メーカー純正「シャコアゲ」マシンを振り返る
ここ数年のクロスオーバーSUVブームに乗じて、というわけでもないのだろうが、カスタマイズの世界でも「アゲ」系のカスタムが人気となっている。いまや軽トラや軽バンといったアウトドアの雰囲気を持つ車種だけではなく、コンパクトカーからミニバンまでがアゲ系カスタムの対象になっているのだから驚きだ。
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しかし、よくよく考えてみるとアゲ系のカスタムは今に始まったことではなく、過去には自動車メーカーが自ら作り上げた純正シャコアゲマシンも数多く存在していたのだ。そこで今回は、そんなメーカー謹製のシャコアゲ車を振り返ってみたい。
スバル・レガシィグランドワゴン
低重心の水平対向エンジンと安定感抜群の常時全輪駆動(旧モデルにはFFもあったが)が、多くのファンを獲得し続けているレガシィ。日本では実質的な後継車種のレヴォーグにその座を譲ってはいるが、派生車種のアウトバックこそ、日本におけるメーカー純正アゲ車の元祖とも言える存在なのだ。
その源流とも言えるのが、日本で1995年にリリースされた「レガシィグランドワゴン」である。これは2代目のレガシィツーリングワゴンをベースに2.5Lエンジンを搭載し、余裕の最低地上高を持ったボディに仕立てたもの。実はこれは前年の1994年にアメリカで「アウトバック」としてリリースされたものを日本仕様に落とし込んだものであり、日本ではグランドワゴン→ランカスターと名前を変え、2003年から現在のアウトバックに統一された。
アウディA6オールロードクワトロ
「クワトロ」の名称で知られる4WDシステムを持つアウディは、1999年にA6アバントをベースとしたアゲ系ワゴンの「オールロードクワトロ」をリリースした。 このオールロードクワトロは、アウディ自慢のクワトロシステムはもちろん、エアサスペンションを標準装備することで、必要に応じて4段階に車高を変えることができるようになっていた。エクステリアも現在のクロスオーバーでおなじみの、オーバーフェンダーやサイドプロテクターといった定番装備から、無塗装バンパーなどアクティブに使われることを前提としたものとなっており、高級ステーションワゴンのA6アバントとはまた異なる雰囲気を醸し出しているのも面白いところだ。
日産 ステージアAR-X FOUR
スカイライン系のプラットフォームを共有することでスカイラインワゴンとも形容されることがあるステージア。初代モデルはかの有名なRB26DETT型エンジンを搭載した260RSというグレードも存在し、スポーツワゴンの印象が強いモデルだ。
しかし、2001年に登場した2代目モデルはそこまでのスポーティさは影を潜め、最も高額なグレードに位置していたのが通常モデルよりも40ミリ車高をアップさせ、オーバーフェンダー風のプロテクターなどを装着したクロスオーバーSUVテイストの「AR-X」だった。
ただ、見た目はSUVテイストながら、搭載されたエンジンはこのステージアのみに存在した2.5LターボのVQ25DET型エンジンで、この時代のクルマとしては珍しくドッカンターボ的な特性を持つものだった。なお、マイナーチェンジでVQ25DETエンジンはラインアップから姿を消し、AR-XはVQ35DE型エンジン搭載車に置き換えられている。
ボルボ V70 XC
質実剛健を絵に書いたようなマジメなステーションワゴン、というイメージのボルボの中型モデルV70をベースとし、1997年に登場したのがV70 XCだ。XCとはクロスカントリーの略で、のちの世代ではXC70と別車種となるが、このモデルはV70の派生車種という扱いになっていた。
V70に対して高められた車高や、専用のフロントグリルやバンパーなどがSUVテイストを高めているが、基本的なメカニズムはV70に準じており、日本へ導入されたのは直列5気筒2.4リッターのロープレッシャーターボに4速ATを組み合わせたもの。
当初は限定車であったが、反響があったのか1998年10月からはカタログモデルとなり、V70シリーズのトップグレードに君臨していた。
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みんなのコメント
この時代のシャコ上げはロードクリアランスを稼いでオフロード性能を高めるためのものでしょう
実際雪道では最強だった