FIAは昨年末、国際モータースポーツ競技規則を更新。ドライバーが『国際競技会ではFIA、国内競技会ではASNの書面による事前承認がない限り、その規約の下でFIAが推進する中立性の一般原則に著しく違反する政治、宗教、個人の発言やコメントを一般的に作成、表示した場合、規則違反を犯したとみなされる』ことが追記された。
これについてレッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、ドライバーたちが望むならば、これに異議を唱えるつもりだと語った。
■F1ドライバーのメッセージ発信を禁じたFIAの意図は”他所でやれ?” 会長は「プラットフォームは他にもある」と言及
このFIAの規則変更は、昨シーズン終了後に行なわれたため、まだ多くのF1ドライバーたちが意見を発信していない状況である。しかしホーナー代表は、必要とあれば声を上げることも辞さないと語る。
「これについては、いくつかの見方がある」
FIAがメッセージ禁止を決めたことについて意見を求められたホーナー代表はそう語った。
「まず第一に、スポーツは政治的手段として利用されるべきではないと思う。そしてスポーツは、多くの点で明らかに楽しませるためにあると思うが、その中には現実逃避の要素も含まれていると思う」
「しかし確かに、我々レッドブルは、言論の自由、意見の自由などを与えないという点で、ドライバーを強制したことはない。だって、彼らには声があるんだからね」
「バランスを見つけるという問題だと思う。今我々が住んでいる世界では、誰もが発言権を持っている。それは、抑圧されるべきではない。しかしその一方で、もちろん責任を持って行なう必要もある」
「意見のない、ロボットがレースに参加することなど望んでいない。でも全てのことと同じように、賢明なバランスを取ることが必要だ」
なおFIAのモハメド・ベン・スレイエム会長がSNSで、F1の評価額は不当に高騰していると発言したことについて、F1側は越権行為だと反論。論争に発展している。このことについてホーナー代表はコメントすることを拒否。これは、FIAとF1の間の問題だと指摘した。
「FIAと商業権所有者との間の問題について、私はコメントを求められたくないね」
そうホーナー代表は語った。
「FIAはこのスポーツの統治機関だ。コンコルド協定を通じて、各チームとの間で三者協定が結ばれているが、これについての交渉はリバティとFIAの間で行なわれる。このことについては彼らの仕事であり、我々の仕事ではない」
ベン・スレイエム会長は今回の発言について謝罪すべきだと思うかと尋ねられたホーナー代表は、次のように語った。
「繰り返すが、これは私がコメントしたい問題ではない。私が言えるのは、関係者同士で話し合うべきだと思うということだ」
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