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使い古したタイヤでF1フランスGPの最速ラップを目指したハミルトン「最後まで、諦めてはいけないという良い教訓になった」

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使い古したタイヤでF1フランスGPの最速ラップを目指したハミルトン「最後まで、諦めてはいけないという良い教訓になった」

 メルセデスのルイス・ハミルトンは、フランスGPのチェッカーまであと5周という段階で、チームから無線を受けた。その無線は、5番手を走るセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は、最速タイムを狙うために順位を落とさずタイヤを交換できるということを伝える内容のモノだった。

 ハミルトンは当時、すでに29周を走行したハードタイヤを履いていた。にも関わらず、最終ラップでベースアップ。1分32秒764を記録した。

■ハース、フランスGPは“最悪の”週末。チーム代表「諦めたらそこで終わりだ」

 新品のソフトタイヤを装着したベッテルは、バッテリーの問題で妥協を強いられたものの、最終ラップに1分32秒740を記録して、ファステストラップのボーナスポイント1を獲得した。ハミルトンの最速記録とは、わずか0.024秒の差だった。

 ラップタイムが接近したこと、それは彼とチームが常にプッシュしているからだと、ハミルトンは語る。

「決して諦めてはいけないし、決して文句を言ってはいけない、そして”不可能だ”と考えてはいけないんだと思う」

 ハミルトンはそうmotorpsort.comに語った。

「ボーナスポイントを手にできそうだった。当然、チームは僕がマシンの中でどう感じているのかは分からないだろう。でも、タイヤはまだ少し残っているように感じた。そして、もう1周したんだ」

「僕は『ファステストラップを目指すべきだ。行こう!』と思っていた。でもその周回の間中、チームはずっと言っていたんだ。『気にするな。彼は新しいタイヤを履いた。彼を倒すことはできない』ってね」

「そんなに近いとは思わなかった。それを実現するためには、もっとできることがあったと思う。彼は完璧なラップを走ったとは思わないし、完全なデプロイ(回生エネルギー)を持っていたわけじゃない。でも、今回のことは僕らにとっても良い学習だった。ダメで当然だと思ってはいけないし、プッシュし続けなければいけないんだ」

 ハミルトンの説明は、担当エンジニアであるピーター・ボニントンとの無線交信記録によって裏付けられている。

■ハミルトンが最終ラップをスタート

ボニントン:「ベッテルはファステストラップのためにピットインした。だから僕らはそれに挑戦できるとは思わない」

■ハミルトンがバックストレートに差し掛かった頃

ボニントン:「ベッテルは今、ソフトタイヤを履いている。だから31秒台になることが予想される」

ハミルトン:「聞いているよ。でも、彼のラップがうまくいかなければ、多分僕は(ファステストラップを)手にできる」

■レース終了

ボニントン:「勝ったよルイス。素晴らしい、非常に速いドライブだった。素晴らしいレースペースだったよ」

ハミルトン:「驚異的な週末だったよ。みんなを誇りに思う。懸命に働いてくれてありがとう。これを続けて行こう。この調子を維持していこう」

■クールダウンラップ

ハミルトン:「最終ラップ、試してみる価値があった」

ボニントン:「その通りだルイス。実際にとっても近かったよ」

ハミルトン:「どのくらい離れていたんだ?」

ボニントン:「数百分の1秒といったところだ」

ハミルトン:「敗北者の気持ちを持ってはダメだね。いつもチャンスを目指さないと」

ボニントン:「ああ、その通りだ……」

ハミルトン:「正しく計画を整えていれば、僕はもっと速く走れたかもしれない」

ボニントン:「ああ、それは僕らにとっての教訓だね」

 ベッテルは、もっと速く走れると期待していたことを認めた。しかしハミルトンに古いタイヤで近づかれてしまったことに、落胆はないと主張する。

「十分に速くなかった!」

 そうベッテルは語った。

「びっくりしたよ。僕らはできるだけ速く走ろうとした。その前の時点では、大丈夫なように見えた。当時の最速ラップは、わずか1分33秒5だったんだ。でもルイスは、最後に非常に力強いラップを走った」

「彼はそれ以前のレースの大部分をクルージングしていたんだろう。タイヤのデグラデーション(性能劣化)は、ハードタイヤではかなり小さかった。だから彼は最後に、力強いラップを走ることができたんだ。でも……たしかにとても僅差だった」

「僕らはバッテリーに小さな問題を抱えていた。だから100%理想的なラップだったとは言えないかもしれない。最速ラップの比較を簡単に見てみた。そのラップは、全体的に非常に近いモノだったんだ。だから落胆はしていない。スピードの欠如以上のモノではないよ。僕らがこれまでのレースでも見てきたものだ」

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