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新型レンジローバーを公道初試乗。斬新デザインの中身は、スムーズ極まりない生粋のラグジュアリーSUVだった。

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新型レンジローバーを公道初試乗。斬新デザインの中身は、スムーズ極まりない生粋のラグジュアリーSUVだった。

時代のトレンドに流されず、自ら道を切り開いていく究極のラグジュアリーSUV「レンジローバー」が、フルモデルチェンジを果たした。コンセプトモデル然としたルックスながら、実際にハンドルを握ってみればすべてがスムーズで操りやすい。なるほどこれは確かに、「ただ者」ではない。

最新トレンドのルックスに、BMW譲りの4.4LV8ツインターボを搭載
目の前で新型レンジローバーの現車を見ても、信じられなかった。これが実際に販売されるクルマなのか、と。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

それはまるで、モックアップのコンセプトモデルのように見えた。様々な部品の集合体としての存在ではなく、あたかもひとつの塊(かたまり)として、まるで無垢の素材から削り出されているかのように感じられたのだ。なんと斬新で、そして精緻で美しいデザインなのだろうか。

ランドローバーのトップモデルとして日本でもいま驚くほど高い人気を誇っている新型ディフェンダーも、デザインの傾向としては近いものを感じる。しかし、この新型レンジローバーからは、さらに“ただ者ではない”という雰囲気が伝わってくる。

今回ハンドルを握ることができたのは、上級グレードの“オートバイオグラフィー P530 SWB”というモデル。

P530(P=ペトロールつまりガソリン、530=出力、ps)が搭載するV8エンジンは、従来モデルに搭載されていた5L V8スーパーチャージャー仕様[375kW(510ps)/625Nm(63.8kgm)]から、B44という型式を備えたBMW製の4.4LV8ツインターボエンジン[390kW(530ps)/750Nm(76.5kgm)]へと一新された。

もちろんレンジローバーへ搭載されるにあたり、厳しいオフロード走行の基準に合致するよう傾斜角45度にも対応した潤滑系統、水深900mmの渡河性能をクリアする吸気系システム、シリンダーブロック強化のためのリブ追加など仕様が見直されている。

2mを超えるワイドボディながら、見晴らし良好で操りやすい
ボディは従来型と同じく2種類を用意。ホイールベースが2995mmのSWBと3195mmのLWBで、SWBは(ショートホイールベースではなく)スタンダードホイールベース、LWBはロングホイールベースを意味している。またLWBモデルには、レンジローバーとして初の3列シート仕様7人乗りが設定されたこともトピックだ。

乗り込んでみると、視界が素晴らしく良い。またボンネットの先端位置や左右フロントフェンダーのショルダー部がしっかりと見えるので、ボディサイズがつかみやすいとともにタイヤの位置がどこにあるのかということを実感しやすい。

全幅2005mmというワイドなボディながら車幅感覚が認識しやすく、狭い道で対向車とのすれ違いができるかできないかなどといった場合でも、不必要に神経質にならなくて済む印象だ。

走り出せば、すべてがスムーズだ。アクセルペダルを踏めば、ごく自然に滑らかにスタートして、決して飛び出すようなことはない。それでいて、十分な力強さによる加速力を実感させてくれる。

ラグジュアリーモデルの中には、走行モードの標準状態はあえて大人しめの設定となっていて、それではちょっとまどろっこしく思う場合はスポーツモードを選ぶような設定となっているモデルもある。だが、このP530 SWBと8速ATの組み合わせはそうしたことを何も感じさせず、スムーズに気持ちよく発進してくれる。

すべての動きに無駄がない“ダイナミックレスポンスプロ”
さらに新型レンジローバーでは、同ブランドとして初めて後輪の操舵機構を備えたオールホイールステアリングが標準装備となっている。後輪の操舵は50km/hまでの低速域では前輪と逆相に動き、最大で7.3度まで切れる。これにより、最小回転サークルは6.1mが実現された。

その速度を超えると後輪は前輪と同相に動く仕組みだが、一般道を走行している状態では後輪操舵の存在は意識させられなかった。とにかく、クルマとしての動きが自然に感じられてやはり、非常にスムーズな印象が伝わってくる。

乗り心地も実に具合がいい。オプション装備の23インチホイールに組み合わされるタイヤは285/40サイズだが、電子制御式エアサスペンションとのマッチングは至極良好だと感じられた。

きつめのコーナーが迫った時、減速のためにブレーキングしてもクルマとしての動きはしっかりとコントロールされている。これには、新型レンジローバーに新しく採用された“ダイナミックレスポンスプロ”の効果も大きい。

48Vシステムを採用した電動式スタビライザーによるアクティブロールコントロールシステムで、前後のサスペンションそれぞれにセットされている。電動式のメリットは油圧式よりもはるかに速く正確に動作することだ。

時代のトレンドに流されず、自ら道を切り開いていく究極のラグジュアリーSUVの最新モデルは、すべての動きに無駄がなく、あらゆるシーンでスムーズな走りを楽しませてくれた。いつか、オンロード、オフロードを問わずどんな条件下でもさり気なく、新しいレンジローバーを、スムーズ&スマートに乗りこなせるようになってみたいものだ。(文:香高和仁/写真:永元秀和)

◾取材車両データ レンジローバー オートバイオグラフィーP530 SWB(スタンダードホイールベース)
◎ボディカラー:バトゥミゴールド
◎インテリアカラー:ペルリーノインテリア エボニー
◎装着オプション
バトゥミゴールドボディカラー101,000円、SVビスポークパーフォレイテッドニアアニリンレザーシート 242,000円、23インチフルサイズスペアホイール 0円、23インチ“スタイル175”ホイール(グロスダークグレイ、コントラストダイヤモンドターンドフィニッシュ) 275,000円、ウインドスクリーン(ヒーター付) 34,000円、フロントセンターコンソール急速クーラーボックス 114,000円、家庭用電源ソケット 21,000円、テールゲートイベントスイート 55,000円、24ウェイ電動フロントシート(ヒーター&クーラー、ホットストーンマッサージ機能付き)&リアエグゼクティブクラスコンフォートシート 455,000円、ドライブレコーダー 94,600円、ディプロイアブルサイドステップキット(SWB用) 640,530円
◎車両価格 22,280,000円
◎オプション価格 2,032,130円
◎合計 24,312,130円

■レンジローバー オートバイオグラフィーP530 SWB(スタンダードホイールベース) 主要諸元
●全長×全幅×全高:5065×2005×1870mm
●ホイールベース:2995mm
●車両重量:2560kg
●エンジン:V8 DOHCツインターボ
●総排気量:4394cc
●最高出力:390kW(530ps)/5500-6000rpm
●最大トルク:750Nm(76.5kgm)/1850-4600rpm
●燃料・タンク容量:プレミアム・90L
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●WLTCモード燃費:7.6km/L
●最高速度:250km/h
●0→100km/h加速:4.6秒
●車両価格(税込):2228万0000円

[ アルバム : レンジローバー・インプレッション はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

1件
  • こんな車日本では邪魔なだけ
    相対化能力が低い愚か者が乗る車
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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