現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ライバルなき孤高のミドシップ トヨタMR2(SW20) 車格、質感ともに高まった2代目

ここから本文です

ライバルなき孤高のミドシップ トヨタMR2(SW20) 車格、質感ともに高まった2代目

掲載 更新
ライバルなき孤高のミドシップ トヨタMR2(SW20) 車格、質感ともに高まった2代目

ミドシップは一流の証

text:Takuo Yoshida(吉田拓生)
photo:Satoshi Kamimura(神村 聖)その巨大さゆえ保守的なアプローチが多いと思われているトヨタだが、80年代から90年代は景気に後押しされ、いくつかの意欲的なスポーツモデルを送り出している。

【画像】取材したトヨタMR-2のディテール 全46枚

ハイソカーとして一世を風靡したソアラやガルウイングドアのセラ、そして1984年から1989年、1989年から1999年という2世代に渡って作られたMR2等々である。

AW11こと初代MR2のデビューが話題を集めた理由は、国産の量産スポーツカーとして初めてミドシップ・レイアウトを採用していたからだった。

重量物を車体の中央に集め慣性モーメントを減らすミドシップは、レーシングカーの世界では瞬く間に普及したが、市販車への採用は積極的には行われなかった。

とはいえスーパーカー・ブームを経験したクルマ好きにとってミドシップの人気は絶大だった。

何しろそれは、ランボルギーニ・カウンタックやフェラーリBB、ランチア・ストラトスといった一流のスーパーカーが採用していたレイアウトだったからである。

FF車用の横置きパワートレインをドライバーの背後に移植した2シーターのミドシップ車はヨーロッパの比較的小規模なメーカーによって度々リリースされてきた。

中でも初代MR2に直接的なヒントを与えた1台はフィアットのX1/9であると言われている。

丸みを帯び、大人になった2代目

1989年10月にデビューしたSW20こと2代目トヨタMR2の特徴は、初代に比べ車格がアップしていた点だった。

初代MR2は1.5-1.6Lの4気筒エンジンをはじめとするコンポーネンツをカローラ系から流用していたが、2代目MR2はトヨタ・コロナやトヨタ・セリカをベースとし、2Lエンジンを装備していた。

またハイパワー版のエンジンがスーパーチャージャーによる過給だった初代に対し、2代目がターボを採用していた点も目新しさと言えた。

2代目のスタイリングは直線的だった初代から一転して丸みを帯び、若干落ち着いた印象を与えるとともに、ひと回りほどのサイズアップも果たしていたのである。

2代目MR2はトヨタのライフサイクルとしては長めといえる10年もの間生産されており、その中で4回のマイナーチェンジが行われている。ファンはそれをI型からV型という5つに分類して呼んでいる。

ボディは標準のクローズドルーフの他に、Tバールーフも用意されており、ルーフ部分に固定された2枚のガラスパネルを外し、それをシートの背後、バルクヘッドの間に収納することでオープンエアドライブを堪能することができたのである。

ライバルなき孤高の立ち位置

ネオヒストリックカーの括りの中で、MR2の後に続いた国産ミドシップ・スポーツカーは決して多くはなかった。

その顔触れはホンダ・ビートやNSX、そしてマツダAZ1といった軽規格かスーパースポーツかという極端なものだった。

直接的なライバルと呼べる2Lクラスのモデルが他にないことも手伝って、初代と2代目のMR2には今なお熱心なファンが多いのである。

一方、MR2以降のトヨタの歴史を見ると、特に商業的な面においてミドシップは大成しなかったように思える。

MR2の後継であるMR-S(海外ではMR2を名乗った)は、2007年にリーマンショックと同じタイミングで生産を終了。5年のブランクを経てトヨタ86がデビューし、現在はGRスープラとともにトヨタのスポーツイメージを牽引している。

MR2という車名は「ミドシップ・ランナバウト」の頭文字である。ラナバウト=安価でシンプルな小型車という本来の意味から辿れば、MR2はもう少し気軽なスポーツカーとして計画されたのかもしれない。

だがミドシップという究極のレイアウトに寄せられた期待とドライビングの難しさが、このクルマの立ち位置を困難なものにしてしまったのではないだろうか(?)。

後編では実際のドライブフィールを通し2代目MR2の実像に迫る。

こんな記事も読まれています

一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
motorsport.com 日本版
日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
くるまのニュース
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
レスポンス
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
バイクのニュース
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
くるまのニュース
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
レスポンス
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
motorsport.com 日本版
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
くるまのニュース
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
バイクのニュース
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
ベストカーWeb
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
WEB CARTOP
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
日刊自動車新聞
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
AutoBild Japan
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
くるまのニュース
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
VAGUE
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
motorsport.com 日本版
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
くるまのニュース
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

182.0277.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

70.0640.5万円

中古車を検索
MR2の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

182.0277.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

70.0640.5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村