信頼性の高いV8エンジンにアルミ製ボディ
text:John Evans(ジョン・エバンス)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)
軽量なアルミニウム製ボディに、接着剤とリベットで結合されたアルミニウム製モノコック。長いボンネットの中には、信頼性の高い4.2Lか5.0LのV8エンジンが収まっている。XKRならスーパーチャージャー付き。とても聞こえが良い。
この内容で英国では6000ポンド(79万円)程度から手に入る。かなりのお買い得といえるだろう。
ちなみに先代モデルとして、1996年から2006年にはXK8というモデルが存在していた。今回取り上げるのは、2007年から2014年にかけて作られていた、XKの方だ。
代替わりしても、2007年からフェイスリフトを受ける2009年までは、先代のXK8と同じエンジンを搭載していた。4.2Lの自然吸気V8エンジンで、最高出力は304psだ。
2009年以降、XKはダイレクトインジェクションの新しい自然吸気5.0L V8エンジンへスイッチ。385psを獲得している。
並行してスーパーチャージャーを積んだXKRも存在。4.2L版で426ps、5.0L版で510psを叩き出す。2008年に200台限定で発表された4.2 XKR-Sが登場。シャシーへ手が加えられ、優れたハンドリグを得ている。続いて5.0L版にもXKR-Sが発表され、549psにまで最高出力は高められた。
ボディにはクーペとコンバーチブルが存在する。英国で探すと8500ポンド(112万円)で、走行距離15万7700kmの2006年式4.2Lコンバーチブルが見つかった。
同等の価格で、34万6000km走った2009年式5.0コンバーチブルという例もあった。かなり勇気はいるが、XKは比較的順調に走行距離を重ねてくれることが伺える。
めったにないお買い得モデル
ジャガーXKは、イアン・カラムがデザインを手掛けた。ジャガーEタイプに発想を得たというが、フロントグリルや絞られていくテール部分に、その影響を感じ取れる。
アルミニウム製のモノコックはXK8よりはるかに剛性が高く、乗り心地とハンドリグを改善した。2+2の車内は広々としてモダン。荷室は、ゴルフクラブが収まるくらいの大きさしかない。
2009年のフェイスリフトで5.0Lエンジンを獲得。4.2Lより滑らかで回転上昇も鋭い。排気音には刺激的な破裂音も混ざる。新設計のデフに、ビルシュタイン社による可変ダンパーも採用している。
見た目での変更は、ブレーキ冷却用ダクトや新しいライトとミラー程度。インテリアではセンターコンソールが新しくなり、ロータリースイッチ・タイプのギアセレクターを搭載。XFに続いての採用となった。
モデル末期に向け限定モデルも登場。2010年には530psのXKR 75が、2012年にはレース仕様の内装を備え、549psを獲得したXKR-S GTが登場。XKR-Sと同様の強化ボディとサスペンションを搭載する。
黒や淡いブルーのXKは、古びず素晴らしい雰囲気を放つ。いまのFタイプのような存在感もある。
2008年式の4.2Lクーペで、整備記録が揃ったクルマでも1万ポンド(132万円)ほどあれば充分手に入る。パフォーマンスを考えれば、めったにないお値打ちモデルといえるだろう。
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
XKRでは、スーパーチャージャー下のクーラントパイプが割れ、トランスミッション上にクーラントが漏れる場合がある。修理は安く済まない。スーパーチャージャーの異音は、ノーズコーン・ベアリングが原因の場合がある。走行距離が伸びると内部破損することもあり、交換するしかない。
5.0Lエンジンの場合、インジェクターの不良でエンジンを駄目にすることがある。こまめなメンテナンスを怠った見返りだ。
トランスミッション
ZF社製のトランスミッションは密封状態だが、気にかけるオーナーは12万8000kmほどで、ZF社製のフルードで交換する人もいる。
インプットシャフトのシールやデフまで、オイルが滲んでいないか確認する。
サスペンションとブレーキ、ホイール
摩耗したブッシュを、ウレタン製に交換するオーナーも多い。アダプティブダンパーや電子サイドブレーキの動作を確かめる。20インチのホイールは、舗装の剥がれた穴などに強く当てると変形する場合がある。タイヤも高価なので、状態は確かめたい。
ボディ
ボディやトランク、ドアの下やフロントフェンダー周りの塗装状態を確かめる。気泡が出ている場合、アルミが腐食している証拠。腐食を取り除き、再塗装が必要。ボンネットには、歩行者の傷害軽減機能が付いている。
インテリア
足元の水分に注意。ダッシュボード下のエアコンのドレインが詰まり、水が漏れることがある。修理にはダッシュボードを取り外す必要があり、楽ではない。2009年モデル以降はドレインの改良を受け、不具合は生じにくい。
専門家の意見を聞いてみる
クリス・ウェストン スワローズ社サービス・マネージャー
「ジャガーXKは素晴らしいクルマです。XK8からの大きな進化といえます。車内も広いです。身長が190cmくらいあっても、快適に座れます」
「本物のドライバーズカーとして、サスペンションも洗練されました。特に4.2Lの方は、信頼性がとても高いことも魅力です。そのため、XKの走行距離は伸びがちです」
「お客様の中にも、30万km前後を走っている方もいらっしゃいます。それでも毎日の足として乗ることができるのです。低走行距離のクルマでも、定期的に整備を受けている限り問題は出ないようです」
知っておくべきこと
XKRに搭載されているイートン社製スーパーチャージャーは堅牢だが、8万kmを過ぎた辺りから不具合が出るようだ。エンジンを切った時に出る振動や異音は、その徴候。ドライブベルトを外し、プーリーからの異音や転がり感で確認できる。専門ショップへ相談した方が良いだろう。
いくら払うべき?
6000ポンド(79万円)~9999ポンド(131万円)
2006年から2007年式の、状態の良い4.2Lクーペが英国では見つかる。走行距離は16万km前後。
1万ポンド(132万円)~1万2499ポンド(164万円)
同じ4.2Lで、XKRやコンバーチブルが含まれてくる。走行距離は12万km前後。
1万2500ポンド(165万円)~1万4999ポンド(197万円)
2008年から2010年式のクーペ。走行距離の長いXKRも英国では出てくる。
1万5000ポンド(198万円)~1万9999ポンド(263万円)
走行距離が短くなってくる。2011年式の5.0Lクーペやコンバーチブルなど。程度の良い4.2LのXKRも見つかった。
2万ポンド(264万円)以上
主にベストコンディションの2012年から2014年式の5.0L XKかXKR。
英国で掘り出し物を発見
ジャガーXKR 4.2 登録:2008年 走行:10万4600km 価格:1万4490ポンド(191万円)
整備記録の揃った、ワンオーナー車のXKR。ボディも内装もブラックでコーディネートされている。ぶつけて変形しがちな20インチホイールを履いているので、状態は確かめたい。トランスミッションの整備もしておきたいところだ。
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みんなのコメント
そりゃ、安いわ