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今が狙い目の中古車はコレ 2022年早春の相場情報(軽ハイトワゴン編/萩原文博レポート)

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今が狙い目の中古車はコレ 2022年早春の相場情報(軽ハイトワゴン編/萩原文博レポート)

人気車種のモデルチェンジや季節的な要因などによって中古車の相場は日々動いています。そんな中古車市場で今狙い目のお得なモデルはどれなのか。中古車相場にも詳しい自動車評論家の萩原文博さんに聞いてみました。2022年早春の中古車情報として取り上げるのは「軽ハイトワゴン編」。スライドドアのスーパーハイトワゴンに押され気味ではあるものの、スズキワゴンR、ダイハツムーヴ、ホンダN-WGN、日産デイズと各社の人気車種が揃います。中古車としてはどの車種が狙い目なのでしょうか。

スーパーハイトワゴンに主役の座は明け渡したものの根強い人気を誇るハイトワゴン

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1993年に登場した初代ワゴンRがハイトワゴンの元祖

セダンタイプと呼ばれるスズキアルトやダイハツミラが主力車種だった軽自動車に、革命を起こしたのが、1993年に登場したスズキワゴンRです。軽自動車は税金面などで優遇される一方で、ボディサイズやエンジンの排気量などに制約があります。しかし、ワゴンRは制約のあるボディサイズの全高を高くするトールボーイスタイルというデザインを採用することで、軽自動車=室内空間は狭いというこれまでの常識を覆しました。

室内空間を拡大したハイトワゴンのワゴンRは大ヒットし、軽自動車の勢力図を塗り替えて、一躍主力モデルへと登り詰めます。ワゴンRのヒットを受けて、ダイハツムーヴ、ホンダライフ、スバルプレオと各メーカーから主力モデルとしてハイトワゴンが登場しました。

現在は、さらに広い室内空間とリアに両側スライドドアを採用したスーパーハイトワゴンが人気となっていますが、個人用だけでなく、ビジネス用としてもハイトワゴンは根強い人気を誇っています。ここでは、4月の新生活に向けて心強いパートナーとなる軽ハイトワゴンの中古車を紹介しましょう。

ハイトワゴンのパイオニアは3つの顔とマイルドハイブリッドが武器「スズキワゴンR(現行型)」

まずは、軽自動車のカタチを変えたスズキワゴンRからです。6代目となる現行型ワゴンRは2017年2月に登場しました。これまでは標準車とスティングレーの2モデル体系でした。しかし、現行型ワゴンRでは標準車でもグレードによってFX、FZで異なる外観デザインを採用することで、3種類のフロントマスクを用意。

軽量化と高剛性を両立させた新プラットフォーム「ハーテクト」の採用に加えて、自然吸気エンジン、ターボエンジンともに発進時にモーターのみで走行可能なマイルドハイブリッドシステムを採用することで、軽ハイトワゴントップクラスの燃費性能を実現しました。

運転支援システムでは、単眼カメラと赤外線レーザーレーダーで前方の歩行者や車を検知して衝突の被害を軽減するシステム「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」や周囲の状況に合わせて自動でハイビームとロービームを切り替えるハイビームアシスト機能を搭載するなど最新鋭の支援システムを採用。

さらに、運転席前方のダッシュボードに車速やデュアルセンサーブレーキサポートの警告などを表示する「ヘッドアップディスプレイ」を軽自動車で初めて採用するなど充実した安全装備となっています。

ワゴンRは2019年の一部改良では新エンジン採用と安全性が向上

2019年12月に一部改良を行い、インテリアカラーの変更をはじめ、自然吸気エンジンをデュアルインジェクションシステムやクールドEGRなどの新技術を搭載し、熱効率を向上させた新開発R06D型エンジンに変更。さらに、軽量化と高効率化により、優れた燃費性能と軽快な走りを両立させた新開発CVTを採用しました。安全装備では、一部グレードを除いて、後退時の衝突被害軽減ブレーキ「後退時ブレーキサポート」をはじめ、後方誤発進抑制機能、リアパーキングセンサーを搭載するなど安全性を向上させています。

豊富な流通台数、マイルドハイブリッドのタマ数も多いワゴンR

現行型ワゴンRの中古車は約3,818台と歴代モデルで最も多くなっています。平均価格は約104.3万円で、中古車の価格帯は約44万~約195万円です。予算100万円以下にしぼっても約1,684台ヒットします。2021年~2022年式で、走行距離500km以下という条件で検索すると、約362台流通していて、こういった未使用中古車の価格帯は約90万~約172万円と新車よりも割安な価格となっています。グレードは標準車ではハイブリッドFX、スティングレーではハイブリッドの中古車が多く流通しています。

基本性能が大幅に向上したワゴンRの好敵手「ダイハツムーヴ(現行型)」

ダイハツムーヴはワゴンRのライバルとしていち早く登場したモデルです。6代目である現行型ムーヴは2014年12月に登場。軽自動車の本質である低燃費・低価格。そして軽自動車に求められる基本性能や先進装備を進化させ、全方位で総合力を高めたオールラウンダーとして開発されました。

現行型ムーヴは、スタンダードモデルのムーヴとエアロパーツを装着したムーヴカスタムの2つのモデルを用意。現行型ムーヴはドライバーがまるで運転がうまくなったように感じられるように、クルマ全体の基本性能を向上させています。

そのために採用された技術が、軽量高剛性ボディ骨格構造の「Dモノコック」。ボディの骨格に採用するサイドアウターパネルを全面厚板ハイテン化することで、構造断点をなくしボディの骨格全体で力を受け止める構造を採用しました。さらに新設計のボディ骨格に加えて、ムーヴに最適な改良を施した足回り「Dサスペンション」を採用。

リアサスペンションの剛性アップ、スプリング、ステアリング取付部など細部まで改良を加えたことにより、操縦安定性と乗り心地を向上。カーブを曲がる際のクルマの傾きなどを抑制することで、乗員のふらつきや揺すられ感を低減しています。さらに、ステアリングに装着されたスイッチによって走行モードの切り替えが可能となった「Dアシスト」を搭載。パワーモードを選択すると、エンジンとトランスミッションのCVTの制御プログラムが切り替わり、アクセル操作に対するレスポンスが向上。ストレスなくスムーズな加速力を発揮します。

2017年のマイナーチェンジで安全装備をアップデートしたムーヴ

安全装備は2014年にデビューした当初はスマートアシストでしたが、2015年4月の一部改良で新機能を追加したスマートアシストIIに進化。さらに2017年8月に行われたマイナーチェンジで、スマートアシストIIIへと進化しました。スマートアシストIIIはフロントガラスに設置されたステレオカメラによって車両前方を監視。走行中に前方の車両だけでなく歩行者も認識し、衝突の危険がある場合は緊急ブレーキで減速することで、衝突回避や衝突時の被害軽減に寄与しています。

さらに、前方、後方の誤発進抑制制御機能や約60km/h以上で走行中にステレオカメラが車線を検知している場合に、クルマが車線を逸脱しそうになったときにドライバーに警報し、逸脱回避操作を促す車線逸脱警報機能を装備するなど高い安全性能を実現しています。

割安感のあるムーヴ、未使用車も豊富

現行型ムーヴの中古車は約2,700台流通していて、平均価格は約99.2万円。中古車の価格帯は約19万~約191万円で、100万円以下にしぼっても約1,450台がヒットします。今回紹介する4モデルの中では、最も古いモデルなので中古車相場は割安となっています。

それでも、2021年~2022年式、走行距離500km以下の未使用中古車は約280台流通していて、約80万~約191万円と100万円以下でほぼ新車と言えるクルマを手に入れることができます。グレードでは標準車はL SAIII、カスタムではXリミテッドSAIIIが多くなっています。

N-BOX譲りの走りとラゲッジルームの使い勝手が自慢「ホンダN-WGN(現行型)」

2代目となる現行型N-WGNは2019年7月に登場しました。モデル体系は従来どおり、標準車のN-WGNとN-WGNカスタムの2種類となっています。N-WGNはN-BOXと共通のホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用。燃料タンクをフロントシート下に収めることで、広い室内空間と使い勝手の良い荷室を可能しています。さらに、運転席には、テレスコピック&チルトステアリング機構を採用し、さまざまな体格のドライバーが最適な運転姿勢を確保できるようになっています。

N-WGNの外観は、フロントからドア、リアゲートまでハリのある滑らかな面で構成。すっきりと見えながら室内の広さを感じさせる箱型のボディは、円形状のヘッドライトと相まって、親しみやすさと安心感を表現。一方のN-WGNカスタムは大胆に強調した前後バンパーにより、力強いたたずまいと、細部まで精巧に形作ったヘッドライトやグリルにより、大人の感性に響く質感を表現しています。

N-WGNのセールスポイントはラゲッジスペースです。荷室開口部を下げたことで重い荷物や高さのある荷物を載せやすく、備え付けのボードを使えば上下2段に積み分けることもでき、シーンに合わせた荷室アレンジが可能です。

全車速対応ACCなど設計の新しさが光るN-WGN

安全装備では、先進の安全運転支援システムHonda SENSING8つの機能に加え、後方誤発進抑制機能やオートハイビームを装備しています。また、衝突軽減ブレーキ(CMBS)は、軽乗用車初となる横断自転車に対応。また、街灯のない夜間の歩行者検知も進化させ、事故回避を支援。渋滞追従機能付きACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)は、前走車がいない場合はドライバーが設定した車速を維持し、前走車がいる場合は加減速をして適切な車間距離を保つよう支援。前走車が停止した場合はそれに合わせて停止し、高速道路における渋滞時などの運転負荷軽減を図ります。このあたりは登場年次が最も新しいN-WGNの魅力でしょう。

相場はまだ高めなN-WGN、未使用車は多め

現行型N-WGNの中古車は約1,500台流通していて、平均価格は約138.8万円。中古車相場は約72万~約206万円となっています。100万円以下にしぼるとまだ約32台しかありません。2021年~2022年式、走行距離500km以下の未使用中古車は、約350台流通していて、価格帯は約90万~約180万円。諸費用込みの乗り出し価格約120万円で運転支援システムのHonda SENSINGが装着されたクルマに乗ることが可能です。

グレードでは、標準車はLホンダセンシング。カスタムでもLホンダセンシングが多く、自然吸気エンジン車が主力となっています。

新世代の軽自動車としてトップクラスの安全性能を誇る「日産デイズ(現行型)」

2019年3月にハイトワゴンの日産デイズはフルモデルチェンジを行い2代目へと進化しました。現行モデルは日産が企画、開発。まさにゼロから作り直し、新年号である“令和”にふさわしい新世代の軽自動車に仕上がっています。

現行型デイズはロングドライブも気兼ねなくできるように、クルマの骨格にあたるプラットフォーム、そしてエンジンやトランスミッションといったパワートレインを一新しました。新開発のプラットフォームは2,495mmというロングホイールベースにより、広いキャビンスペース&ラゲージスペースを両立。リアシートのひざのスペースは710mmという長さを確保。ラゲージスペースはリアシートを一番後ろまで下げた状態でも385mmの荷室長を確保し、実用性の高さを誇っています。

現行型デイズは従来モデルと同様にスタンダード系のデイズとハイウェイスターの2モデルを設定。デイズは軽自動車のメインユーザーとなる価格重視層がターゲット。一方のハイウェイスターは、登録車から乗り換えるダウンサイザーをメインターゲットとしています。このターゲット層の違いは装備面にも明確に表れています。

日産ご自慢のプロパイロットやSOSコールの設定もあるデイズ

ハイウェイスターにはセレナやリーフ、エクストレイルに搭載され高く評価されている、高速道路などでのドライバーの負担を軽減する「プロパイロット」を設定。ハイウェイスターはファーストカーとして、高速道路でのロングドライブをこなしてくれます。このプロパイロットは追従走行はもちろん、渋滞中は、前方車との車間距離を調整し、停止中も停止状態を保持します。また、車線内を走行するようにステアリングを制御し、運転操作の負担を軽減してくれます。

現行型デイズは安全性能も軽自動車トップレベル。先ほど紹介した運転支援システムのプロパイロットをはじめ、衝突回避および被害軽減を行うインテリジェントブレーキ、走行車線の逸脱を警報で注意喚起そして車線内にとどめようとするインテリジェントLI&LDW、そしてアクセルとブレーキの踏み間違いによる前方・後方への急発進を抑制する踏み間違い衝突防止アシストなどを装備し全車「セーフティ・サポートカーSワイド」に該当しています。

さらに、デイズには軽自動車初の「SOSコール」を搭載。このシステムは交通事故や急病などの緊急時や事故の危険があるときに、専門のオペレーターへのデータ通信と音声通話を行うことができる機能を搭載しています。

新しいモデルとしては割安感が高いデイズ

現行型デイズの中古車は約1,700台流通していて、平均価格は約126.5万円。中古車の価格帯は約56万~約195万円となっています。予算100万円以内にしぼっても約290台ヒットし、2019年発売というフレッシュなモデルにしては割安感が高いです。

2021年~2022年式、走行距離500km以下の未使用中古車は、約340台流通していて、価格帯は約90万~約175万円となっています。流通している中古車のグレードでは、標準車ではX、ハイウェイスターではXプロパイロットエディションが最多グレードとなっています。

走りの良さ、安全装備の充実でN-WGNがおすすめ

ワゴンR、ムーヴ、N-WGN、デイズの4モデルの中でおすすめはN-WGNです。N-WGNとデイズの走行性能の高さや利便性で悩むところですが、デイズはプロパイロットがハイウェイスターにしか採用されていないのに対して、N-WGNは全車にHonda SENSINGが標準装備されています。また、ラゲッジボードを採用した2段式のラゲッジスペースの使い勝手も抜群だからです。N-WGNの未使用中古車を150万円以内で手に入れれば、購入後の満足度は相当高いものになるでしょう。

※記事の内容は2022年2月時点の情報で制作しています。

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