現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 新型EVで一層の攻勢 ヒョンデ・コナ・エレクトリックへ試乗 48.4kWhで航続376km

ここから本文です

新型EVで一層の攻勢 ヒョンデ・コナ・エレクトリックへ試乗 48.4kWhで航続376km

掲載 24
新型EVで一層の攻勢 ヒョンデ・コナ・エレクトリックへ試乗 48.4kWhで航続376km

現在の欧州ではコナの40%がエレクトリック

初代ヒョンデ・コナ・エレクトリックは、戦略的に誕生したモデルとはいいにくかった。ベースとなるコナは、内燃エンジンで走るコンパクト・クロスオーバーとして設計され、状況の変化へ合わせるようにバッテリーEV仕様が追加されていた。

【画像】新型EVで一層の攻勢 ヒョンデ・コナ・エレクトリック 競合クラスのBEVと比較 全126枚

2018年には、それで大きな問題はなかった。2023年も、初代コナ・エレクトリックは堅調に売れている。しかし、バッテリーEVの進歩は目まぐるしい。2代目へモデルチェンジが必要だと判断されたようだ。

近年の欧州市場では、コナの販売数の約40%をバッテリーEVのコナ・エレクトリックが占めるという。そこでヒョンデは、新型を電動パワートレイン主軸に開発。その後、ガソリンエンジン仕様とハイブリッド仕様へ派生させたという。

ヒョンデ・アイオニック5のように、バッテリーEV専用設計ではない。それでも、電動化へ重点が置かれたマルチパワートレイン・プラットフォームで、フラットなフロアを獲得。駆動用モーターやバッテリーとの相性は良くなった。

パワートレインの設定には、2段階ある。最高出力156psの駆動用モーターと、48.4kWhの駆動用バッテリーが組み合わされた、スタンダードレンジがエントリー仕様。その上に、217psと65.4kWhが組み合わされたロングレンジが用意される。

ベースグレードも充実装備 シャープな顔つき

今回の試乗車はスタンダードレンジで、航続距離は376km。英国価格は3万4995ポンド(約630万円)からとなる。

ロングレンジは3万8595ポンド(約694万円)から。航続距離は492kmがうたわれる。ちなみに、ライバルとなるプジョーe-2008の航続距離は402km。ボルボEX30のベーシックな仕様は、344kmとなっている。

急速充電能力はDCで最大102.3kW。クラストップの速さではないものの、駆動用バッテリーの容量を考えれば不足はないだろう。エアコンはヒートポンプ式を採用し、真冬に暖を取っても航続距離は従来ほど影響を受けないはず。

スタンダードレンジの場合、英国で選べるトリムグレードはアドバンスのみ。17インチ・アルミホイールとデュアルゾーン・エアコン、自動防眩バックミラー、パーキングセンサーなど、望ましい装備が一式付いてくる。

ロングレンジでは、NラインとNライン Sという上級グレードも選択できる。専用ボディキットと19インチ・アルミホイールなどが与えられる予定で、こちらは2024年からオーダーが始まる。最上級のアルティメットも追って加わるという。

2代目となるコナ・エレクトリックは、見た目が大きく変わった。スリムなヘッドライトを獲得し、フロントマスクの印象はかなりシャープになっている。

ボディサイズも大きくなり、全長は初代から145mmも伸び、4355mmになっている。ハードウエアを共有する、ニロEVへ接近したといえる。

広くなった車内 適度に心地良く安楽

ドアを開いて車内へ入ると、明らかにひと回り広くなったことがわかる。乗員空間にも荷室にも余裕が生まれ、実用性は増したといえる。ファミリー・ユーザーにとってはうれしい変化だろう。

シフトセレクターは、センターコンソールからステアリングコラムへ移動。フロントシート間の収納は増やされ、内装の品質は明らかに向上した。

シンプルなダッシュボード上には、12.3インチのモニターが2面並ぶ。運転席の正面がメーター用で、助手席側がインフォテインメント用となる。エアコンなどには、実際に押せるハードボタンが用意されている点は好ましい。

運転席からの視界は良好。ドライビングポジションに不自然なところはなく、長時間でも快適に過ごせそうだ。

試乗車は最終的な量産仕様ではなかったものの、実際に運転してみた印象は、適度に心地良く安楽といったもの。発進加速はバッテリーEVらしく強力ながら、中間加速の勢いは穏やかといっていい。

ステアリングホイールの重み付けは一貫性に優れ、反応は予想しやすい。だが、夢中になるような一体感までは得られていない。乗り心地は、ある程度速度域が高まると落ち着きが増していく。傷んだ路面を通過しても、大きく乱れることはなかった。

スタンダードレンジも魅力的な選択肢

回生ブレーキの強さは、ステアリングホイール裏のパドルで調整可能。アクセルペダルだけで発進から停止までまかなえる、ワンペダルドライブ・モードにも対応している。エネルギー効率を高めるのにも役立つはず。

ドライブモードには複数の設定があるが、スポーツ・モードを選択しても、ホットハッチのように変化するわけではない。もっとも、コナ・エレクトリックの主な購買層が、スリリングな走りを望んでいるとは考えにくいから、これで構わないだろう。

実用的なオールラウンダーとして、2代目コナ・エレクトリックの完成度は高そうだ。実際のユーザーの多くはロングレンジを選ぶと予想されるが、スタンダードレンジも日常的な自動車利用を充分カバーできる、魅力的な選択肢だといっていい。

なお、フロントマスクに用意された充電ポートのカバーには、ヒーターが内蔵されている。真冬でも凍り付いて開けにくい、ということはなくなったそうだ。

ヒョンデ・コナ・エレクトリック・スタンダードレンジ(英国仕様)のスペック

英国価格:3万4995ポンド(約630万円)
全長:4355mm
全幅:1825mm
全高:1575mm
最高速度:162km/h
0-100km/h加速:8.8秒
航続距離:376km
電費:7.7km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1615kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:48.4kWh
急速充電能力:102.3kW(DC)
最高出力:156ps
最大トルク:25.9kg-m
ギアボックス:シングルスピード(前輪駆動)

こんな記事も読まれています

新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
レスポンス
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
くるまのニュース
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
バイクのニュース
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
レスポンス
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
motorsport.com 日本版
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
くるまのニュース
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
バイクのニュース
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
ベストカーWeb
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
WEB CARTOP
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
日刊自動車新聞
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
AutoBild Japan
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
くるまのニュース
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
VAGUE
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
motorsport.com 日本版
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
くるまのニュース
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
レスポンス
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

24件
  • このサイズで重量1.6トンもあんの?EVは道路には悪影響か?

    ホント、日本に入ってきたら重量税しっかり取ってほしい!
  • またリチウム発火の死亡事故が心配。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

479.0858.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

257.6409.0万円

中古車を検索
アイオニック5の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

479.0858.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

257.6409.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村