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いま「連節バス」が増加中! 自動車メーカー多数の日本でも車両は「外資」頼みという残念な現状

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いま「連節バス」が増加中! 自動車メーカー多数の日本でも車両は「外資」頼みという残念な現状

 日本でも連節バスを採用する会社が増えてきた

 ここのところ、全国での“連節バス”の運行開始や運行開始予定のニュースが目立っている。連節バスとは車体がふたつ以上連なっているバスのことで、1回の運行で乗客の大量輸送を可能としている。日本では京成バスが、JR総武線 幕張本郷駅とJR京葉線 海浜幕張駅の間を結ぶ路線で、1998年にボルボシャシー製の連節バスを用いて初めて営業運行を開始している。

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 2019年5月27日に、いすゞと日野が合弁で設立したバス製造会社Jバス製の、“日の丸連節バス”となる、いすゞ エルガ デュオと、日野ブルーリボン ハイブリッド連節バスが発売されると、それまでも各地で連節バスの導入はあったのだが、その導入に一気に加速がついたように見える。

 京成バス以外にすでに運行開始をしているところでは、横浜市内のベイエリアを走る、横浜市営バスの“ベイサイドブルー”や、博多駅と博多国際ターミナルを結ぶ、西鉄グループの“Fukuoka BRT”、同社が北九州市で運行している“Kitakyushu BRT”、神奈川中央交通が神奈川県内で運行している“ツインライナー”などがあり、東京オリンピック・パラリンピックの選手村のある、東京臨海地域と都心部を結ぶ“東京BRT”は現在プレ運行中、さらに神戸市バスが2021年4月に運行開始予定など、目立ったものをピックアップしただけでも、全国的に連節バスの普及が進んでいる。

 日本国内を走る連節バスはJバス製のほか、ドイツ・ダイムラー(メルセデス・ベンツ)や、スウェーデンのスカニアといった外資ブランドの連節バスも走っている。もともとJバス製が登場する前から、つまり外資ブランドのみのころから連節バスの導入は各地で進んでいたが、日本製連節バスの登場で一気に脚光を浴びるようになったのは否めない。

 ただ、“日の丸連節バス”といっても、関係者からは「とても日の丸連節バスといえるものではない」との話も聞く。連節部分など、連節バスの“肝”となるようなパーツなどが日本国内では調達できず、新規開発もできずに欧州サプライヤーのものを使用しているというのである。「ハイブリッド(HEV)エンジンと見た目が日本のバスっぽいところは確かに“日の丸”といえますけどね……」と関係者は続けてくれた。

 純国産の連節バスはまだまだ難しい……

 連節バスは監督官庁である国土交通省の特例措置を受けて運行しているので、その長さもあり走れる道路は限られている。また、あくまで連節(切り離せない)であり、けん引しているわけではないので、けん引免許は必要なく、大型二種免許があれば営業運行は可能となっている。

 そのため、たとえば横浜市営バスでは、運転士のなかから連節バスの運転について“志願者”を募り選抜し、営業運行開始に先立ち横浜市交通局内で運転研修を実施。そのなかですでに営業運行を実施していた福岡の西鉄グループの研修の様子を見学などしたとのことである。けん引免許は必要ないものの、一般的な路線バスとは勝手が違うので、事前研修は念入りに行われているようである。

 プレ運行をスタートさせている東京BRTでは、運行事業者は京成バスが設立した“東京BRT株式会社”となっている。すでに千葉県の幕張地域での連節バスの運行実績があるところが選ばれた理由のひとつともされているが、「まわりは都バスばかり走っているのに、東京都交通局が運行事業者ではないんだ?」との声はよく聞く。そもそもこのBRT計画は東京都都市整備局が基本計画をまとめたものなので、もっともといえる話。ただ詳細はわからないが、都の交通局に詳しい事情通に聞くと、「交通局の関係者は『別会社のことなので』、とことさら冷たい反応を示すので、『何があったのだろう?』と勘繰りたくなります」とは業界事情通。

 通勤・通学をメインに、公共輸送機関としてバス輸送に頼っている地域は多い。新型コロナウイルス拡大が続なかでは、車内混雑による“密”を防ぐ意味でも、今後も連節バスの導入は、走行可能な道路環境があれば普及は進んで行くことになるだろう。

 ただ、ようやく日本政府も“脱炭素社会”とか、“2030年代前半までにガソリン車の販売禁止”などをアピールするようになった。しかし、世界では一歩も二歩も進んでおり、街なかを走るバスのBEV(純電気バス)化が急速に進んでいる。しかし、日系ブランドのバスメーカーでは、単独でのBEV開発はほとんどアンタッチャブルに近い状態。その一方で、たとえばメルセデス・ベンツでは連節バスでもBEVバスがラインアップされているし、中国BYD製の連節BEVバスがカリフォルニア州ロサンゼルス郡の一部地域に導入されたとのニュースもある。

 一般的な路線バスでは、BYDだけでなく中国系では多くのバスメーカーがBEVバスをラインアップしており、欧州メーカーでも当たり前のようにある。さらに韓国ヒュンダイ自動車も積極的に海外展開をしている。政府の“脱ガソリン車”構想のなかにHEVも入っているようだが、世界ではHEVを外す動きもある。日本でもHEVが外されれば、路線バスは連節バスも含め一気に外資メーカー化する可能性は高いし、現状では外資に頼るしかないという状況になっているともいえる。

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みんなのコメント

26件
  • 元々国土交通省が認可しなかったからメーカーが開発しなかったのでは?。
    自分の権威を保持しようとする官僚にそうのち日本はつぶされるよ。
  • 日本の法規を国際基準に合わせないと日本のメーカーは世界をリードできない。製造業とメーカーに世界をリードする力はあるのに…

    この話は技術者畑でよく聞かれる。

    政治家と官僚の責任だ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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