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日本メーカーを遙かに凌ぐ7車種を揃えた! 普及はまだまだなのにメルセデス・ベンツがEVを大量投入できるワケ

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日本メーカーを遙かに凌ぐ7車種を揃えた! 普及はまだまだなのにメルセデス・ベンツがEVを大量投入できるワケ

 この記事をまとめると

■メルセデス・ベンツがEQE・SUVを投入して日本でのBEVラインアップが7車種になった

天国か地獄かかかった時間は14時間! 東京ー大阪間500km超のEVロングランにWEB CARTOP編集部員が挑戦してみた

■EQE・SUVの発表会にはメルセデス・ベンツ現会長のオラ・ケレニウス氏が登壇

■乗用車で脱二酸化炭素を実現できるのはEVだと明言

 メルセデス・ベンツは乗用車の最適解としてEVを選んだ

 メルセデス・ベンツは、新型電気自動車(EV)であるEQE・SUVの発表会に際し、ドイツ本社からオラ・ケレニウス会長が来日し、会見に臨んだ。壇上の背後には、EQA、EQB、EQC、EQE、EQS、EQS・SUV、そして今回発表となったEQE・SUVが実車で展示された。

 EQAは、GLAのEV版だ。そしてGLBが基になるEQB、GLCのEV版がEQCとなる。そして、4ドアセダンのEクラスとSクラスに相当するEV、さらにそれらのSUVのEVということで、身近なコンパクト車から最上級車種までのEVがほぼ揃った状態で、それらは日本市場で販売されている。

 これほど広範囲な車種でEVを揃えているのは、他社でも多くなく、日本車にはここまでのEVの品揃えはない。なぜ、多彩なEVをメルセデス・ベンツは揃えられるのか。

 EQAからEQCまでは、エンジン車と共通部分のあるコンバートEVだ。それに対し、EQEより上級車種は、いずれもEV専用開発のグランドアップEVである。開発戦略の使い分けにより、一気に車種構成を広げられたといえる。

 さらに、ケレニウス会長の会見から、EV充実の背景が垣間見えた。

 ケレニウス会長は、「乗用車において、脱二酸化炭素を実現できるのはEVである」と明言した。EVは優れた効率であり、送電網はすでに世のなかにある。まだ十分な充電環境ではないとしても、それはまだ始まったばかりだからだと語る。原価についても、EVは抑えられてきているとする。

 水素の一例である燃料電池は、物流のトラックなどで開発していると語った。トラック部門は、現在は別の経営となっている。昨今話題となったe-Fuelについては、航空機や船舶などで使えるかもしれないと語ったが、その表情は疑心暗鬼であった。まだ研究開発の途に就いたばかりで、原価も、量産化も、供給体制も明らかではない。それに比べ、電力はすでに各地を網羅している。

 そのうえで、「できるかできないかではなく、企業として何を選ぶかが重要だ」と述べた。そして乗用車を開発し販売するメルセデス・ベンツにとって、最適な回答はEVだと結論付けたのである。技術や社会基盤の状況に基づいた、実に明快な論旨だ。

 できるかできないか、ということであれば、技術はいつか到達するかもしれない。しかし、それを社会に実装し、エネルギー供給という社会基盤と連携し、人々の役に立つ移動手段であるかどうかこそが、経営者の判断すべきことである。

 EVはまた、移動手段だけでなく、社会の電力網とつながった社会エネルギー基盤の一翼を担うことができる。ここは、ほかの次世代車と目されるクルマでは困難な価値だ。EVを、従来からのクルマの延長と考えると、先を見誤るだろう。

 ケレニウス会長は「10年後に、メルセデス・ベンツが技術とラグジュアリーの最先端であり続けること」が、重要だと語った。メルセデス・ベンツは、いうまでもなくガソリンエンジン自動車の祖である。そして常に、自動車社会を牽引するメーカーである。

 目先の経営だけでなく、10年後の世界を見据えるメルセデス・ベンツの動向は見逃せない。

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みんなのコメント

51件
  • Mercedesは販売不振、在庫増を理由に、中国北京2工場でEV生産を一時停止。
    全てのドイツブランドは中国競合他社との競争に問題を抱えており、EVプログラムにとって良い兆候ではない。
    やはりうまくいってるのはテスラと中国メーカーだけ
  • 7車種は凄いが明らかにBMWと違い販売不振が顕著。
    ハッキリ言ってほとんど売れてない。差別化出来てないんじゃない。
    一気に造ったのはいいけどさ
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