FIAは、2月末に開催されたフォーミュラEの開幕ラウンド、ディルイーヤePrixで発生したエドアルド・モルタラ(ヴェンチュリ)の事故を受けて、全チームに対して改めてブレーキシステムの故障モードと影響の分析を見直すよう求めた。
モルタラは、ディルイーヤePrixのレース2のプラクティスでスタート練習を行なった際、ブレーキ・バイ・ワイヤ(BBW)のシステム不具合により、ターン1を直進しウォールに激しくクラッシュ。大きな衝撃を受けたモルタラは、念のため病院で検査を受けた。
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このトラブルを受けて、メルセデスとそのカスタマーチームであるヴェンチュリは予選への出場が許可されなかったが、日曜日の夜に行なわれた決勝レースへの出場は認められた。
ローマePrixのダブルヘッダーを前に、FIAは全チームに対しブレーキシステムの故障モードと影響分析(FMEA)を見直すよう要請した。各マニュファクチャラーは、車両のホモロゲーションを取得するため、トラブルに関するあらゆるシナリオを想定したリストを提出しなければならない。
テクニカル・デレゲートのローラン・アルノーが発行したブルテンには、次のように記されている。
「特に、ドライバーが何らかの理由(リークやキャリパーの問題など)でフロントブレーキを失った場合、システムはそれを検知して(回生またはBBWなどで)リヤブレーキを作動させることができなければならない」
「サプライヤーが供給するシャシーの共通パッケージには、タンデムブレーキマスターシリンダーの変位センサーが含まれている。これらのセンサーを使って、ブレーキシステムのリークを検出できれなければならない」
モルタラのクラッシュでは、ブレーキペダルは完全に踏み込まれていたが、フロントブレーキの圧力はゼロだと記録されていた。これはブレーキラインのリークが起きていた可能性が高い。
FIAは、モルタラの事故の根本的な原因はまだ完全には特定されていないものの、「今のところ、シャシーの共通部品には懸念はない」と明らかにしている。
メルセデスのニック・デ・フリーズは、昨年のメキシコシティePrixで同様のトラブルに見舞われてリタイアしているが、モルタラのクラッシュとは要因が異なると示唆されている。
またFIAは各チームに対し、ブレーキペダルに問題が発生した場合に備え、マシンを減速させることができるパドルを搭載するよう提案している。多くのチームが、すでにエネルギー回生を制御するパドルを使い、そうした機能を実現しているようだ。
DSのパフォーマンス・ディレクターであるトーマス・シュヴォシェは、motorsport.comに次のように語った。
「FMEAに加え、FIAはドライバーがパドルを使ってクルマを減速させることができるモードを推奨している」
「ブレーキシステムに非常に深刻な多重トラブルが発生した場合、ドライバーは回生パドルを使ってクルマを減速させることができる。これは、通常の内燃機関搭載マシンと比べ、安全性が高いと言えるだろう」
「何らかの理由でブレーキが効かなくなった時、モーターによって減速させることができるんだ」
ローマePrixのシェイクダウンでは、残り時間1分のところでアンドレ・ロッテラー(ポルシェ)がBBWのトラブルにより、コース上でマシンを停めている。
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