現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【昭和の名車 179】2代目となったカローラFXはクラスを超えた高品質感を訴求した

ここから本文です

【昭和の名車 179】2代目となったカローラFXはクラスを超えた高品質感を訴求した

掲載 更新 5
【昭和の名車 179】2代目となったカローラFXはクラスを超えた高品質感を訴求した

昭和は遠くなりにけり・・・か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「トヨタ カローラFX(2代目)」だ。

トヨタ カローラFX(2代目/AE92型):昭和62年(1987年)5月発売
1987年(昭和62年)5月、カローラ&スプリンターシリーズが6代目にフルモデルチェンジする。スポーツファンにとって最大の関心事は、国産唯一の1.6Lスポーツとして愛されてきたレビン/トレノがFFになったことだった。当然、カローラの派生車種であるFXも、シリーズ全体の開発テーマである「新しい車格の創造~クラスを超えた世界のハイクオリティ車」に基づきフルモデルチェンジされている。

【くるま問答】アイドリングストップ機能はよいことばかりではない。OFFスイッチはいつ使う?

FXのキャッチフレーズは「ふたりのファーストクラス」で、トヨタは「滑らかな球体イメージのフォルム、ツインカムエンジン、心地よさに満ちたキャビンなど、ファーストクラスに相応しいセンス&クオリティを身に付けて、誰よりも満ち足りた気分になれるクルマに生まれ変わった」と表現した。

外観は、バックドアアングルを立てたロングルーフと太いクオーターピラーで力強さを印象付け、エアダムスカート一体大型バンパーからラウンドしたリアエンドまで連続する曲面で構成したスピンドルシルエットと徹底したフラッシュサーフェス処理で、風にクサビを打ち込むような空力特性を演出している。キャビンも、室内全体をフルトリム化し、大型7連メーターを配したクラスター全体をセーフティパッドで覆い、さらにステアリングやスイッチの素材を吟味してインターフェースの触感にまでこだわるなど、従来のカローラのイメージを打ち破る高品質感を訴求していた。

プラットフォームは、前後のサブフレームでサスペンション取り付け剛性(局部剛性)を上げ、ボディ全体剛性は骨格の結合や溶接位置までFEM(有限要素法)を活用することで高剛性を達成した。最大のメリットは、ボディを単に硬くするのでなく、入力のいなしも考慮した上で高い捻り・曲げ剛性を実現したことだ。サブフレームの追加などで車重増は避けられなかったが、高張力鋼板の使用を25%増やすなど軽量化を図り、新型FX-GTは重量を先代FX-GTの90kg増に収めていた。

前後ストラット式サスペンションは形式こそ先代と同じだが、フロントはL型ロアアームの取り付け位置を40mm前方にして横剛性を高め、アライメントもハイキャスター・ショートトレイルの採用で高い直進性を実現。さらにGTにはパフォーマンスロッドを標準装備して操舵応答性を向上させている。リアはパラレルリンクとテンションロッドを組み合わせたデュアルリンク式だが、パラレルリンクの材質を鋼板プレスから中空パイプに替えて捻り剛性を向上させると同時に、リンク長さを150mm延長してトレッド/キャンバー変化を抑えていた。

エンジンはレビンに用意されたスーパーチャージャー仕様の4A-GZE型/145psは設定されず、FXではGT用の4A-GE型がトップに位置する。レビンのFF化で縦置き4A-GE型が消滅したため、従来の4A-GELの呼称から横置きを意味するLが外され、単に4A-GE型となった。基本的に先代のキャリーオーバーだが、プレミアムガソリン仕様になり、バルブタイミングの変更やエキゾーストマニホールド径拡大などの改良で、ネットで120ps(グロスに換算すると約138ps)にチューンされ、高性能NAエンジンならではの吹け上がりの良さにさらに磨きがかけられた。

ただ、ボディとサスペンションの進化が大きい分、モアパワーの声が多く出たのも事実。その声に応えるように4A-G型は1989年のマイナーチェンジで圧縮比を10.3に上げ、ノックコントロールシステムの採用やコンピュータ制御の見直しなどで一気に20ps/0.5kgmアップの140ps/15.0kgmまでチューンされ、ホットハッチの名にふさわしい走りを手に入れた。



トヨタ カローラ 3ドア1600FX-GT 主要諸元
●全長×全幅×全高:3995×1655×1360mm
●ホイールベース:2430mm
●重量:1020kg
●エンジン型式・種類:4A-GE型・直4 DOHC
●排気量:1587cc
●最高出力:120ps/6600rpm(ネット)
●最大トルク:14.5kgm/5200rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/60R14
●価格:149万1000円

[ アルバム : トヨタ カローラFX(2代目) はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【累計生産100万台を達成】三菱 インドネシアの生産拠点 2017年4月から生産開始で約50カ国へ輸出
【累計生産100万台を達成】三菱 インドネシアの生産拠点 2017年4月から生産開始で約50カ国へ輸出
AUTOCAR JAPAN
あの“マールボロ・マクラーレン”よりはるかに長い43年のスポンサーシップに幕。IMPUL星野一義総監督「カルソニックは俺の人生そのもの」
あの“マールボロ・マクラーレン”よりはるかに長い43年のスポンサーシップに幕。IMPUL星野一義総監督「カルソニックは俺の人生そのもの」
motorsport.com 日本版
【アメリカ】トヨタの「小型SUVコンセプト」がスゴかった! 全長4.3m級ボディに“ゴツ顔”採用! “次期FJクルーザー”ともいわれた「FT-4X」とは?
【アメリカ】トヨタの「小型SUVコンセプト」がスゴかった! 全長4.3m級ボディに“ゴツ顔”採用! “次期FJクルーザー”ともいわれた「FT-4X」とは?
くるまのニュース
チェックするタイミングはいつ!? バイクのチェーンとスプロケの点検頻度は?
チェックするタイミングはいつ!? バイクのチェーンとスプロケの点検頻度は?
バイクのニュース
【スポーティグレード追加】ノート・オーラに「オーテック・スポーツ・スペック」 走りをチューン
【スポーティグレード追加】ノート・オーラに「オーテック・スポーツ・スペック」 走りをチューン
AUTOCAR JAPAN
疲労を軽減する「インテリシート」オペルが開発、新型SUV2車種に採用へ
疲労を軽減する「インテリシート」オペルが開発、新型SUV2車種に採用へ
レスポンス
ヤマハの電動アシスト自転車『PAS』、2025年モデル「11車種の特徴と違い」を比較チェック!
ヤマハの電動アシスト自転車『PAS』、2025年モデル「11車種の特徴と違い」を比較チェック!
レスポンス
トヨタ アルファード、ヴェルファイアに6人乗りPHEVを新設定
トヨタ アルファード、ヴェルファイアに6人乗りPHEVを新設定
Auto Prove
BYD、佐賀県初の正規ディーラーをオープン
BYD、佐賀県初の正規ディーラーをオープン
レスポンス
どんな由来があるのか知ってる? バイクにまつわる専門用語
どんな由来があるのか知ってる? バイクにまつわる専門用語
バイクのニュース
モデリスタやば!! 新型アルファード専用エアロが鬼カッコいい件
モデリスタやば!! 新型アルファード専用エアロが鬼カッコいい件
ベストカーWeb
車のナンバー 謎の「2784」どんな意味? 読めたら「天才」! まるでパズルのような難解「語呂合わせナンバー」に込められた思いとは
車のナンバー 謎の「2784」どんな意味? 読めたら「天才」! まるでパズルのような難解「語呂合わせナンバー」に込められた思いとは
くるまのニュース
ホンダ青山ビル、建て替えで2025年5月に業務終了 新本社は2030年完成予定
ホンダ青山ビル、建て替えで2025年5月に業務終了 新本社は2030年完成予定
日刊自動車新聞
【TAS2025】スズキ 「SUZUKI BOOST GARAGE」をテーマに参考出品を含め7台を展示
【TAS2025】スズキ 「SUZUKI BOOST GARAGE」をテーマに参考出品を含め7台を展示
Auto Prove
トヨタ『MIRAI』が動力源の水素キッチンカー、汐留クリスマスマーケットに出店へ…12月21-22日
トヨタ『MIRAI』が動力源の水素キッチンカー、汐留クリスマスマーケットに出店へ…12月21-22日
レスポンス
ついに1000万円超えた、トヨタ『アルファード』『ヴェルファイア』に初のPHEV…510万円からの入門車も
ついに1000万円超えた、トヨタ『アルファード』『ヴェルファイア』に初のPHEV…510万円からの入門車も
レスポンス
とうとう1000万円超え!! 新型アルファード/ヴェルファイアが衝撃の姿に
とうとう1000万円超え!! 新型アルファード/ヴェルファイアが衝撃の姿に
ベストカーWeb
ホンダ新型「プレリュード」2025年登場へ! 新ハイブリッド搭載? 迫力エアロ仕様もあり!? 24年ぶり復活の「スペシャリティクーペ」どんなクルマになるのか
ホンダ新型「プレリュード」2025年登場へ! 新ハイブリッド搭載? 迫力エアロ仕様もあり!? 24年ぶり復活の「スペシャリティクーペ」どんなクルマになるのか
くるまのニュース

みんなのコメント

5件
  • コイツは2ドアだったけど今のカローラスポーツってFXの進化系だよね。まあ間にはランクスやオーリスも入っているけど・・・
  • ハイオク仕様になったのは後期型からじゃないかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

135.6202.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

229.0229.0万円

中古車を検索
カローラFXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

135.6202.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

229.0229.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村