日本の経済を大きく支えている自動車産業。そんな我らの誇りでもある日本車は2023年も魅力あるクルマを登場させた。今回はそのなかで、注目のスポーツモデル&セダンを紹介する。(Motor Magazine2024年1月号より/文・岡本幸一郎)
進化がめざましい日産のスポーツモデル
一時期は絶滅に近い状態にあった日本のスポーツモデルが近年やけに活気づいて見えるのはファンには嬉しい限り。なかでも日産の2トップは相変わらず話題性が高く、絶大な存在感を発揮している。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
日産 GT-R(2024年モデル) 2023年3月20日発表
登場17年目を迎え生産終了の噂もあったGT-Rだが、懸案だった騒音規制をクリアし、外観や走りにもテコ入れするなどの大幅改良を受けた2024年モデルが発売された。高性能版のNISMOは価格が上昇し、特別モデルは3000万円に迫るほどとなった。
24年モデルは空力性能を向上させたフロントバンパーの採用、新構造マフラーの新開発など走りへの徹底ぶりが特徴。特にNISMOはフロントにメカニカルLSDを新たに追加して、史上最高の実力を発揮する。
熟成のフェアレディZ、革新のクラウンセダン
日産 フェアレディZ(2024年モデル) 2023年8月1日発表
同じく納期の長期化が言われ続けているフェアレディZも、一部仕様を向上した2024年モデルとNISMOの追加が発表された。NISMOは、ベースモデルからさらにパワフルな出力とトルクが与えられるとともに、トランスミッションやブレーキも専用チューンが施されたNISMOは、スポーツモデルとしての魅力に富んでいるなお、
NISMOは当面の間、フェアレディZを注文して長期間待っている顧客でNISMOへの振替を希望する人のみへの販売となり、希望者が多数の場合は抽選となる。
トヨタ クラウンセダン 2023年11月2日発表
クラウンシリーズではセダンの全容がようやく明らかになった。内外装はフォーマルな雰囲気を漂わせており、これぞクラウンと感じさせる出来栄えだ。
ボディサイズはシリーズ中もっとも大柄で全長は5mを超え、ホイールベースは3mに達する。機構的にはMIRAIとの共通性が高く、シリーズで唯一の後輪駆動となり、パワーユニットは水素燃料電池車と2.5Lマルチステージハイブリッドシステムがラインナップされる。
また「ニューフォーマル」という新たな価値観に挑戦し、快適な乗り心地と上質な走りでショーファーニーズを満たす後席空間を実現した。
各社スポーツモデルの進化と熟成を目指した2023年
レクサス LC 2023年6月8日発表
レクサスLCは一部改良を実施。走りの進化と装備類のアップデートが図られ、新世代のインフォテインメントの採用やメカニカル制御の最適化、床下ブレース補強などの高剛性化により走行性能を大幅に強化された。同時に、特別仕様車の“EDGE”が60台限定で抽選販売されたのもトピックだ。
スバル BRZ/トヨタ GR86 2023年9月22日発表
トヨタのGR86、スバル BRZには一部改良が実施された。MT車へのアイサイトを標準設定、VSC制御最適化、ブレンボ製ブレーキの設定等は共通で、さらにGR86にはザックス製、BRZには日立アステモ製のSFRDと呼ぶ独自構造のダンパーがそれぞれ設定され、両車の差別化がさらに進んだことになる。
さらにGR86には往年のAE86のパンダカラーを模した特別仕様車が、BRZにはスバルが他モデルにも展開する「STIスポーツ」という、それぞれに相応しい特別なモデルが設定された。
スバル WRX S4 2023年9月14日発表
AWDやボクサーエンジンをはじめとしたスバルの伝統と技術が融合した本格スポーツセダンであるWRX S4は、ADASなどを先進のものにアップデートしたほか、大型リアスポイラーを設定してスポーツセダンとしての存在感を示した。期待されるMT車追加の情報はまだない。
トヨタ GRカローラ 2023年8月23日発表
かたやGRカローラは、シャシの一部に締結剛性向上ボルトを採用し、操舵応答性と直進安定性を向上させてクルマとの一体感を高めたり、空力の最適化を図るなど、早くもモータースポーツの知見を活かした細かな改良を実施した。
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みんなのコメント
業界全体が衰退してしまったイメージですね。
他社からのパクリや供給に頼って
あとは着せ替え人形を量産。
トヨタレクサスに関しては完全に退屈なイメージが
定着してしまった。
購入層の多い年配者がそこに気づけていないのが
なんとも残念というか、衰退に拍車をかけている自覚がないのが残念。