■150万円以下のトヨタの「超コンパクトミニバン」!?
2001年、米国同時多発テロが起こり、世界中が混乱の渦に巻き込まれ、世界の分断が始まった。この波乱の直前に登場したトヨタ「スパーキー」。両側スライドドア、3列シートで7人乗りを謳い文句にしたミニバンである。
【画像】超カッコイイ! トヨタ「“7人乗り“超極小ミニバン」を画像で見る(22枚)
スパーキーの名の由来は英語で「エネルギッシュな・いきいきとした」という意味だそうだ。
2000年9月に登場し、コンパクトなボディサイズに大人7人が乗車できるパッケージングが施されているが、実際にはダイハツ「アトレー7」のOEM供給を受けて誕生したモデルである。
アトレー7をベースにしながら、大型フロントエアロバンパー、フロントグリル、シートなどを専用化して、スポーティなイメージを演出するミニキャブワゴンであった。
パッケージ面では、最小回転半径4.4mの扱いやすいコンパクトなボディサイズ(全長3765mm×全幅1515mm×全高1895mm)と、リッターカークラスながらも、室内長2585mmという、ミディアムクラスの3列シートワゴンに匹敵する大人7人が座れる居住空間を実現した。
セカンドシートは480mmのロングスライド機能も備えるほか、セカンドシートとサードシートは折りたたんで床下に格納できる「ハイダウェイシート機構」を採用。広大な荷室を創り出し多様な用途に対応している。
また、オートマチック車では、運転席と助手席が独立してスライドするベンチシート(センターアームレスト付)が奢られている。
エクステリア&インテリア面では、マルチリフレクターヘッドランプ&フォグランプ、専用の精悍な大型エアロフロントバンパー、リヤガーニッシュ、フロントグリルを採用するとともに、専用のシート&ドアトリム表皮、黒木目調のインストルメントパネルを装備し、スポーティかつ洗練されたイメージを演出した。
搭載されるエンジンは、可変バルブタイミング機構付き1.3リッター直列4気筒DOHCで、90馬力/12.5kgmを発生した。
後輪駆動の2WDと回転差感応式カップリングを用いたフレックスフルタイム4WDが用意される。
ミッションはフロア式5速MTと2モードコラム式4速ATの2つが用意された。
グレードは駆動方式に関係なくベースとなる「X」、スライドドアイージークローザーやフォグランプが装備される「G」の2種類。パッケージオプションとしてXに「S&Jパッケージ」、Gに「Sパッケージ」が設定された。
安全機構として全車に、デュアルエアバッグ、ブレーキアシスト、ABS、プリテンショナー&フォースリミッター付きシートベルトを標準装着している。
スパーキーは多彩なシートアレンジ、乗客や荷物の量に応じたフレキシブルさが評価された。ミニバンならではの高い車高とフラットなフロアによって、乗降がしやすく広い室内空間が確保されていることがスパーキーの特徴なのである。
当時の新車価格帯は、約131万5000円からと、150万円以下に納められていた。
都市部での利用に適したコンパクトなミニバンとして設計され、狭い道路や駐車場でも扱いやすく、ファミリーカーとしての機能性と経済性を兼ね備えたスパーキーであったものの、2003年3月には残念ながら生産終了となってしまう。
約3年という珍しく短命なモデルとなったのは、ダイハツのアトレー7よりも10万円ほどの高い販売価格のせいか、販売台数でアトレー7に及ばなかったことに加え、事実上の後継モデルとされる「シエンタ」の登場のせいもあったのかも知れない。
その意味では、希少なモデルといっていい。
中古車サイトを眺めてみると、8月下旬時点でスパーキー在庫は3台、一方のアトレー7は17台ほど。いずれも4~50万円台から選べる。
後継となるシエンタも徐々に大型化し、一方の軽自動車も200万円越えは普通になってしまった。
軽自動車でなく、このサイズのミニバンで、両側スライドドア、3列シート、7人乗りというスペックは、現代ではもはや貴重な存在であることに変わりない。今だからこそ改めて、このスパーキーに注目してみると、案外面白いかも知れない。
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末期のビスタ店専売の取り扱い車は、殆どお荷物だった様な…プロナード、ヴェロッサ、Willシリーズ等々
ニャースにする必要なし