モータースポーツおよびハイパフォーマンスエンジニアリングを主要事業とするRMLグループは、WEC(世界耐久選手権)に復帰し、ハイパーカー・プロジェクトの運営を担うことに前向きな姿勢を見せた。
レイ・マロックが設立したRMLは、1990年代にボクスホールと日産のワークスチームをイギリス・ツーリングカー選手権の頂点へと導き、2005年に立ち上げられた世界ツーリングカー選手権(WTCC)ではシボレーで4連覇を達成したことで知られる。
■日本復帰オファーを認めたフェネストラズ。WEC/IMSAのワークスからもお誘いが……でも鍵は“F1”?
しかし今年創立40周年を迎えるRMLの原点は、プロトタイプカーの耐久レースにある。1982年にグループCマシンのニムロッドNRA/C2の開発支援を行ない、同年のル・マン24時間ではレイ・マロックが自らステアリングを握って総合7位となった。
1989年にRMLはグループCでアストンマーティンのファクトリーチームを運営し、1990年には北米日産と組んでル・マン24時間レースに参戦した。
2012年にRMLは日産との提携により”ガレージ56”枠でエントリーしたデルタウィング、2013年には同じくZEOD RCのチームオペレーションを担当した。三角形(デルタ)の斬新な車体形状を覚えているファンも多いだろう。だが、これ以降はル・マンへの参戦は行なっていない。
2013年限りでWTCCから撤退して以降、RMLはフルレースチームを持っていないが、最高経営責任者(CEO)のマイケル・マロックJr.はmotorsport.comの質問に対し、耐久レースに復帰する意志は「100%」あると答えた。
「ハイパーカーは素晴らしいコンセプトだ。WECとIMSAの成長は驚くべきもので、これほど多くのメーカーが参加するのは素晴らしいことだ」
「いろいろな意味で、そこに到達できていないのは少し悔しい。でも、チームとしてそこに行きたいと思っている」
RMLは高性能ロードカーや記録更新プロジェクトなどにパーツを供給している他、BTCCにも共通パーツを供給。またバッテリー技術に関する先進的な取り組みにより、ル・マン・ハイパーカーだけでなくF1でも非公開のクライアントと仕事をしている。
同グループはまた、ポルシェ911の992.1ターボSモデルをベースにした、10台限定の特別仕様車P39プロジェクトも発表した。これはハイパーカーにインスパイアされているという。
「我々は、ハイパーカーにも知られざる形で参入している。我々のバッテリー・テクノロジーは、OEMと協力して、彼らの次の3世代を支えている」
「我々のバッテリーのノウハウと能力を活用しているもうひとつの分野は、あるビッグなシングルシーター選手権(F1)だ」
RMLは、ロータス・エミーラGT4マシンの生産を通じて、すでに耐久レースで活躍しており、GT3への道を探ることにも熱心だ。
「耐久レースはマロックとRMLの中核をなすものだ」と、マロックJr.は語った。
「我々は多くの長期的なスタッフを擁しており、今年は3人が勤続20年を迎えた」
「ビジネスが大きく発展したとはいえ、モータースポーツへの愛とフォーカスはビジネス全体に息づいている」
「適切なモータースポーツの機会が訪れれば、社内からサポートを得るのに苦労することはないだろう」
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