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なぜこんなに変わった? ワンダー/グランド/スポーツシビック…僕らのシビック今いくら?

掲載 更新 24
なぜこんなに変わった? ワンダー/グランド/スポーツシビック…僕らのシビック今いくら?

 2021年6月24日にワールドプレミアされ、8月に正式発表・発売予定の新型ホンダシビック。そして2022年にはシビックタイプRの発売予定であることがアナウンスされた。

 日本市場にはハッチバックしか導入されないが、ハッチバックに先駆けて、シビックセダンが導入された北米市場では、2021年6月の販売台数が3万2677台と順調なスタートを切っている。

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 1.5L、直4ターボエンジンに加えて、e:HEV(イーエイチイーブイ)と呼ばれる1.5Lエンジンと駆動・発電を行う2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムの2つのパワートレインを搭載予定の新型シビック。先代同様にクーペのような流れるプロポーションを採用した外観デザインが特徴だ。

 アラフィフの筆者にとってシビックというと、空力性能と居住スペースを両立するためにルーフラインをできるだけ伸ばし、テールエンドで思い切ってカットする“コーダトロンカデザイン”を思い浮かべる。したがって新型のファストバックスタイルを見ると、1992年~1996年に発売されたアスコットイノーバを思い出してしまうのだ。

 やっぱり筆者をはじめとするアラフィフ世代はワンダー、グランド、スポーツシビックでしょ。ということで、現在これら3世代のシビックを懐かしみ、中古車市場ではいくらで販売されているか、徹底解説していきたい。

文/萩原文博
写真/ホンダ

【画像ギャラリー】ワンダーからスポーツシビックまで! ホンダコレクションホール秘蔵の歴代シビックを見る

■3代目ワンダーシビック 1983年9月~1987年8月

2021年6月24日にワールドプレミアされた新型ホンダシビック。正式発表および発売は2021年8月を予定している

ワンダーシビックこと3代目シビック(1983年9月~1987年8月)。ホンダがF1に復帰した1983年、黄金期ともいえる時代に登場した

ラインナップは3ドアハッチバック、4ドアセダン、5ドアシャトル

フルラップラウンド・インストルメントパネルと呼ばれる円形のインパネが特徴。居住空間の最大化とメカの最小化を意味するホンダのM・M思想が体現されている

3代目シビックの中古車情報はこちら!

 まずは、筆者にとって最初の愛車となった3代目のワンダーシビックからだ。思わずCMのBGMに流れていたルイ・アームストロングが歌う「What a wonderful world」の「I See trees of green,red roses too」と口ずさんでしまう人も多いのではないだろうか。

 ワンダーシビックと呼ばれる3代目シビックは、1983年9月~1987年8月まで販売された。3ドアハッチバック、4ドアセダン、5ドアのシャトルの3モデルを設定していたが、各モデルに専用のプラットフォームを採用していた。

 これは人間のためのスペースは最大限に。メカニズム・スペースは最小限にするという、ホンダ独自のM(マン・マキシマム)・M(メカ・ミニマム)思想によるもの。

 なかでも3ドアハッチバックはす売れた空力性能とユーティリティスペースを両立した、新時代のFFハッチバックフォルムを採用している。これが当時新発想だったコーダトロンカデザイン。居住スペースをフロントからリアへ許される限り伸ばしていく。

 そしてテールエンドで思いきってこれをカットし、居住スペースと空気抗力係数CD値は0.35という高い空力性能を両立。しかも前進滑らかなフラッシュサーフェスボディで包み、まさに弾丸を彷彿させるスタイリングとなっている。

 フロント、リアのガラスには風切り音を抑える接着タイプを採用。ボディ面とガラス面の段差はわずか3mmというフラッシュマウント接着ウィンドウを採用。

 また、軽量で耐衝撃性に優れた新素材のH.P.BLENDを採用した大型バンパーが、ボディ下部に潜り込む気流を少なくすることで、揚力を抑えて、空力性能を向上させている。

 そして、リアゲートには高質の大型曲面ガラスを採用したクリスタルゲートを採用。リアコンビネーションランプの上から大きく開き、美しさと実用性の高さを両立している。

 インテリアは、フロントからサイド、リアに至るまで、大きくまわりこんだ広がりのあるデザインを採用。これにより室内全体に調和のとれた、しかも自然な一体感を与えるフルラップラウンドのインストルメントパネルを生み出した。さらに、足もとに大きなスペースを確保するため、インパネ下のラインをすっきりとまとめたフラットロアデザインを採用している。

 搭載するエンジンは、最高出力80psを発生する1.3L直列4気筒SOHCをはじめ、最高出力90psのキャブレター仕様の1.5L直列4気筒SOHC。そしてPGM-FIと呼ばれるインジェクション仕様の1.5L直列4気筒SOHCは最高出力100psを発生した。

1984年10月に追加されたシビックSi

 そして、1984年10月に最高出力130psを発生するZC型1.6L直列4気筒DOHCエンジンを搭載したホットハッチのSiを追加した。エンジンオイルの温度上昇を抑え、ハードな走行でのエンジンの信頼性をいっそう向上させる水冷多板式オイルクーラーをはじめ、フロントブレーキは、高速走行時や連続したブレーキング時などに、放熱効果や耐フェード性にすぐれたベンチレーテッドディスクブレーキとセミメタルブレーキパッドを採用。

 さらに、ハードな走りでも、すぐれたホールド性が得られる、サイドサポートアジャスター付ドライバーズシートを装備するなどホットハッチに相応しい装備と性能を誇った。

 1985年9月にマイナーチェンジを行いフロントバンパーの大型化やリアガーニッシュをテールライトと同色にするなどの変更が行われている。

 現在、3代目ワンダーシビックの中古車はなんと3台しか流通していない。そのうち2台がSiとなっている。価格帯は約198万~約358万円となっている。なんとも寂しいかぎりだ。中古車のボディカラーは2台とも白で、当時阪神高速の環状線を疾走していた友人の愛車を思い出す。

■4代目グランドシビック 1987年9月~1991年8月

4代目シビック(1987年9月~1991年8月)。グレードによって1.3L、1.5L、1.6Lのエンジンが用意された

新開発した4輪ダブルウイッシュボーン式サスペンションを全車に装備。コンパクトかつ高性能なハイパー16バルブエンジンを採用し走りの質を高めた

広い視野を確保する円形のインパネは先代譲り。メーター類は視認性を重視した最適な配置にレイアウトされた

4代目シビックの中古車情報はこちら!

 続いては、1987年9月~1991年8月まで販売された4代目のグランドシビックだ。グランドシビックの開発コンセプトは、独自の発想と技術力を駆使して、今までにない高いレベルで人の感性に心地よくフィットする技術視点を注入。データや性能ではない、人間の感性を軸にした“性能としての爽快感”を目指した、人間と技術の融合である「ヒューマン・フィッティング・テクノロジー」だ。

 このグランドシビックのコンセプトを改めて見てみると、使っている言葉こそ異なるが、現行型フィットの開発コンセプトに非常に似ていると感じた。グランドシビックが目指す「本当に気持ちのいい走りと乗り心地」を実現するために採用したのが、4輪ダブルウィッシュボーンサスペンション。

 先代のワンダーシビックでは、フロントがトーションバー・ストラット式。リアはトレーリングリンク式だったが、グランドシビックではF-1でも採用されているダブルウィッシュボーンを採用。これにより、サスペンションの重要要素であるアライメント・コントロール・ファクターをそれぞれ独立して最適に設定できること。

 そして、ダンパー/スプリング・ユニットを車輪の支持に使わずにすむため、フリクションがほとんどなく、ショックの吸収という本来の目的にのみ使えることなどのメリットがあるだけでなく、エンジンの性能を最大限に引きだしながら、俊敏で滑らかなハンドリングと安定感ある走り、そして引きしまったフラットな乗り心地を実現したのだ。

 ボディも主要部材及び各部ピラーなど構成部の高強度化を図るとともに、一体化したモノコック(フレームボディ)構造とすることで、軽量化をはかりながらも剛性を向上させているのが特徴だ。友人が所有するグランドシビックを運転した時の、乗り心地の良さとスムーズなハンドリングそして高い静粛性が非常にうらやましかった。

 搭載するエンジンは最高出力91psを発生する1.5L直列4気筒DOHCのシングルキャブ仕様。そして最高出力105ps(AT車は100ps)を発生する1.5L直列4気筒DOHCのダブルキャブ仕様。そして、最上級グレードのSiには最高出力130psを発生する1.6L直列4気筒DOHCエンジンを搭載していた。

 外観デザインは、タイヤを4隅に配置し、安定感あふれるロー&ワイドボディ。さらに爽快感をもたらすグラッシーな気配キャビン(超広角視界=スーパー・ビジビリティ)や、心地よい乗り心地をもたらすために、“人にやさしく、爽快なパッケージング”を実現。その結果、空力性能にも優れたしなやかでふくよかな曲面構成を基調とする「フラッシュ&ブレンディ」と名づけるフォルムを創出した。

 インテリアは超広角視界をはじめ、ゆるやかな曲面でつつみ込むフルソフトラップラウンド・インテリアにより、圧迫感の少ない室内空間を実現している。

 そして、1989年9月には、リッター当たり100馬力を実現した1.6L直列4気筒DOHC VTECエンジンを搭載したSiRとSiR IIを設定。同時にフロント回りのバンパー、ボンネット、ヘッドライト、 フロントコンビランプを、リア回りは、バンパー、リアコンビ&リアパネルの形状を一新、より洗練されたスタイルしている。

 現在、グランドシビックの中古車は9台流通していて、平均価格は約226.8万円。価格帯は約95万~約379万円となっている。そのうち1.6L、VTECを搭載したモデルは3台で、価格は約280万円~約379万円と新車時価格を大きく上回っている。

■5代目スポーツシビック 1991年9月~1995年8月

スポーツシビックこと5代目シビック(1991年9月~1995年8月)。写真は最高出力170psを発生するSiR-II。リッター100ps超えの1.6L VTECエンジンを積んだ最上級グレード

空気抵抗を徹底的に追求しつつ、荷室容量を犠牲にしないルーフ形状

今では当然のように装備される運転席用SRSエアバッグやABS(4輪アンチロックブレーキシステム)、TCS(トラクションコントロールシステム)といった安全装備はこの頃から普及が始まった

5代目シビックの中古車情報はこちら!

 最後は1991年9月~1995年8月まで販売された5代目のスポーツシビックだ。その名前のとおり、5代目シビックは、“走ることの楽しさと時代への対応”を主眼として開発をスタートしている。

 そして、未来への数多くの提案をもったクルマ、ニューベンチマーク・カーの具体化を背景に「低燃費と走りの両立」「乗り心地とハンドリングの気持ち良さの両立」「空力ボディと快適な居住空間の両立」をコンセプトに定めて実現させたのが、スポーツシビックなのだ。

 シビックの3ドアのデザインコンセプトは「ワンルーム&ツインゲート」。これはシビックを所有する若者たちはほとんど前席しか使っていないということから、リアスペースも思いきって前の2人のために提供し、楽しいコトをいっぱい積みこめるようにしよう、とのアイデアから生まれたものだ。

 外観デザインは、デザインモチーフとして、サンバのリズムで踊る、あのリオの“カーニバル”を感覚テーマとして設定。陽気でエネルギッシュでキラキラしているもの。みんながノリにノッていける、いわばラテンの血の明るさと躍動感を全身で表現しようとした。

 そのうえで、空気抵抗の低減に徹底して挑戦し、ロングルーフを最大活用したスロープド・エアロルーフ・シルエットを採用し、先代モデルに比べてシビック3ドアは10%の空気抵抗の低減に成功している。

 スポーツシビックに搭載されているエンジンは、最高出力170psを発生する1.6L直列4気筒DOHC VTECをはじめ、最高出力130psを発生する1.5L直列4気筒VTEC。そして、最高出力94ps、10モード燃費20.5km/Lという高出力・低燃費を両立した希薄燃焼方式などの技術を採用した1.5L直列4気筒VTEC-Eの3種類。

 先代で採用した4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションは、サスペンションの低バネレート化とロングストローク化に加え、ダンパーのシリンダーサイズを大きくするなどのチューニングを加えて、走行性能を大幅に向上させている。

 現在、5代目スポーツシビックの中古車は約13台流通していて、平均価格は約218.6万円。価格帯は約115万~約418万円となっている。そのうち最上級グレードのSiR、SiR IIは12台を占めている。

 ※   ※   ※   ※   ※

 中古車がほとんど流通していない初代、2代目を除いた歴代シビックの中古車の平均価格を見てみると、3代目が約278万円。4代目が約226.8万円、5代目が約218.6万円。

 ここまでが新車時価格を大きく上回っており、タイプRを除いた6代目は約113.1万円、7代目は約22.7万円。4ドアセダンのみとなった8代目が約46.9万円。

 そして現行型のハッチバックが約250万円となっている。この中古車価格から見ても、タイプRを除けば、3代目~5代目までのシビックハッチバックこそ、多くの人にとっての本当のシビックの姿であると言っているのではないだろうか。

【画像ギャラリー】ワンダーからスポーツシビックまで! ホンダコレクションホール秘蔵の歴代シビックを見る

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みんなのコメント

24件
  • ワンダーシビックは歴代最高傑作ですから

    名機"ZC型"エンジン搭載

    サッチモが唄うCM曲

    中嶋悟か操る無限シビックで挑んだグループA

    強烈な印象残していきましたからね


  • グランドの1.5はDOHCではなくSOHC16V ですよね?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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