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「未体験ゾーンへ。」「この車から、クルマが変わります。」 言い得て妙なトヨタ車のカタログキャッチコピー6選

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「未体験ゾーンへ。」「この車から、クルマが変わります。」 言い得て妙なトヨタ車のカタログキャッチコピー6選

歴史に残る名キャッチコピーを紹介

 未体験ゾーンへ。これは有名な初代ソアラ(1981年)のキャッチコピーで、当時よく見聞きした覚えもある。だが、じつは主としてTV−CM、雑誌広告などで使われていたもののようだった。なので編集部のリクエストもありカタログではどう表現されていたのかをお見せすべく、相当に時間を費やして探したのだがやはり見当たらず、発表当時にプレス向けに配布された広報資料にもなかった。

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トヨタ・ソアラ/未体験ゾーンへ。

 ところがやっと発見! 写真は昭和58年(1983年)3月のマイナーチェンジ時のカタログだが、このなかの紙質が変わるメカ解説部分に小さな見出しで“世界初のマイコンによる電子制御サスペンションの開発で、走りは新たなる未体験ゾーンへ。”とあった。

“未体験ゾーンへ”のコピーそのものは、意外にもカタログ上での扱いは控えめだった。SOARERの車名が大きく入った表紙のカタログは登場時から一貫したデザインで、このクルマの上品な高級感と、2.8GTシリーズに搭載の当時としては群を抜いた性能の2759cc・6気筒DOHC-EFI、5M-GEU型を筆頭としたエンジン群。そして、世界初だった電子制御サスペンションのTEMSなどのハイメカニズムなど、ページを捲るごとに最高峰パーソナルクーペ、ソアラの世界観の一端に触れられるような、そんな思いをさせてくれるカタログだった。

トヨタ・セルシオ/この車から、クルマが変わります。

 一方でそれまでのクラウンの上をいく可惜なトヨタのフラッグシップサルーンとして登場。やがて(日本市場でも)レクサス・ブランドのイメージリーダーとして成長していった初代セルシオ(1989年)も、振り返ると忘れられない存在。

 このクルマのカタログも当然ながら“上等”な仕立てで、全58ページの平綴じとし、表紙は黒地にシルバーのロゴだけを配したデザイン。開くと1ページ目には、この初代セルシオから採用されたトヨタのロゴマークの説明があり、さらに次のページで現れるのが“この車から、クルマが変わります。”のコピーだった。

 もう1ページ捲ると“高級車の新しい世界基準”とあり、いま思うと本当にそうなった(BMWやメルセデス・ベンツを震撼させた)ことを思うと、何とも自信に溢れたコピーでもあった。特徴的なのは、ありふれた風景写真などが使われず、スタジオ撮影もしくは単体写真でクルマが紹介されている“静謐”な雰囲気も特徴だ。

トヨタ・プリウス/21世紀に間にあいました。

 もう1台、トヨタ車でエポックメイキングだったクルマといえば、初代プリウス(1997年)が外せない。“21世紀に間にあいました。”がこの車のコピーだったが、まさしく2000年代を目前に初の量産ハイブリッド車として登場したプリウスにとって、これ以外のコピーはなかっただろう……と思えるコピーだった。

 実際の広告展開で“鉄腕アトム”を採用していたところも、たとえばドラえもんではなくアトムだよなぁと思わせられた。カタログの構成はあくまでも浮つかずに、真面目な企業の真面目な会社案内を見ているような(?)誠実感あふれる構成だった。

トヨタ・カリーナ/足のいいやつカリーナ。

 さてトヨタ車のキャッチコピーというと、ほかに“足のいいやつ(カリーナ)”というのが有名だ。1970年に初代セリカの兄弟車として登場したのがカリーナだったが、当初からTV−CMでも足のいいやつとナレーションも入っていた。

 4ドアセダン(とハードトップもあった)ながら、それまでのコロナなどと一線を画したスポーティな走りのキャラクターを表現すべく使われたコピーで、アクション俳優の故・千葉真一が、確かファイト一発! のあのドリンク剤のCM張りの演技でカリーナを走らせるシーンなどがあったはずだ。

 写真のカタログは1977年の初代カリーナでは最終型のものだが、足のいいやつのコピーはカタログでも健在。カタログは外観、インテリア、グレード紹介、装備と続くオーソドックスな仕立てだ。メーターナセルの左側面に無理やり(?)備わるOKモニターの赤い6個のランプも懐かしい。

トヨタ・セリカ/名ばかりのGT達は、道をあける。

 カリーナを登場させた流れでセリカも取り上げておくと、歴代モデルでコピーが印象的だったモデルはというと、やはり2代目の後期型だろう。いわゆる角目4灯になったときのモデルだが、TV−CMでもおなじみの“名ばかりのGT達は、道をあける”はインパクトがあった。DOHCエンジンを持つことを根拠に、ライバル(具体的には日産スカイライン)を意識したコピー。

 写真のカタログはそのときのものであり、表紙の写真はTV−CMのあのシーンと同じだが、なかをよく読むと「羊たちには歌えぬ歌がある」などと、かなり挑発的な文面もみつかる。

トヨタ・スターレット(KP61)/走り、較べたし。

 走りをアピールしたモデルとしてはスターレットがあった。

 KP61型世代の語尾を希望の助動詞を古語で表わした“走り、較べたし”や、FF化された3代目でも走りの訴求は続いて、“かッとびスターレット”、12バルブターボ登場の際は“イダテンターボ参上”と、いずれも勢いのあるコピーで、痛快な実車の走りを伝えたのだった。

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  • 初代ソアラのCGテレビCMは製作費が1秒当たり100万円もかかったと何かで読んだ記憶がある。当時はコンピュータが関係するものは今と比較するとべらぼうに高価だった。
  • トヨタの天才タマゴ、初代エスティマもお忘れなく。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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