1週間にわたって、テネシー州ロレッタリン・ランチで開催されるロレッタリンMXもすでに3日目。レースウィークも折り返しといったところだ。2日目に、華麗な勝利を得た下田は、勢いそのままにOpen Pro Sportのヒート2へ臨んだ。
1周目15番手。どうにもスタートが決まらない
このヒート、またも下田はスタートをミステイク。15番手からの立ち上がりで、オープニングラップで10番手まで追い上げた。ここまでのヒートで、下田のライバルと言うべきジェット・ローレンスはきっかり前を引く体勢へ。250MX Proヒート2と、似た展開となる。下田は、やはり立ち上がりのペースを上げられず、なかなか前走車を刺せない序盤を強いられた。
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3周目に最速ラップをたたき出して、逃げ切り必勝のジェットに対して、下田の分は悪い。中盤6番手まで上がる時には、ジェットとの差は13秒ほどまで拡大してしまっている。後半からは下田得意のスパートが決まって2番手集団をあっさりパス。
20分+2周のフォーマットだが、おそらくラスト2周が表示されるのが早かった。ジェットのタイムで、ファイナルラップのチェッカーが20分30秒あたりで振られているから、2周は短いのではないだろうか。追い上げ型の走り方を余儀なくされている下田には、この短縮がきつい。残念ながら、ジェットに残り10秒までおいついたところでフィニッシュとなってしまった。
近年、実力が拮抗し始めてからというものの、さらにスタートの成否がレースで重要視されつつある。下田の2日目に見せた強さはホンモノだったが、15番手でのたちあがりを許されるほど、ジェット・ローレンスは甘くはない。プロに転向すると、30分+2周を戦うことになるから追い上げ型の下田には有利だが…そもそもプロのオープニングラップからつながる2~3周目のスパートは、とてつもないスピードだ。
下田も、序盤のスピードが課題であることは重々承知だ。トレーナーのヤニングによれば、最初の3周でジェットに6秒4おいて行かれていると、分析されている。後半は、素晴らしい。序盤は、ダメだとヤニングははっきり下田に見える形で伝える。混戦が苦手なのではない。下田のパッシング能力が非常に高いことは、後半の2番手争いが証明している。序盤でラインを見極められないこと、あるいはスタートの成功確率が、現状の課題なのだ。
ポイント上、ジェットが圧倒的優位。このオープンプロをどうしても1位でフィニッシュしたかった。強大な敵ジェットは着実に1位を重ねていて、下田はこのオープンプロで2位になってしまったことから、自力優勝は難しくなってしまった。
“なっちゃん”楠本菜月も、劇的追い上げのヒート2
二人目の日本人ロレッタリンチャレンジャー、楠本菜月のガールズクラスヒート2。素晴らしいスタートダッシュが決まったと思いきや、1コーナーでクラッシュ。焦りを生んだか、その先のリズムセクション前でも転倒したバイクにつっこんでしまい、最後尾からの追い上げを強いられる。
しかし、ここからがなっちゃんの見せ場。ごぼう抜きのレースで、グイグイ順位を上げて8番手まで追い上げた。その姿は、まさにアメリカンガールのトップライダー。
実はラスト1周でまた転倒してしまい、結果9位。ただ、この内容ならばファイナルヒートで1位もありえなくはない!
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