現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > アメリカ車でよく耳にする「マッスルカー」ってどんなクルマ?

ここから本文です

アメリカ車でよく耳にする「マッスルカー」ってどんなクルマ?

掲載 更新 4
アメリカ車でよく耳にする「マッスルカー」ってどんなクルマ?

いかにもアメリカらしい豪快な発想

 スポーツカーにスーパーカー、ハイパーカーやホットハッチ、ライトウェイトスポーツなどなど、スポーツ性能に優れ、スポーツドライビングを楽しむことを目的にしたクルマの呼び名は、そのクルマの性格に合わせていろいろある。

90年代に大ブーム! ミニバン本家のアメ車「シボレー・アストロ」が一世を風靡した理由

 なかでも独特なのがアメリカ車の一部を指す「マッスルカー」という呼称。もしかしたらアメ車のハイパフォーマンスなクルマをすべて「マッスルカー」と呼ぶと勘違いしている人もいるかと思うが、必ずしも正しくはない。それでは「マッスルカー」とはどんなクルマのことを指すのか考察してみよう。

 ウィキペディアによると、「マッスルカー」は”Oxford Dictionary”で「高パフォーマンス(高速)の自動車だが、なかでもV8エンジンを持ち、米国で主に1960年代と1970年代に製造されたスポーツカー」と定義。また、”Merriam-Webster dictionary”では「米国製の2ドア・スポーツカーで、高出力のエンジン搭載で高速運転のために設計されたもの」と定義されている。広義では、アメリカ車の歴史上はじめて300馬力超のエンジンを積んだ量産車である「1955年式クライスラー300」が起源とのこと。とはいえ、正直ピンとこない。

 やはり、もっとも「マッスルカー」のイメージに合うのは、1960~1970年代前半、アメリカが元気だった頃の見るからにスポーティでスタイリッシュで速かった、インターミディエイトクラスのクルマたちだろう。

 もともとアメ車はボディが大きくなればなるほど高価でハイパフォーマンスな傾向にあった。そこへもう少し手軽にスポーツドライブを楽しめるようにと、通常であればフルサイズクラスのクルマに搭載されるハイパフォーマンスエンジンを、あえてフルサイズよりも小さくコンパクトよりも大きいインターミディエイトクラスのクルマに搭載したモデルが登場する。

 それこそが1964年式ポンティアックのル・マン(テンペスト)に用意されたパッケージオプションの「ポンティアック GTO」。我々がイメージする”マッスルカー”の元祖だ。以降、シボレー・シェベルやフォード・トリノ、ダッジ・チャレンジャーなどなど、GM、フォード、クライスラーの各ブランドからマッスルカーが誕生することになった。

 いわゆる「スポーツカー」と「マッスルカー」が大きく異なるのは、欧州を中心としたスポーツカーが高性能なエンジンの搭載に加えてボディに軽量化を施すなどでパフォーマンスアップを狙っていたのに対し、「マッスルカー」は軽量化することなく、あくまでも大排気量の高出力エンジンを搭載することでパフォーマンスアップを追求するという、いかにもアメリカらしい豪快な手法がとられたことだろう。

 この意味からすると、一部メディアでは「マッスルカー」として紹介されることもあるシボレー・コルベットは、初代モデルから一貫して軽量化も念頭に欧州スポーツカーにも劣らない性能のクルマを目指して開発されており、スポーツカーではあってもやはり「マッスルカー」ではない。

 1960年代にポンティアックGTOによって開拓され、数多のモデル登場によって拡大した「マッスルカー」の市場は、1970~71年にピークを迎える。そして1972年以降は急速に縮小へと転じ、1973年のオイルショックが決定的となって多くのマッスルカーが姿を消すことになった。実質的に、「マッスルカー」が栄華を誇っていたのはわずか10年ほどにすぎないが、それでもアメリカ車を代表するクルマとして「マッスルカー」は今でも語り継がれる存在となっている。

 このように大まかに定義こそされているが、厳密な決まりがあるわけではない。今回の考察も「マッスルカー」の定義の一案として参考にしてもらいたい。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
motorsport.com 日本版
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
くるまのニュース
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
バイクのニュース
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
レスポンス
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
WEB CARTOP
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
くるくら
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
AUTOSPORT web
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
WEB CARTOP
一体何が!? シーズン終盤のF1レースディレクター交代劇にドライバーたちも驚き「ちょっと奇妙だよね……」
一体何が!? シーズン終盤のF1レースディレクター交代劇にドライバーたちも驚き「ちょっと奇妙だよね……」
motorsport.com 日本版
VW、新型SUV「ティグアン」を発売 価格は487万1000~653万2000円
VW、新型SUV「ティグアン」を発売 価格は487万1000~653万2000円
日刊自動車新聞
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
くるまのニュース
家族のおでかけマンネリ解消へ、日産が新プロジェクト 全国の「奥名所」を発掘
家族のおでかけマンネリ解消へ、日産が新プロジェクト 全国の「奥名所」を発掘
レスポンス
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
LE VOLANT CARSMEET WEB
平凡な男が突如、何百万人もの夢の中に現れる!?『ドリーム・シナリオ』
平凡な男が突如、何百万人もの夢の中に現れる!?『ドリーム・シナリオ』
バイクのニュース
「悪くはないが、良くもない」勝田貴元、シェイクダウンは入念に走行。改善のカギと戦略は/ラリージャパン
「悪くはないが、良くもない」勝田貴元、シェイクダウンは入念に走行。改善のカギと戦略は/ラリージャパン
AUTOSPORT web
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
THE EV TIMES
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
レスポンス
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
バイクブロス

みんなのコメント

4件
  • 格好いいよね。
    ミニバンなんか乗るより全然良い。
  • いいね·いいね♪···けど私は世代的にマッスルカーには遅れた世代で、マスタングコブラも「Ⅱ」だしオールズ442もプリマス·ロードランナーもそれぞれカトラスやヴォラーレをそれらしく外観を装ったものの方が親近感を感じます。マスタングⅡコブラⅡのフードの上にファラ·フォーセットが座ってる写真なんか見るとニコニコしちゃうヨ♪
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村