「3000万円以上の物件」も決して珍しい存在ではなくなってきたR34型日産スカイラインGT-R。その中古車相場は今、ある意味果てしなく高騰しているわけだが、そもそもR34型GT-Rの相場はいくらぐらいになっているのか?
そして「GT-R以外のR34型スカイライン」の相場も、このところ上昇しているのだろうか?
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今一度、合わせて確認してみることにしよう。
文/伊達軍曹
写真/NISSAN
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■R34型スカイラインGT-Rのグレード体系は?
まずはGT-Rである。
1999年1月から2002年12月にかけて販売されたR34型日産 スカイラインGT-Rの主要なグレードは下記のとおりであった。
●GT-R(前期型)|いわゆる標準車の前期型。最高出力280ps/最大トルク40.0kgmのRB26DETT型2.6L直6ツインターボエンジンを搭載。新車時価格は499.8万円。
もはや「高値の仇花」R34GT-R。最後の「スカイラインGT-R」でもある。ニュルの市販車最速ホルダーにもこだわり続け、1990年代国産スポーツの頂点であり続けた
●Vスペック|前期型の上級グレード。ダウンフォースを発生させる「アドバンストエアロシステム」や、アクティブLSDの「ATTESA E-TS PRO」などを追加。新車時価格は559万円。
●Vスペック N1|N1耐久レース参戦用のベースモデル。ドアミラー電動格納機能やエアコン、オーディオ等々を省略し、耐久性重視のメタルタービンやφ322mmのリアブレーキローターを装備。新車時価格は599.8万円。
●ミッドナイトパープルII|R34GT-R発売を記念して、Vスペックベースのものと合わせて300台限定で販売されたモデル。見る角度によって色が変化する「ミッドナイトパープルII」をボディ色に採用。新車時価格は529.8万円。
●Vスペック ミッドナイトパープルII|上記の、Vスペックをベースとしたもの。新車時価格589.8万円。
●ミッドナイトパープルIII|ミッドナイトパープルIIの色変化や輝きをさらにアップさせたモデル。2000年3月までの限定販売で、新車時価格は514.8万円。
●Vスペック ミッドナイトパープルIII|上記の、Vスペックをベースとしたもの。新車時価格574.8万円。
●GT-R(後期型)|いわゆる標準車の、2000年10月に行われたマイナーチェンジ以降の型。Vスペック N1で使われた大径のリアブレーキローターが標準装備に。新車時価格は504.8万円。
●VスペックII|後期型ベースのVスペック。アルミ製ボンネットより4kg軽いカーボンボンネットを採用。新車時価格574.8万円。
●VスペックII N1|VスペックIIベースのN1耐久レース参戦用モデル。主な変更点であるNACAダクト付きカーボン製ボンネットの採用。新車価格は609.8万円。
●Mスペック|乗り心地と上質感を重視したモデル。基本的な装備はVスペックIIと同等で、専用開発されたリップルコントロールショックアブソーバーなどを採用。新車時価格は595万円。
●VスペックII ニュル|Mスペック ニュルと合わせて1000台が限定発売されたファイナルバージョンで、即日完売。ニュル専用N1ベースエンジンや、ニュル専用300km/hフルスケールスピードメーターなどが特徴。新車時価格610万円。
●Mスペック ニュル|Mスペックをベースとするニュル仕様モデル。新車時価格は630万円。
■驚愕の中古車価格。下手すれば新車のR35NISMOすら買える
で、2021年6月上旬現在のR34型スカイラインGT-R全体の中古車価格は「1200万~3600万円」といったところ。そしてグレード別では、おおむね下記のとおりとなっている。
◆標準車|流通台数:20台 相場:1200万~2300万円
◆Vスペック|流通台数:16台 相場:1300万~2000万円
◆Vスペック N1|流通台数:0台
◆Vスペック ミッドナイトパープルII|流通台数:0台
◆Vスペック ミッドナイトパープルIII|流通台数:0台
◆VスペックII|流通台数:6台 相場:2000万~2500万円
◆VスペックII N1|流通台数:0台
◆VスペックII ニュル|流通台数:2台 相場:3500万~3600万円
◆Mスペック ニュル|流通台数:0台
2002年式VスペックIIニュル 。量産車ベースで作られていたこそ新車価格は性能に対して抑え目だったのかもしれない。しかしハリウッド映画への登場を機に、海外でも注目を集め価格も暴騰
……想像どおりというか何というか、全体的に超高値であり、「ミッドナイトパープル」や「ニュル」などの人気限定車は超希少または流通ゼロで、仮にあったとしても鬼のように高い。
今からR34型GT-Rの購入を検討するなら、標準車またはVスペックのなかからボチボチ探すか、もしくは「いっそキッパリあきらめる」というのが、唯一の現実的な方策となりそうだ。
■RじゃないほうのR34スカイラインはどうか?
では「GT-RじゃないほうのR34型日産 スカイライン」は今、どうなっているのか?
GT系R34全体の中古車流通量は2021年6月上旬現在、全国で約120台。価格はおおむね50万~560万円となっている。最高値圏の物件はさすがになかなか高額だが、それでも、GT-Rと比べれば「現実的」とはいえるだろう。
さて、「じゃない」ほうのR34。とにかく走りを前面に出したモデルだった。しかし当時の日産は会社として迷走中で、スカイライン、ローレル、シルビアと日産の名車が軒並み迷車となり果てた
では、GT系R34の中古車価格と流通量をグレード別に見てみよう。
●GT|流通量:22台(AT 13台/MT 9台) 相場:70万~210万円
いわゆるベースグレードで、搭載エンジンは最高出力155psのRB20DE型2L自然吸気。流通量が(R34としては)多いため、いちおう探しやすいとはいえる。
2ドアGT。ベースモデルだと太いタイヤが災いしてかリアスポイラーとのアンマッチ感を感じる。R34は当時としては剛性感の塊のようなクルマであり、ベースモデルでも素性のよさは体感できた
●25GT|流通量:10台(AT 9台/MT 1台) 相場:80万~200万円
最高出力200psの2.5L自然吸気「RB25DE」型エンジンを搭載した売れ筋グレードだったが、今となっては流通量がやや少なめ。
●25GT-FOUR|7台(AT 1台/MT 6台) 相場:110万~520万円
25GTと同じ2.5L自然吸気エンジン搭載の4WDモデル。アテーサE-TS搭載。相場は意外と高く、流通量も少なめだ。
●25GTターボ|43台(AT 9台/MT 34台) 相場:120万~450万円
最高出力280psのRB25DET型ターボエンジンを搭載する、非GT-Rでは最上位グレード。大径ブレーキやスーパーHICASなどを装備。200万円台でまずまず良好な個体(しかもMT)が多数流通しているイチ推しグレード。
●25GT-Xターボ|11台(AT 3台/MT 8台) 相場:160万~310万円
25GTターボにキセノンヘッドライトやオートライトシステム、ホログラフィックサウンドシステムなどを追加した豪華仕様。こちらも200万円台に注目したいが、流通量は少なめ。
2ドア25GT-Xターボ。RB25DET(NEO)も280馬力に到達し、スカイラインとしての完成形だった。この後次世代プラットフォームのV35へ変わるが、未だにR34までがスカイラインとの声も多い
●25GT-V|4台(AT 1台/MT 3台) 相場:150万~180万円
25GTターボと25GTの2.5L自然吸気エンジンを組み合わせたグレード。大穴として魅力的な存在ではあるが、いかんせん流通量が少ない。
このなかでの狙い目は、やはり「流通量が多い」「そもそもクルマとして魅力的」という意味で、「25GTターボのMT車」になるはずだ。
R34型GT-Rはもはや「ほぼ手が届かない存在」になってしまったと言えるが、(同タイプではないが)同じく280psをマークする25GTターボのMT車を、フルノーマル状態で地味に乗る……というのは、いかにも「羊の皮をかぶった狼」的で楽しそう。
いまや「高嶺の花」となってしまったR34GT-R。海外で評価され流出し、国内でも再評価の結果、価格高騰の構図はかつての浮世絵にも通じるものがある。言わばクルマ界の葛飾北斎といったところか
そんな25GTターボの相場も高騰はしているわけだが、さすがにGT-Rほどではない。ご興味のある方は、中古車販売店にて一度現車をチェックしてみることをお薦したい。
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みんなのコメント
みんなが求めてるスカイラインはデカくて若者が買えないローレルみたいなハイソカーじゃなくてR34のようなスポーツカーだよw
最上グレードが上がったら下のグレードも釣られて上がるが、34は何か別格に上がってる。
マーク2で言う所の1GのNAATモデルが100万円してるようなもの。
恐らく映画に影響を受けた若者が購買層になっていると思うが、ここまで世代を越えて愛されるとは日産も想像つかなかっただろうね。
なんせ34はそこまで売れなかったから。