現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 1026psのモンスター ヘネシー・マンモス・ラム1500 TRXへ試乗 0-100km/h加速3.2秒 後編

ここから本文です

1026psのモンスター ヘネシー・マンモス・ラム1500 TRXへ試乗 0-100km/h加速3.2秒 後編

掲載 2
1026psのモンスター ヘネシー・マンモス・ラム1500 TRXへ試乗 0-100km/h加速3.2秒 後編

巨大なボディに高い車高で死角が広い

ヘネシー・マンモス・ラム1500 TRXを発進させる。乗り心地は比較的ソフト。タイヤの外径が37インチもある、BFグッドリッチのマッドテレイン・タイヤを履き、巨大な衝撃をなだめこむ、調整式のビルシュタイン・ダンパーがシャシーを支えている。

【画像】1000馬力のモンスター ヘネシー・マンモス・ラム1500 V8のオフローダーと比較 全110枚

アスファルトでもボディが揺さぶられ、細かな振動が伝わってくる。路面から伝わる様々な入力が、筆者の身体のあちこちも震わせる。

高速道路へ合流すると、スーパーチャージャーの悲鳴が遠くから耳へ届く。タイヤのロードノイズは大きくなる。脱水中の洗濯機のそばにいるような、そんなノイズだ。

筆者は、古いアメリカ製のピックアップトラックが嫌いではない。むしろ、かなり好きな方だといえる。それでも、マンモス・ラムへ乗り慣れるには時間が必要だった。特に、英国の一般道では。

ボディサイドには大きなドアミラーが付いているが、位置が高くボディも大きく、死角も広い。狭い道をすばしっこく走る、小さなハッチバックが隠れてしまう可能性がある。

交差点へ差し掛かると、一瞬だけ周囲を走るクルマが姿を見せるが、すぐ運転席からは見えなくなる。周囲へ意識を配る必要性が、普段以上に求められる。

ボディが巨大なだけあって、車内は広々としている。ダブルキャブの5シーターだが、運転席に座ると助手席へは手が届かないほど。

激しい加速時はボディのリア側が沈み込む

シートは座り心地が良い。ダッシュボードなどのスイッチ類は、かなりゴツい。カーボンファイバー製のトリムが、あちこちを飾っている。電源ソケットが随所に用意され、ドリンクホルダーは合計14個もあった。

動的能力を高めるべくチューニングを受けた結果、最大積載量は594kgに制限を受けている。通常のラム1500なら、800kg以上は搭載できる。最大牽引重量は、3670kgまで対応するから、大きなキャンピングトレーラーも引っ張れる。

甚大なパワーを秘めるピックアップトラックを走らせるなら、バハ・カリフォルニアのような広い砂漠地帯が良い。このマンモス・ラムも、サスペンションのストロークはかなり長く確保されている。

アクセルペダルをフロアへ押し付けると、ボディのリア側が大きく沈み込む。テイクオフ・スタイルになり、ステアリングホイールの感触が曖昧になる。スピードが増すほど、エンジンは轟音を響かせる。

恐らく間違いなく速いのだが、スピード感が伴わない。ジェット旅客機が離陸時に240km/h以上まで加速しても、機内に座っていると余り速いと感じないのと一緒だろう。路面から高い位置にキャビンが位置しているためだ。

それでも、大量のガソリンを燃やしている。燃料系の針は、想像以上に早く傾いていく。1日の取材を終えて燃費を確認してみると、メーターパネルに3.6km/Lが示された。

不思議と多くの人が共感してくれる

体格の良いマンモス・ラムが、英国の狭い一般道で本調子を出せないことは明らか。だが、昨今の地球上では、本領を発揮できる国の方が少ないかもしれない。それでも、30分くらい走ったところで、オートバイに跨ったライダーがサムアップしてくれた。

赤信号で停まると、隣に並んだトラックの運転手が話しかけてきた。ハッチバックのドライバーにも、興味を持ってくれた人がいたかもしれない。運転席からは、様子を見ることができなかったけれど。

ブリストルの歩行者が手を降ってくる。アクセルを吹かして、轟音を聞かせて欲しいと要求してくる。マンモス・ラムへ、多くの人が共感してくれているように思えた。不思議なことに、明らかに嫌悪感を示す人には出会わなかった。

日が傾き始めた頃には、このピックアップトラックがひと回り小さく感じらてきた。しかし、英国に住んでいる筆者が買うかと聞かれれば、答えはノー。アメリカに住んでいたら、一瞬悩むかもしれないが、それでも間違いなくノーだ。

それでも、どこかの国のどこかの街でヘネシー・マンモス・ラム1500 TRXを見かけたら、立ち止まって笑顔で挨拶しようと思うだろう。200台限定の貴重なモンスターに。

ヘネシー・マンモス・ラム1500 TRX(北米仕様)のスペック

英国価格:15万ポンド(約2505万円)
全長:5915mm(標準ラム1500 TRX)
全幅:2235mm(標準ラム1500 TRX)
全高:2054mm(標準ラム1500 TRX)
最高速度:196km/h
0-100km/h加速:3.2秒
燃費:3.6km/L(試乗時)
CO2排出量:−
車両重量:3538kg
パワートレイン:V型8気筒6166ccスーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:1026ps/6500rpm
最大トルク:133.7kg-m/4200rpm
ギアボックス:8速オートマティック

こんな記事も読まれています

ホンモノもあれば雰囲気だけの「なんちゃって」もあったなぁ……一時期プチブームになった「和製ユーロ仕様」の国産車5選
ホンモノもあれば雰囲気だけの「なんちゃって」もあったなぁ……一時期プチブームになった「和製ユーロ仕様」の国産車5選
WEB CARTOP
「し」はイメージ悪い? 車のナンバープレートで使われない「ひらがな」がある理由とは
「し」はイメージ悪い? 車のナンバープレートで使われない「ひらがな」がある理由とは
乗りものニュース
まもなく日本上陸! 650馬力のAWD高性能スポーツモデル 新型「アイオニック5 N」ってどんなクルマ?
まもなく日本上陸! 650馬力のAWD高性能スポーツモデル 新型「アイオニック5 N」ってどんなクルマ?
VAGUE
マイアミ勝利で疑い払拭! ノリス「自分が勝つ瞬間が来ることを心配したことはなかった」
マイアミ勝利で疑い払拭! ノリス「自分が勝つ瞬間が来ることを心配したことはなかった」
motorsport.com 日本版
零戦スタイルをまとったスカイライン! 地上の戦闘機には鹿児島育ちのオーナーの平和への願いが込められていた!! 【大阪オートメッセ2024】
零戦スタイルをまとったスカイライン! 地上の戦闘機には鹿児島育ちのオーナーの平和への願いが込められていた!! 【大阪オートメッセ2024】
WEB CARTOP
ノリスが悲願のF1初優勝「『ランド・ノーウイン』と呼んでいた人たちが間違っていたと、ついに証明できた」F1第6戦
ノリスが悲願のF1初優勝「『ランド・ノーウイン』と呼んでいた人たちが間違っていたと、ついに証明できた」F1第6戦
AUTOSPORT web
ボルボXC40が仕様変更。特別限定車として「プラスB3セレクション」も発売
ボルボXC40が仕様変更。特別限定車として「プラスB3セレクション」も発売
カー・アンド・ドライバー
出場停止近づくマグヌッセン、僅か5戦でペナルティポイント10加算「コメントしない方がいいかな」
出場停止近づくマグヌッセン、僅か5戦でペナルティポイント10加算「コメントしない方がいいかな」
motorsport.com 日本版
ついにグリルが光る!BMW『iX』初の大幅改良へ、パワーも飛距離も大刷新
ついにグリルが光る!BMW『iX』初の大幅改良へ、パワーも飛距離も大刷新
レスポンス
【ブレイズ】警察署主催の「電動キックボードの外観を有する車両の実車講習会」に体験車両を提供
【ブレイズ】警察署主催の「電動キックボードの外観を有する車両の実車講習会」に体験車両を提供
バイクブロス
スカイラインの意欲作!! GT-Rじゃないけど超魅力的な[スカイラインRS]誕生の理由が衝撃的だった
スカイラインの意欲作!! GT-Rじゃないけど超魅力的な[スカイラインRS]誕生の理由が衝撃的だった
ベストカーWeb
【読み物】実はこんなにある! 魅力的な日本メーカーの海外仕様SUV&ピックアップ【パート1】
【読み物】実はこんなにある! 魅力的な日本メーカーの海外仕様SUV&ピックアップ【パート1】
Webモーターマガジン
レッドブルのホーナー代表「ペレスがフェルスタッペンと追突しなくてラッキーだった」|F1マイアミGP
レッドブルのホーナー代表「ペレスがフェルスタッペンと追突しなくてラッキーだった」|F1マイアミGP
motorsport.com 日本版
ついにGクラスにも完全電動化モデルが登場! メルセデス・ベンツ「G 580 with EQ テクノロジー」で高級オフローダー界に殴り込み
ついにGクラスにも完全電動化モデルが登場! メルセデス・ベンツ「G 580 with EQ テクノロジー」で高級オフローダー界に殴り込み
THE EV TIMES
3号車Niterra、富士3時間で&圧勝も実はタイヤタイヤマネジメントに苦戦「まず昨年のパフォーマンスに追いつかないと」
3号車Niterra、富士3時間で&圧勝も実はタイヤタイヤマネジメントに苦戦「まず昨年のパフォーマンスに追いつかないと」
motorsport.com 日本版
メーカーと販売店が野球で対決、トヨタ自動車 VS 茨城トヨペット 5月27日
メーカーと販売店が野球で対決、トヨタ自動車 VS 茨城トヨペット 5月27日
レスポンス
ポルシェ、新しい車両機能のキャリブレーション用AIエージェント開発
ポルシェ、新しい車両機能のキャリブレーション用AIエージェント開発
LE VOLANT CARSMEET WEB
高速の陸橋越えたら「え、終わり!?」32年ぶり解消!埼玉の“不思議な道路”なぜいま全線開通? やっぱり不思議な風景
高速の陸橋越えたら「え、終わり!?」32年ぶり解消!埼玉の“不思議な道路”なぜいま全線開通? やっぱり不思議な風景
乗りものニュース

みんなのコメント

2件
  • ただただ、圧倒される
  • 良いね~。SDGsなんか無視で。

    駆動方式と推力方式では初速からの加速度が違うんだけど。駆動方式はスタートが一番加速度が大きく、速度が高くなると加速度が落ちていく。推力方式はスタートから250Km/hの離陸まで加速度はほぼ一緒。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村