現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【ブランドイメージを再構築】ヒュンダイ・アイオニック5 試作車へ試乗 純EVの個性 後編

ここから本文です

【ブランドイメージを再構築】ヒュンダイ・アイオニック5 試作車へ試乗 純EVの個性 後編

掲載 更新 13
【ブランドイメージを再構築】ヒュンダイ・アイオニック5 試作車へ試乗 純EVの個性 後編

ホットハッチに並ぶスタートダッシュ

text:Richard Lane(リチャード・レーン)

【画像】ヒュンダイ・アイオニック5 競合する純EVモデルと比較 全107枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ヒュンダイ・アイオニック5の動的性能は充分に活発。0-100km/h加速時間は5.2秒とされており、ゴルフRやメルセデスAMG A35など四輪駆動のホットハッチに並ぶスタートダッシュを決められる。

航続距離重視の後輪駆動版は、ここまでエネルギッシュではない。そのかわり、482kmの距離を一度の充電で走り切れる。

英国価格は、バッテリー容量が58kWhで後輪駆動のアイオニック5なら、4万ポンド(600万円)以下。電気モーターの最高出力は170psに設定され、0-100km/h加速は8.5秒となるという。

電圧800Vのシステムを採用し、最大350kWの超高速充電に対応。計算上は充電を初めてから5分で、約100kmぶんの電気を蓄えられることになる。

ドライビング体験は、斬新なボディデザインからイメージするほど、強い特徴があるわけではない。しかし、充分な説得力はある。軽く正確な操作系に上質なシート、優れた視認性で、安楽に運転できる特性が与えられている。

0-100km/h加速から想像するような、コーナーの頂点をすり抜けるホットハッチ的ではない。とはいえ、ファミリーカーサイズのクロスオーバーとして、当然の内容ではあるだろう。

サスペンションは長波長の揺れが若干残る印象で、量産仕様として上層部の承認が降りるまでに、もう少し引き締めても良いかもしれない。それでも、この価格帯の純EVとしては感心するほど乗り心地に長けている。

印象的なまでに居心地が良いインテリア

シンプルな2本スポークのステアリングホイールを回せば、幅の広いフロントノーズを狙った通りに操れる。狭い道でも扱いやすい。高速道路も得意分野。ホイールは20インチと大きいが、走行中は平穏で安定感もある。

このソフトな個性は、インテリアデザインにも反映している。通常触れるような場所にはリサイクル素材か持続可能性を意識した素材が用いられ、車内は快適性と利便性に焦点が向けられている。

アイオニック5のフロアは、ほぼ車内幅いっぱいに渡ってフラット。前列シート周りの空間は広々しており、スリムなシートデザインのおかげで2列目シートの空間にもゆとりがある。電動で135mmもスライドが可能だ。

フロントシートには、メルセデス・ベンツSクラスのリアシートに付いているような、ふくらはぎをサポートするカーフレストのほか、深くリクライニングできる機能もオプションで追加できるという。印象的なまでに、居心地が良い。

ダッシュボードの半分を埋めるのが、12.3インチの2面のモニター。同時に、実際に押せるスイッチ類も充分に残されている。触覚フィードバックは、あまり良くは感じられなかった。

最大トルクは61.5kg-mもあり、ドライバーが望めば周囲が驚く勢いでスピードを高められる。特にステアリングホイールのセレクターでスポーツ・モードを選べば、目をみはるほど。

運転しやすい特徴とクルマとしての個性

タイヤはSUV用のミシュラン・パイロット・スポーツ4。シャシー性能が高く、グリップ力も不足ない。力強いモーターのパワーをしっかり受け止め、サスペンションの快適な速度域を超えるスピードまで、アイオニック5を突き進められる。

大型のハッチバックとして、操縦性のバランスは良好。リア側に主役があるパワートレインの構成は、より車高の低いクーペにも載せたいと思える。ちなみに同じプラットフォームを用いて、ヒュンダイはクーペを検討中だという。

ここ10年のヒュンダイの中で、最も重要な意味を持つであろうアイオニック5。プロトタイプとはいえ、90分の試乗時間が充分ではないほど濃い内容を持つクルマだった。

考え込まれた人間工学的なデザインや、不足ない航続距離と動的性能を備えていることは間違いない。さらに運転しやすい特徴が、ヒュンダイ・アイオニック5の訴求力をしっかり支えている。

多くのライバル純EVに欠けている、クルマとしての個性が与えられている点も強み。多くの競合メーカーにとって、手強い存在になるかもしれない。

ヒュンダイ・アイオニック5 ロングレンジAWD プロトタイプのスペック

英国価格:4万4000ポンド(660万円/予想)
全長:4640mm
全幅:1890mm
全高:1600mm
最高速度:185km/h
0-100km/h加速:5.2秒
航続距離:410km(予想)
CO2排出量:−
車両重量:2150kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:72.6kWh
最高出力:306ps
最大トルク:61.5kg-m
ギアボックス:シングルスピード・オートマティック

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
AUTOSPORT web
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
くるまのニュース
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
AUTOSPORT web
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
AUTOCAR JAPAN
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
Auto Messe Web
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
AUTOSPORT web

みんなのコメント

13件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村