1000名の応募者の中から“VW愛”にあふれる16組が参加
9月最後の土曜日、都内でフォルクスワーゲン ジャパンが主催する小さなファンイベントが開催されました。
【画像】「えっ!…」VW復権への第一歩! これが盛り上がりを見せた「Volkswagen Fan Meeting」です(30枚以上)
「Volkswagen Fan Meeting」と名づけられた同イベントには、クラシックモデルから最新車種までを愛車とする“VW(フォルクスワーゲン)愛”にあふれる人たちが集結しました。
VWにとって久しぶりのファン参加型公式イベントとなった「Volkswagen Fan Meeting」では、ユニークな試みが実行されました。
まず参加者の募集は、フォルクスワーゲン ジャパンの公式Instagramでおこなわれました。応募の条件は“愛車の写真を投稿する”こと。そのリクエストに応え、自慢の愛車の写真とともに参加を希望したファンの総数は約1000名といいますから、このイベントへの関心の高さがうかがえます。
そこから抽選で選ばれて正体されたのは16組。今回は、VW関係者とオーナーたちとの交流を重視し、あえて小規模のイベントとして開催されました。
実は筆者(大音安弘)も、VW車オーナーのひとり。2004年式の「ボーラ 4モーション」を19年間愛用しています。そこでイベント当日は盛り上げ役(?)として、愛車を会場へと持ち込んだのでした。
当日は、“ビートル”の愛称で親しまれる「タイプ1」などのクラシックカーから、最新の8世代目「ゴルフ」まで、幅広い世代のVW車が日本中から集結。その中には、ファストバックの「タイプ3」や初代「ゴルフ カブリオ」など稀少なモデルも含まれています。オーナーたちの世代もさまざまで、VW車オーナーの層の幅広さを感じさせます。
参加者たちは、東京都江東区にあるCITABRIA BAYPARK GRILL&BARの、隅田川沿いの芝生エリアに集結。到着したオーナーたちは、早速、愛車の撮影や他のオーナーさんとの“VWトーク”を楽しんでいました。
そんなVW愛にあふれる参加者たちを出迎えたのは、2024年8月にVWブランドのディレクターに就任したばかりのイモー・ブッシュマンさん。
イモーさんが18歳で初めて買ったクルマは、2代目の「パサート」だったといます。ご両親は長年、VW車を愛用しており「少し高くてもVW車を買いなさい」と勧められていたといいますから、VWへの信頼の高さがうかがえます。
そんなアドバイスを受けてイモーさんが見つけたのは、4年落ちの走行距離8000kmという低走行車で、8年間所有し、なんと42万kmも走破したといいますから驚きです。
しかもその間、大きなトラブルはなく、品質のよさに感動させられたとのこと。この経験がVWに入社する原点となったほど、イモーさん自身もVW車にほれ込んだユーザーのひとりなのです。
少人数の参加者たちでおこなわれた今回の「Volkswagen Fan Meeting」ですが、小規模ならではのプログラムも実施されました。それが「My Volkswagen Story」。これは、愛車の写真を披露しながら、参加者たちが愛車との思い出を語るというものです。
「ザ・ビートル」に乗りたくて自動車免許を取得した女性、いつか手に入れたいと憧れていた「タイプ1」と運命的に出合った男性、ひと目ぼれした初代「ゴルフ カブリオ」を愛車としたことで人生の伴侶とめぐり会った女性……など、それぞれがVWと出合ったことで、より豊かな人生を歩んでいることを語り合い、それぞれの思いを共有していました。
そんな会場では、「Volkswagen Fan Meeting」の初開催を記念し、VWファンの愛称が決められました。
参加者たちから事前に寄せられたアイデアを元に、厳選された3つの呼称の中から多数決で決定。これからVWファンのことを「VWer(ヴィーワー)」と呼ぶことに決定しました。そのため次回以降の「Volkswagen Fan Meeting」は、「VWer Meeting」と呼ばれることになるでしょう。
●“ピープルズカー”としての魅力を再構築するための第一歩
今回、小規模のオフ会的なイベントが開催された背景には、VWが2023年から取り組んでいるブランドキャンペーン「Love Brand」がベースにあります。
これは、ブランド名をフォルクスワーゲン=国民車とし、「タイプ1」を世に送り出した原点に立ち返り、再び多くの人に寄り添い、愛されるクルマである“ピープルズカー”としての魅力を再構築しようとするもの。そのため、日本のVWファンの声をより細かく聞くことができるよう、今回のイベントはその規模感が重要だったのです。
初の開催となった「Volkswagen Fan Meeting」では、参加者全員が顔を合わせ、ゆったりとVW関係者と語り合うことができました。その身近さと温かみこそが伝統的なVWブランドの魅力であり、社会人になりたての20代の筆者がVWオーナーになった原動力にもなっています。今回のイベントは、VW本来の魅力を蘇らせるための、始めの一歩だったわけです。
かつて定期的に開催されていた「VWフェスト」のように、多くのファンが集うイベントも楽しいものですが、今回のように参加者たちの距離感が近い小規模イベントの魅力を、改めて強く感じた「Volkswagen Fan Meeting」でした。
フォルクスワーゲン ジャパンは今後、全国各地でこうしたファンイベントを実施すべく検討をおこなっているといいます。もしあなたが自慢のVW車を所有しているオーナーならば、ぜひ参加されることをお勧めします。きっとあなたの思いが、“ピープルズカー”ブランドとしてのVWの復権を後押しすることでしょう。
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