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3シリーズがSUVになってもイイじゃん!──新型BMW X3 xDrive 20d試乗記

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3シリーズがSUVになってもイイじゃん!──新型BMW X3 xDrive 20d試乗記

ビッグマイナーチェンジを受けた新型BMW「X3」のディーゼルモデルに小川フミオが試乗した。印象はいかに?

気合いを感じる1台

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運転が楽しめるSUVといえば、筆頭格はBMW「X3」だろう。現行モデルは、2017年10月に日本発売開始された3代目。高性能な「M40i」とか「M40d」に目がいってしまうが、2.0リッター・ディーゼルの「X3 xDrive 20d」は捨てがたい。全方位的にバランスがいい。

ここで試乗記を紹介する車両は、2021年にマイナーチェンジしたものだ。デザインが一部変更されたことをはじめ、運転支援技術と、エンジンそのものにも手が入った。

ハンズオフ機能については、車両周辺監視用、中距離検知用、長距離検知用という3つの単眼カメラを採用。さらに、毎秒2兆5000億回の演算能力を持つとされる「EyeQ4」なる画像処理プロセッサーを採用。「より正確なレーンキーピング、より長距離の危険予測、より高角度視野での周辺危険予測を実現」したとBMWではしている。

エンジンは、1995cc直列4気筒ディーゼルターボ。2021年の改良において、ソフトウェアが変更となり、エンジン型式が「B47D20A」から「B47D20B」に。空力特性の向上とともに、燃費も向上。JC08モードを参考にすると、従来のリッター17.0kmから。今回は同18.6kmへとさらに改善されている。

このエンジン、最大トルクが400Nmもある。カラカラっという音はほぼ聞こえないし、エンジンは気持ちよくパワーを出してくれるし、東京と箱根を往復してもまったく疲れない。よく出来ている。

BMWが初代X3を発表したのは2003年。さきだって、より上の市場をねらう「X5」が出ていたとはいえ、衝撃的だったのを私もよくおぼえている。3シリーズがSUVになっちゃった……と、感じたからだ。

もちろん、両車はいまも併存しているが、BMWはクルマづくりの軸足を、同社の名声に大きく寄与してきたはずの3シリーズからX3へと移すんじゃないか? なんて思ったものだ。それぐらい、X3には気合いを感じた。

気持ちの良いディーゼル

じっさい、操縦して楽しい、ドライバビリティの高いモデルなのだ。いまのX3のよさは、運転の楽しさに磨きをかけるとともに、スタイリングをふくめた存在感であると思う。

とくに外観。そとから眺めていると、ポリゴン(多角形)的なラインがあらゆるところに採用されていて、個性が際立っている。

フロントのキドニーグリルの輪郭からはじまって、ヘッドランプ、エアダム、どれも造型に凝っているのだ。リアもコンビネーションランプやバンパーから下の部分など、たんに曲線とか曲面でないかたちが印象的で、2022年春になっても、まったく古びてみえない。

魅力でいうと、居心地のよさもX3の大きな特徴だ。1960年代から、セントラルシーム(central theme)あるいはドライバーオリエンテッドというコンセプトを採用して、運転者を中心にドライビングがしやすいようデザインされたコクピットの考え方は不変。それでいてスポーツカーのような窮屈さはない。

BMWがトレンドを作ったともいえる、極太グリップのステアリング・ホイールも、しっかり握れるのでドライバーにとって安心感を醸成してくれる。アクセル・ペダルを踏むと軽く抵抗があって、そこから少し右足に力をこめるとエンジンがぱっと反応してトルクがばーっと出てくる。この設定もうまい。

軽い抵抗を作ることで、ドライバーは自分で操縦している気分を強く持つことが出来る。しかも触れたとおり、その先は、1750rpmから発生する400Nmの大トルクを思うがままに操れると感じるぐらい、アクセルペダルへのレスポンスがするどい。

ガソリンエンジン車は、アクセルペダルを介して回転を楽しむものだとしたら、ディーゼルではトルクを楽しめる。20dでは、よく出来たディーゼルユニットの、気持ちのいい加速感がぞんぶんに味わえるのが、おおきな価値であると思う。

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それに応えて、足まわりもしっかりとした設定だ。ドライブモードで「スタンダード」を選択すると、路面からの突き上げが抑えられて、高速巡航や市街地ではとくに快適。

「スポーツ」ではステアリング・ホイールの操舵力が変わるので、山岳路などではいいかもしれない。

ただし、ステアリング・スピードというものに対して、やや足まわりがソフトすぎるかな?と、思う場面もあった。慣れの問題だろうから、けっして短所ではないが。

変えるべきところは変えてきたはずだけれど、X3のよさは、ブレがないように感じられるところだと、私は思っている。初代から、スタイリングを含めてコンセプトが一貫している。

いまはプラグインハイブリッドや、ピュアEVのiX3もラインナップに加わったものの、先述したようなスタイリングのコンセプトとともに、スポーティな操縦性を追求する姿勢に揺らぎが見られない。

2030年までに世界販売の半数を電動化するといっているBMW。それだけに、ディーゼルのX3にはいつまで乗られるかわからない。

でも、走らせて楽しいというこのクルマの真価は、新しい時代に受け継がれていくんだろう。歴代のX3を楽しんできた私はそう思う。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

12件
  • だいぶ凛々しくなったと思う
  • BMWは※20や※23、メルセデスは200や220
    非力なグレードばっかり見かけるし
    中古車市場見ても大半がコレ
    ボンネット開けたらスカスカ
    コレ乗ってる人はレクサス笑えない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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