日産は2018年10月18日、2021年を目途にグローバル展開する、日産、ルノー、三菱統合アライアンス・コネクテッド戦略を発表した。このアライアンス・コネクテッドではグーグル(Google)社のAndroid(アンドロイド)をOSとして、グローバル展開するが、中国のみは別のOSを採用する計画としている。
アライアンス・コネクテッド戦略のプレゼンテーションを行なったのは、3社アライアンスのコネクテッドカー担当としてアライアンス・グローバルの副社長に就任したカル・モス副社長だ。カル・モス氏はコネクテッドカー関連技術、コネクテッドサービスの責任者だ。
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カル・モス氏は以前はシリコンバレーの企業に勤務の後、GMのコネクテッド技術であるオンスターの技術責任者として車載ハードウエア、ソフトウエア・プラットフォームの開発を行なっていた。その後、メルセデス・ベンツR&DノースアメリカでAI、デジタル車両担当の副社長として自動運転技術やコネクテッドサービスなどの開発の責任者となった。最後の仕事としてメルセデス・ベンツ新型Aクラスの「MBUX」の根幹部の開発を主導したという。そして2018年3月からアライアンス・グローバルの副社長に就任した。
日産、ルノー、三菱のアライアンス・コネクテッド戦略の基本になるのは、3社が共通のインテリジェント・クラウドを共有し、共通の車載コネクティブティ・システムを搭載するということだ。クラウドや、コネクティビティは、当然ながら対象数が大きいほど高効率になるが、現在では世界の生産台数No1を争う3社連合が統一したコネクテッド・システムを共有することは大きなアドバンテージといえる。またより規模の大きなコネクテッド・システムから得られるビッグデータも強力で、有用性が高まる。
現在、このアライアンス・コネクテッド戦略により、今後のクルマにはコネクテッド・ナビゲーション、リモートコントロール、遠隔ダッシュボード、ユーザーに適合した店舗のサービス、パーソナライゼーションなどが実現するという。またコネクテッド車両対する新たなサービスも生み出され、それらの新サービスは新たな収益源としても期待されている。例えばアフターセールス関連のサービス、使用状況に応じた保険などが想定されている。
もちろん、コネクテッド車両であればリモート車両診断、ソフトウエアの通信によるアップデートなども実現し、これは自動車メーカーにとってのコスト削減にもなるなど、ユーザー側、自動車メーカー側の双方がメリットを享受できることになる。
また将来的には自動運転化やモビリティサービス(MaaS)にとってもコネクティビティは欠くことのできない要素となっている。
ユーザーは、インテリジェント・クラウドを利用することで新たにアンドロイドオート、アップル・カープレイ、アマゾン・エコーとの連携が可能になる。また現在すでに採用されているナビやインフォテイメントなどのサービスや新機能をさらに拡大させることができる。
こうした新たなコネクテッド戦略を実現するために、3社アライアンスはGoogleと提携し、Android OSを採用することを決定した。アンドロイドはグローバルで見てもシェアが高く、ユーザーの多くもすでにその使い勝手に慣れているのが採用した理由の一つだ。
Android OSの採用によりGoogleオートモーティブサービスを利用できるようになる。グーグルマップの機能をすべて利用でき、音声認識を利用したGoogleアシスタントも利用できる。高度なAI、会話エージェントに基づいた自然会話で質問すれば答えが返ってくる、というユーザーにとっては簡単に情報が得られるシステムだ。
さらに自動車向けに最適化されたGoogleプレイ(アプリ配信)も利用できるようになり、様々な自動車用に開発されたアプリを任意に利用できるようになる。なおこの自動車向けのアプリ開発にはサードパーティも参加することができるようにするとしている。
こうした3社アライアンス用のAndroid OSは2021年には車載が開始される計画だ。この時点では90%のクルマは車載通信モジュールを搭載していると予想され、残りの10%はスマートフォンを接続することでシステムを利用できるようにするという。
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