株式会社モニタスが「マイクロモビリティに関する意識調査」の結果を公表した。調査対象となったのは一都三県在住16~69歳の2,400名。この調査のなかでマイクロモビリティの利用率が約2割に過ぎずまだメリットが浸透していないこと、7月からの規制緩和に伴い電動キックボードを利用しようと考えている人が3割いることが判明。また、約5割が今後マイクロモビリティが普及すると考えていることが明らかになった。
道路交通法改正によってマイクロモビリティは普及するのかLuupとドコモ・バイクシェアの認知や利用状況は?顧客理解と市場把握の可視化をまるっとサポートするツール “シン・ネットリサーチ”「スパコロ」を提供する株式会社モニタス(本社:東京都港区、代表取締役社長:林 秀紀)は、一都三県在住16~69歳の2,400名を対象に実施した「マイクロモビリティに関する意識調査」の結果をご報告いたします。
ここ数年、首都圏では設置ポート間での乗り捨て利用が可能な電動自転車や電動キックボートを目にすることが多くなりました。これらは「マイクロモビリティ」と呼ばれ、日本のCO2排出量に影響の大きい自動車利用、特に地域交通のグリーン化に向けた次世代の移動手段として、脱炭素やカーボンニュートラルという観点で普及促進に向け取り組まれています。一方で、交通ルールの整備・浸透が及ばず利用者の危険な運転も目立つようになっていることが問題視されていました。
そこで、これらの新しい交通サービス関連法を整備すべく、2022年4月にこれらの電動小型モビリティ(マイクロモビリティ)の車両区分を新しく定める改正道路交通法が国会で成立しており、2023年7月より施行される予定です。これにより、今後はサービス利用・個人所有の両面でマイクロモビリティの利用拡大が予想されています。
令和五年改正道路交通法 改正事項の要約・最高速度が時速20km以下の電動キックボードを対象とする、新たな交通ルールの適用を7月1日から始めると正式に決定
・ヘルメットが着用義務から努力義務になり、制限速度が30kmから20kmに
・16歳未満は運転禁止だが、運転免許証は不必要に
今回はそんな電動キックボート等のマイクロモビリティに着目し、現在の利用状況や法改正に伴う意識変化があるかについて調査を行いましたので、その結果をお知らせいたします。
■出典/警察庁 特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード等)に関する交通ルール等について
・URL/https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/tokuteikogata.html
モニタスでは、話題のサービスや商品から独自の選定基準で調査を実施し、消費者意識の可視化や認知率、利用率、顧客理解など様々なデータを発表しています。
モニタスが提供するサービス「スパコロ」は、顧客理解と市場状況を可視化し、ワンストップでサポートするツールです。自社会員IDと紐付けたアンケート調査、さらに外部モニターと組み合わせたリサーチが可能になるため、企業側はより深い顧客理解や市場把握ができるようになります。さらに顧客側はポイントやプレゼントなどのメリットを受けられるので、活性化にも繋がります。
・URL/https://monitas.co.jp/supcolo.html/
主な調査結果・マイクロモビリティに「乗ったことがある」人は16%。乗った理由は「楽しそうだから」(40%)、「電車やタクシーに乗るほどではないけど徒歩だと遠い移動があったから」(29%)、「気持ちよさそうだから」(29%)。一方、乗ったことがない理由は「今の交通手段で十分だから」(32%)、「近くに場所がない」(21%)、「利用方法や仕組みがよくわからない」(18%)。
・マイクロモビリティ・パーソナルモビリティのような移動手段は普及すると思うかという質問に対して「とても思う」(11%)「まあまあ思う」(35%)、と回答した人は合計46%。
・マイクロモビリティの代表的なサービスである「LUUP」と「ドコモ・バイクシェア」の認知割合は、どちらも約2割。、アプリダウンロード経験、サービス利用経験、最も利用している割合は1割未満となった。
・電動キックボードに乗りたいかという質問に「とても乗ってみたい」(8%)、「やや乗ってみたい」(18%)と回答した人は合計26%。
・マイクロモビリティ関連法改正については、約2割が「嬉しい」と回答。
マイクロモビリティの利用経験はどれくらい?一都三県の2,400名に対して、電動車椅子や超小型車、電動キックボートなどのマイクロモビリティの利用経験を聞いた結果、「乗ったことがある」が16.0%、「乗ったことがない」が84.0%でした。
近年空きスペースを活用してマイクロモビリティのポートの設置を行うコンビニ等施設が増加したように感じる一方で、利用したことのある人は2割に満たず、まだまだ発展途上のサービスであることがわかりました。
マイクロモビリティを利用したことがない理由 TOP5では、マイクロモビリティを利用したことがない人はどのような理由で利用していないのでしょうか。電動車椅子や超小型車などのマイクロモビリティを利用したことがない理由TOP5は、「今の交通手段で十分だから」(32.1%)、「近くにないから」(20.8%)、「利用方法や仕組みがよくわからないから」(18.3%)、「免許がないから」(14.5%)、「事故を起こしそう・事故に遭いそうだから」(12.3%)でした。
結果から、利用のメリットや利用方法が十分に伝わっていないという認知課題や、利用できる場所がない、免許がないなど利用対象者でない方が一定層存在するということがわかりました。
マイクロモビリティを利用した理由 TOP5マイクロモビリティの利用経験がある人に対し、利用した理由を聞いたところ、TOP5は「楽しそうだから」(39.6%)、「電車やタクシーに乗るほどではないけど徒歩だと遠い移動があったから」(29.2%)、「気持ちよさそうだから」(28.9%)、「自転車や自動車を持ってないから」(16.1%)、「終電を逃したから」(10.4%)でした。
結果からは「楽しそうだから」「気持ちよさそうだから」のようなドライブニーズ、「電車やタクシーに乗るほどではないけど徒歩だと遠い移動があったから」のような中距離移動ニーズ、「終電を逃したから」のような代替交通手段ニーズがあることがわかりました。
シェアモビリティサービスの認知・アプリインストール経験・利用状況は?シェアモビリティサービスについて、代表的サービスである「LUUP」と「ドコモ・バイクシェア」の認知・利用状況を比較してみたところ、ドコモ・バイクシェアは認知(19.3%)、アプリインストール経験(7.1%)、サービス利用経験(6.6%)、最も利用している(5.6%)。LUUPは認知(18.8%)、アプリインストール経験(6.2%)、サービス利用経験(5.8%)、最も利用している(4.7%)でした。
都心では見かけることの多くなった両サービスですが、認知はともに約2割、DL経験、サービス利用経験、最利用割合はともに1割未満ということがわかりました。
電動キックボードに乗りたい人はどのくらい?法改正の影響は?今年7月の法改正によって電動キックボード利用に関連する規制が緩和されますが、これにより電動キックボードに乗りたいと考える人はどれくらいいるのでしょうか。
法改正を機に電動キックボードに乗りたいかについては、「とても乗ってみたい」(8.0%)、「やや乗ってみたい」(17.6%)、「どちらでもない」(21.4%)、「あまり乗ってみたいと思わない」(22.0%)、「全く乗ってみたいと思わない」(30.9%)でした。
法改正に伴い約3割の人が電動キックボードに乗ってみたいと考えていることがわかりました。
マイクロモビリティ・パーソナルモビリティのような移動手段の普及予測マイクロモビリティのような移動手段が今後普及すると思うかについて聞いた結果は、「とても思う」(10.7%)、「まあまあ思う」(35.1%) 、「どちらでもない」(35.1%) 、「あまり思わない」(12.1%) 、「全く思わない」(15.8%) でした。
全体で約5割が今後マイクロモビリティが普及していくと考えていることがわかりました。
総論今回は電動キックボート等のマイクロモビリティに着目し、一都三県の利用状況や法改正に伴う意識変化があるか調査を実施しました。調査結果からは、マイクロモビリティを利用したことのある人は約2割であること、利用する理由としてはドライブ、中距離移動、代替交通手段などのニーズがあることがあることがわかりました。
利用していない理由としては「今の交通手段で十分だから」、「利用方法や仕組みがよくわからない」という理由が挙がり、まだまだ利用メリットが浸透していないことがわかりました。個別のサービスでは、ドコモバイクシェア、LUUPでともに認知2割、利用経験1割未満とこちらもまだまだ多くの人に認知されていない状況のようです。一方で、今年7月の電動キックボード利用に関連する規制緩和によって電動キックボードに乗りたいと考えるかについては、約3割が「乗りたい」と考えており、今後マイクロモビリティが普及するかについては、約5割が「普及すると思う」と回答しています。今年の法改正後、これまで以上にマイクロモビリティの利用者拡大が期待される結果となりました。
上記のような顧客意識はこれまで調査会社へ依頼するという方法でしか得ることのできない情報でしたが、現在ではウェブサービスの進化により、自社アプリやウェブサイトを活用し、顧客の声を定期的に聴取することができるようになっています。サービスの改善ポイントや自社が取り組むべき施策は何かを見極めるために、自社の顧客の声を聞くところからはじめてみるのもよいかもしれません。新しいサービスを展開するうえでは、今回の調査のように前提となる市場がどのように動いているのかを理解することや利用者の利用要因、利用しない要因を知ることは重要です。デジタルデバイスが普及し顧客との接点が持ちやすくなったいま、サービスの利用や決済を起点として定期的に顧客の意識を聴取し、自社のサービス改善に活かしていくことが重要となっていくかもしれません。
【調査概要】モニタス「マイクロモビリティに関する意識調査」
■調査方法/一都三県 16歳~69歳を対象としたインターネットリサーチ
■調査期間/2023年5月9日(火)~5月11日(木)
■有効回答数/2,400名
顧客理解と市場把握の可視化をまるっとサポートするツール“シン・ネットリサーチ”「スパコロ」についてモニタスが提供する「スパコロ」は、顧客理解と市場状況を可視化し、ワンストップでサポートするツールです。自社会員IDと紐付けたアンケート調査、さらに外部モニターと組み合わせたリサーチが可能になるため、企業側はより深い顧客理解や市場把握ができるようになります。さらに顧客側はポイントやプレゼントなどのメリットを受けられるので、活性化にも繋がります。
データは一元管理が可能となるため、リサーチとマーケティングでバラバラになっていたデータをまとめ、活用できるようになります。これにより広範な意識調査と自社データの直接的な関連から仮説を立てたり、店舗のビーコンや位置情報・購買情報などと連動させたアンケートを実施したり、属性別ではなく意識別の調査やアプローチができるようになります。
■サービスサイト
・URL/https://monitas.co.jp/supcolo.html/
DXを推進する事業会社においては、昨今のCookie規制などのデータ環境の変化により、データを収集・統合・格納する方法も変化しました。それに伴い、より良い商品・サービス提供を目的にデータを活用していく環境が整備されつつあります。
一方でマーケティングリサーチにおいては、多くの企業がこれまでの慣習を変えられずに、自社の保有するデータから分断された環境で聴取されたアンケート情報を利用し続けている現状があります。
モニタスはこれらの課題を解決すべく、自社会員組織を対象としたモニター化ノウハウやマーケティング支援システムの提供を行っています。ユーザーに紐づく意識データの収集・分析・データ連携をワンストップで利用でき、アンケ―トを通じた企業と消費者の最適なコミュニケーションの実現をサポートします。消費者インサイトの探索は、長く愛される商品・サービスを世に生み出す基本です。モニタスは、これからも進化し続けるデジタルテクノロジーと最適なソリューションを提供してまいります。
リリースモニタス(2023年6月7日発行)
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