは100マイルにも達していないという。ペブルビーチ・オークションの主催者であるRMサザビーズは、したがって購入後には軽い整備が必要であることを入札者に提言していた。
ランボルギーニ・ミウラを手にいれるということ。それはまさにスーパーカーの始祖であり、また独創的なエンジニアリングと革新的なスタイリングの両方でベンチマークとなり続けてきた、いわば究極のスーパーカーを手にいれることに等しい。
参考までにRMサザビーズは、オークション開催前に80万~100万ドルのエスティメート(予想落札価格)をこのミウラに提示していたが、実際の落札価格はその上限に近い99万5000ドル(邦貨換算約1億4000万円)というものだった。ミウラの人気は、これからもまだまだその勢いを増していきそうだ。
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みんなのコメント
フェラーリ好きの山本さんにはたまらないのだろうけど、私的にはミウラをずっと保有して欲しかったなぁ。