現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 竹岡圭 K&コンパクトカー【ヒットの真相】日産キックス「e-POWER+4WD+プロパイロットで安全快適ドライブ」(2024年6月号掲載)

ここから本文です

竹岡圭 K&コンパクトカー【ヒットの真相】日産キックス「e-POWER+4WD+プロパイロットで安全快適ドライブ」(2024年6月号掲載)

掲載 12
竹岡圭 K&コンパクトカー【ヒットの真相】日産キックス「e-POWER+4WD+プロパイロットで安全快適ドライブ」(2024年6月号掲載)

e-POWER+4WDが気持ち良く快適な走りを実現

 まだまだ続くよSUVブーム! というより、もはやSUVじゃないと売れないのではないか? といわれるくらい、相変わらず人気の高いSUV。かつてのミニバンが「プチバン/5ナンバーサイズ/LLクラス」などボディサイズバリエーションを増やし、さらに「スイングドア/Bピラーレス/ハイルーフ」などとスタイル的バリエーションを増やしていったのと同じで、SUVもサイズはもちろんのこと、クロスオーバータイプなど、スタイル的にもかなり種類が増えてきました。

【竹岡圭 K&コンパクトカー【ヒットの真相】スズキ・スペーシア「安全機能充実、燃費良好、使いやすい」(2024年5月号掲載)

 そんな中で、日産のコンパクトSUV、キックスの最大の特徴は、ズバリ他のメーカーにはないe-POWERという唯一無二のパワートレインを搭載していることです。ガソリンで発電してモーターの駆動で走る、シリーズ方式のハイブリッドカーなんですよね。

 ハイブリッドカーはザックリいうと、シリーズ方式の他に、パワーが必要なときにモーターがエンジンのアシストをしたり、場合によってはモーターだけで走行するパラレル方式。エンジン&モーターの両方の動力源を上手く使い分けるシリーズ・パラレル方式。さらには、モーター機能を持つ発電機を備え、エンジンの始動や発進をサポートするマイルドハイブリッドなどもあります。

 構成比としてはシリーズハイブリッドは種類が少なく、国産車で目立つものといえば、日産のe-POWERと、マツダのROTARY-EV(こちらはPHEV)くらいのものでしょうか。

 このシステムの特徴は、ガソリンエンジンは発電機としてしか使わないので、BEVのような走行が楽しめるという点にあります。BEV同様、停止状態からいきなりMAXトルクを立ち上げることができるので、レスポンスよく発進することもできますし、いまここで力がほしいなんていう、追い越し時の中間加速なんかもお手の物です。

 停止するときには強力な回生ブレーキを使うことができるので、ブレーキパッドも減りにくいですし、回生力を強めておけば、アクセルオフだけで減速するので、アクセル&ブレーキのペダルの踏み替え回数も減ってラクに運転できます。さらには、そうして貯めた電力をまた走行時に使えるため、いってみれば単独リサイクルのコスパのよい走りができるんですよね。

 また、最近の運転支援システムとも相性がいいんです。キックスはプロパイロットという運転支援システムを標準装備していますが、たとえば前走車の追従走行でも、瞬時にパワーが出せるために遅れずについていくので、ストレスフリーのドライブが楽しめます。

4WD仕様のe-POWERは第2世代に発展 前後2モーターで力強く、安定した走りを見せる

 今回の試乗車はX FOURという4WDモデル。キックスは、4WDの要望がメチャクチャ高かったため、2022年7月のマイナーチェンジから追加となったのですが、このときにe-POWERのシステム自体も第2世代へと進化を果たし、モーター出力とトルクが向上したので、よりパワフルでストレスフリーの乗り味を手に入れました。

 そしてこの4WDがなかなかイイんです。前輪と後輪を分けた2モーター体制なので、前後それぞれに駆動力を配分することでよりバランスの取れた安定した力強い走りができ、とくにコーナリング時の曲がりやすさなどで威力を発揮してくれます。きっと、よく曲がる4WDという印象さえ受けるのではないでしょうか。ライントレース性などは明らかにFFより上です。

 さらに、減速する際も2基のモーターを使うために、クルマの姿勢が前のめりになりにくく、より安定して減速できます。走る・曲がる・止まるというクルマの基本動作のレベルがグッと上がった感じがするんですよね。個人的には最近の4WDは安全装備のひとつという側面も大いにあると思っているのですが、悪天候時などは確実に差が出ると思います。

 加えて、アクセルペダルを離したときの減速の仕方が自然になったのも、使いやすくなったポイントですね。これは4WDだからということではなく、第2世代のe-POWER全部にいえる話ですが、回生力の立ち上がりが緩やかになりました。

 回生ブレーキの減速Gが強すぎると、ペダルを離した途端に大きく前のめりになりがちで、この動きが予測できているドライバーはいいのですが、同乗者は不意にそういった大きな動きに見舞われることになり、車酔いしやすいなんていう面があったんです。

 これが4WDならば、前後のモーターで回生するために、前のめりになりにくく、車酔いしやすいお子様と乗る機会が多い方、信号の多い市街地などでチョコチョコ乗ることが多いユーザーにも、お勧めです。

 つまりコンパクトSUVの使い方を理解し、進化させるポイントを絞り込み、ユーザーニーズに合わせて進化を続けていく。キックスの人気の秘密はここにありそうです。

キックス「ヒットの真相」

1)シリーズハイブリッドのe-POWERは、エンジンで発電し、モーターで駆動。レスポンスに優れたBEVのような走りが楽しめる

2)4WDモデルの追加で魅力がアップ。前後それぞれに駆動力を配分する技術でよりバランスの取れた安定した力強い走りを実現

3)アクセルペダルを離したときの減速の仕方が自然になって車酔いしにくくなった。コンパクトSUVの使い方を理解し進化させている

たけおかけい/各種メディアやリアルイベントで、多方面からクルマとカーライフにアプローチ。その一方で官公庁や道路会社等の委員なども務める。レースやラリーにもドライバーとして長年参戦。日本自動車ジャーナリスト協会・副会長。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【ヨーロッパ以外で初】本日から開催! アルピーヌA110RGTが「フォーラムエイト・ラリージャパン2024」参戦
【ヨーロッパ以外で初】本日から開催! アルピーヌA110RGTが「フォーラムエイト・ラリージャパン2024」参戦
AUTOCAR JAPAN
クルマ火災の救世主! イタリア発の次世代消火具「ファイヤーショーカスティック」は愛車を守る最強の味方だ。
クルマ火災の救世主! イタリア発の次世代消火具「ファイヤーショーカスティック」は愛車を守る最強の味方だ。
くるくら
今年は飛びませんように……ラスベガスGP、マンホール/水道管の蓋を舗装&補強。昨年とばっちりのサインツも「安全が何よりの願い」
今年は飛びませんように……ラスベガスGP、マンホール/水道管の蓋を舗装&補強。昨年とばっちりのサインツも「安全が何よりの願い」
motorsport.com 日本版
EV好調のシトロエン『C3』新型、欧州カーオブザイヤー2025最終選考に
EV好調のシトロエン『C3』新型、欧州カーオブザイヤー2025最終選考に
レスポンス
ルノー新型「5 Eテック」は約450万円から 英国仕様が発表、春に納車開始へ レトロな最新EV
ルノー新型「5 Eテック」は約450万円から 英国仕様が発表、春に納車開始へ レトロな最新EV
AUTOCAR JAPAN
レクサス新型「“和製”スーパーカー」に反響多数! V8×超美麗ボディに「いつ登場する!?」「憧れる」の声も! 噂の「LF“R”!?」に期待高まる
レクサス新型「“和製”スーパーカー」に反響多数! V8×超美麗ボディに「いつ登場する!?」「憧れる」の声も! 噂の「LF“R”!?」に期待高まる
くるまのニュース
通学向けに特化した専用設計 ヤマハ新型「PAS ULU」登場 バイクメーカーならではの設計が
通学向けに特化した専用設計 ヤマハ新型「PAS ULU」登場 バイクメーカーならではの設計が
バイクのニュース
いまさら聞けない「水素自動車」って何? メリット/デメリット、課題とは 普及は実現可能か
いまさら聞けない「水素自動車」って何? メリット/デメリット、課題とは 普及は実現可能か
AUTOCAR JAPAN
10年の休眠を経てシングルナンバーで路上復帰! 激レアいすゞ「ベレットGT」のファストバックに34年…2年がかりでリフレッシュ!!
10年の休眠を経てシングルナンバーで路上復帰! 激レアいすゞ「ベレットGT」のファストバックに34年…2年がかりでリフレッシュ!!
Auto Messe Web
ペダル踏み間違い時加速抑制装置、国連基準化 2025年6月義務化へ 日本発の技術が世界標準に
ペダル踏み間違い時加速抑制装置、国連基準化 2025年6月義務化へ 日本発の技術が世界標準に
日刊自動車新聞
メルセデスベンツ、新型EVバス『eIntouro』発表…欧州初の無線更新可能なバスに
メルセデスベンツ、新型EVバス『eIntouro』発表…欧州初の無線更新可能なバスに
レスポンス
ホンダ新型「N-BOX」登場! 史上初「映える」凄い“オシャ内装”採用! めちゃ便利な「画期的な機能」も搭載! リラックスできて“テラス気分”な「軽バン」とは?
ホンダ新型「N-BOX」登場! 史上初「映える」凄い“オシャ内装”採用! めちゃ便利な「画期的な機能」も搭載! リラックスできて“テラス気分”な「軽バン」とは?
くるまのニュース
ダイハツ、タフトを一部改良 法規対応で安全装備を追加 価格は6%値上げ
ダイハツ、タフトを一部改良 法規対応で安全装備を追加 価格は6%値上げ
日刊自動車新聞
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
くるまのニュース
どんな違いがあるのか!? 通常モデルとは違う仕様が用意されている中型バイク3選
どんな違いがあるのか!? 通常モデルとは違う仕様が用意されている中型バイク3選
バイクのニュース
日本発の「ペダル踏み間違い防止装置」、世界標準へ…国連が基準化
日本発の「ペダル踏み間違い防止装置」、世界標準へ…国連が基準化
レスポンス
写真で見るニューモデル 光岡「M55ゼロエディション」
写真で見るニューモデル 光岡「M55ゼロエディション」
日刊自動車新聞
旧ビッグモーター、車両の修理不正もビッグに8万件、補償総額数十億円も[新聞ウォッチ]
旧ビッグモーター、車両の修理不正もビッグに8万件、補償総額数十億円も[新聞ウォッチ]
レスポンス

みんなのコメント

12件
  • yng********
    後輪にモーター駆動させる4躯は魅力だけど、FFとの燃費差が5k/lぐらいあるから、どっちを選択するかはニーズ次第だね。
  • tk9********
    これを乗り出し250で出せば売れたかもね。
    四駆でe-POWERでプロパイロットつき。
    そのくらいインパクトださないと「イメージ悪い日産」「実は新興国向けのクルマを国内へ引っ張ってきた」の
    ネガティブさを薄めることが出来ない。
    現実はこんなクルマに乗り出し価格が350とか400万。
    誰が買うの?て思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

140.5159.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

16.0358.0万円

中古車を検索
キックスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

140.5159.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

16.0358.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村